ダイエット、出産、ストレス、睡眠不足などが原因で、肌にハリを失い、皮膚がたるむことがあります。顔の場合、保湿や表情筋エクササイズを手軽にできることから、改善が期待できます。しかし首となると、スキンケア以外に何をしたらいいのかわからず、我流のケアが状態を悪化させていることがあります。今回は、首のしわの肌とはどんな状態なのか、また美容医療についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

首にしわができる原因

年齢が見える首のしわ。気づくとどんどん深くなっているように感じてしまいますよね。しかも、うまくごまかすのもなかなか難しく、しわ取りをどうしたらいいのか悩み込んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 そんな首のしわの原因は、実にさまざま。だれもが通る年齢によって新陳代謝が低下し、肌の再生がうまくできなくなったり、肌が乾燥したりすることで、しわができることもあります。さらにこうした肌の機能が原因で、皮膚が乾燥し、長い時間、同じ姿勢を続けることでしわが深くなることもあります。
 さっそくご自身のしわがどのように作られるのかを研究し、対策を考えてみたいと思います。

加齢による新陳代謝の低下

新陳代謝とは、古い細胞が新しい細胞へ生まれ変わること。年齢を重ねることで、新陳代謝が低下し、肌がくすんで見えるようになるほか、たるみやしわなどを感じるようになってしまいます。
とくに肌の新陳代謝は、ターンオーバーと言うことはよく知られていますよね。もう一度、ここでターンオーバーについて見てみたいと思います。

●ターンオーバーの乱れ
 皮膚は、大きく分けると、表皮、真皮、皮下組織からできています。いちばん外側の表皮は、厚さがだいたい0.2mmほどの薄い膜になっていますが、これがさらに内側から基底層、有棘(ゆうきょく)層、顆粒(かりゅう)層、角質層の4つの層に分かれています。
 表皮の最も内側にある基底層で生まれた細胞は、少しずつ表面に押し上げられるように表面に上がってきます。上がってきた細胞は、最終的に垢となってはがれ落ちますが、この生まれてからはがれ落ちるまでのサイクルがターンオーバーです。
 ターンオーバーの周期は、人によって違いはありますが、30~60日ほどかかると言われています。この周期が乱れるおもな原因が加齢と言われています。でも、実は、加齢だけが原因ではありません。外に出ると浴びてしまう紫外線、過剰なケア、合わない化粧品、たばこ、食生活の乱れ、睡眠不足、体の冷えなども考えられます。

●肌表面の老廃物の蓄積
 肌のターンオーバーが乱れると、古い肌細胞がそのままの状態で残っていることになります。つまり、この老廃物が堆積すると、しわをはじめ、くすみ、しみ、にきびなど、肌のトラブルの原因となってしまいます。
 肌のしわやくすみが目立つようになったら、このターンオーバーの機能が低下しているのかもしれません。ここで気づくか気づかないかが、その後の改善に大きく影響を及ぼすことは言うまでもありません。

●肌表面の乾燥
 肌の生まれ変わりであるターンオーバーの周期が乱れ、肌の老廃物が蓄積されると、肌のもっとも外側にある角質層は、老廃物で厚くなり、皮膚がゴワゴワした感触になるほか、カサカサに乾燥してしまいます。
こうなると、外部の刺激を受けやすくなり、肌のバリア機能も低下してしまいます。バリア機能を回復しようと、新しい細胞がどんどん作られますが、正常なターンオーバーによって生まれた細胞ではないため、肌はますます乾燥していきます。

●肌内部の乾燥
 角質層のバリア