毛先のカールからストレートヘアまで、ヘアアイロンはもはや女性の必需品のようなもの。その機能はどんどん進化し、使いやすさとプロの仕上がりが手軽に体験出来るので、セットのために美容院に行くという女性は減少しているようです。

しかしながら、皆さんもご存知の通り、使用時や使用後の髪へのダメージは相当で、切れ毛や抜け毛に悩んでいる人も多数いるはずです。そこでこちらでは、髪のダメージを少なくするための、ヘアアイロンの上手な使い方についてご紹介します。

時代の流行ヘアとアイロンの進化


 最近、テレビで昭和と平成の比較を題材にした番組を放送していることがあります。その中で髪型の流行が取り上げられると、懐かしくて思わずその時の自分と照らし合わせる人もいるでしょう。実は時代背景にある経済状況と美容には密接な関係があり、髪型もその1つです。

例えばバブル直前に彗星のごとく芸能界デビューした松田聖子は、聖子ちゃんカット、バブル真っ只中では、トレンディードラマで話題になったW浅野の、浅野温子のワンレン、浅野ゆう子のソバージュが大流行。その後も浜崎あゆみをまねた金髪、盛りヘアなど、日本ならではの髪型遍歴として世界からも注目されています。

そして、ヘアスタイルが流行ると同時に、セットに必要なアイテムも重要な役割を果たしています。これまで高温度設定が出来るヘアアイロンは美容院だけに精通していました。それが今は街中のショップで、店舗によっては24時間、いつでも手に入れることが出来るようになり、テクニックさえあればセット出来る昨今。

そんな便利さと比例してヘアダメージが進んでいること、それが見た目と身体のエイジングにつながっていることを、この機会に確認してみて下さい。

ヘアアイロンが与えるダメージ


 まず皆さんは、ヘアアイロンを購入する際に、メーカー名と設定温度、そして価格をチェックするのではないでしょうか。一度、買ったけど、セットが持たなかったという人は、高温度設定が出来るものを選ぶはずです。

このように、最近のヘアアイロンは誰でも簡単にセットが出来て、それを長くキープさせることを目的としているものがほとんどで、髪にダメージはつきもの、と思うような商品が数多く販売されています。

実際に髪の毛に数秒当てただけで、焦げ臭かったり髪の色が退色することがあります。まさにこれが過度のダメージで、髪の毛がやけどした状態です。皮膚のように直接温度を感じないので、高温のアイロンを繰り返し当て続けていれば、髪は悲鳴を上げているも同然。それが毛先でもブラッシングの際に頭皮が引っ張られて、健康毛まで傷めることになりかねません。

毎日使いは健康毛をどんどん遠ざけていく、そのことをしっかり肝に銘じておきましょう。

髪1本はシャーペンの芯の半分以下

 毛根から生えた髪は死んでいる、と思ったら大間違いです。美容分野では、髪の毛は爪と同様、皮膚の一部、皮膚が変形して出来ていた部位と考えます。

その働きは、外界からの刺激や衝撃から頭皮を守ったり、見た目を若々しく魅力的に見せてくれるという大事な要素を兼ね備えています。

髪の毛の太さは、日本人の平均は0.07~0.1㎜で、細い毛は0.04~0.07㎜が基準になっています。ちなみにシャープペンシルでよく使われる芯の太さは0.5㎜です。つまり髪の毛はその半分以下、どれだけ繊細でダメージに弱いかをイメージ出来るかと思います。

わずか0.1㎜の中に美髪要素ぎっしり

 
髪の毛の太さ、というより細さについて意識することが出来たら、次はその構造と働きについて説明します。こちらを理解しておくと、髪のダメージの深さを知ると同時に、いたわり方が変わってくるはずです。よく耳にする言葉も出てくると思いますので、その意味と役割を把握しましょう。


美髪の条件とは

 自分の髪の毛がどれだけ美髪の条件を満たしているか、確認してみましょう。

・健やかで美しい髪とは、艶やか、コシとハリがある状態のこと。
・髪の構造が整っている状態のこと。

この2つを叶えるために大事な、髪の構造とそれぞれの役割は次の通りです。
1本の髪は、害側から中心に3つの層から成り立っています。

●キューティクル

  • 髪の表面を覆っている。髪の外部と内部を守っている。
  • 毛根から毛先に向かってウロコ状の細胞が重なり合っている。
  • 主成分はケラチン(硬質たんぱく質)

●コルテックス

  • キューティクルの内側にあり、髪の約8~9割を占めている。
  • 主成分はたんぱく質。約12~13%の水分を含み、しなやかさを左右する。
  • 髪の太さ、硬さ、強さなどを決める。

●メデュラ

  • 髪の中心部に存在。
  • 空気を含み、柔らかいたんぱく質が主成分。
  •  

  • 太い髪に多く、産毛にはほとんどないという特徴を持つ。

以上の3つが正常に働き、保たれていれば、健やかで美しい髪を維持することが出来ます。
しかし!この条件を一瞬にしてダメージヘアにしてしまう最たる要因が、ヘアアイロンの高温度による熱なのです。

ヘアアイロンのメリットとデメリット


 ヘアアイロンは髪の毛にダメージを与えるデメリットもありますが、メリットもあります。
上手に取り入れて、美しく魅力的なヘアスタイルを楽しみましょう。

なぜアイロンを使うとセットが決まるの?

ヘアアイロンで髪のカールやストレートが作られる仕組みは、小さな細胞の結合から成り立っている髪を、熱によって変形させて形作っているようなものです。

 ヘアセットが決まると実感する仕上がりには、約180℃の熱が必要です。それぐらいの高温度による熱が髪を柔軟にして形を変え、アイロンから髪が離れると冷めることで固定されます。その人の髪質や状態にもよりますが、約180℃がセット力を実感する人が多いようです。

髪の深部まで細胞破壊

 家電製品売り場の美容コーナーには、いろいろなタイプのヘアアイロンが販売されています。中でも最高温度が180~200℃まで設定出来るものが主流です。それだけ低温より高温度の熱を髪に当てる方が、セットが長持ちするという使い手の声が反映されているようです。ここで再確認していただきたいのが、髪は皮膚の一部だということ。顔に熱いアイロンが当たれば、やけどして水ぶくれになり、大トラブルになります。

それが髪の毛にも起こるということです。200℃の熱を髪に数秒当てるだけで、キューティクルはおろか、メデュラの細胞まで死滅すると言われるほど、髪は最大級のダメージを受けることになります。当然ながら毎日使えば、髪はパサついて枯れた状態になることは想像がつくはずです。

ツヤと華やかさが叶う便利アイテム

 
 ヘアアイロンは髪のダメージばかりが取り沙汰されますが、温度設定を低くして使うと、傷みを減らすことが出来ます。髪にツヤが出たり、華やかなヘアスタイルを演出することが出来るので、気分を上げてくれるおしゃれアイテムとして味方にすることはよいことです。

トリートメントのひと手間が髪を保護


ヘアアイロンを使うと、ツヤ出しや、適度なニュアンス付けが簡単に出来るので、ヘアセットでは大活躍しますよね。ちなみに髪の毛を洗う時、クシ通りの悪さや絡まりを実感することはありませんか? そこでとっておきのヘアケア方法をご紹介します。

乾いている髪の毛にトリートメントを塗布

トリートメントは髪の毛を洗った後に使うもの、と思っている人、今日から発想を変えてみましょう。このヘアケア方法が滑らかな髪へと導いてくれます。ぜひ実践してみて下さい。

  1. セットした髪を洗う際、濡らす前の乾いた髪全体に、しっとりタイプのトリートメントをなじませます。
  2. 約3~5分放置します。その間に、体を洗ったり湯船に浸かるようにするとよいでしょう。
  3. ぬるま湯でしっかり洗い流します。
  4. 通常の洗髪、トリートメントを施します。

乾いた髪の毛にトリートメントを塗布すると、セットでゴワゴワになった髪がほぐれていきます。

また、プレトリートメントとして市販されているものもあるので、ぜひ一度取り入れてみましょう。格段に髪の質感がサラサラになることを実感出来るはずです。

洗い流さないトリートメントは必須

 入浴後の髪のお手入れの中でも、保護することが美髪にとって大事な行為になります。オイルやクリームなど、自分の髪の状態と、使い心地のよさを加味して、ぜひ一品常備しておくことは、ヘアアイロンだけでなく、外的ダメージから守るうえでも役立ちます。

まとめ


 女性にとって髪型次第で気分は左右します。そこでいつも快適な状態でいられる便利なアイテムと言えば、ヘアアイロンです。髪へのダメージと使い方をしっかり意識して、美髪を損なわないように心がけましょう。

ライタープロフィール
川本 あきこ

放送作家・美容ライター。ロンドンの美容専門学校にてスキンケアアドバイザー、メイクの資格を取得。雑誌、書籍の編集、執筆の傍ら美容専門家としてライター、講師を務める。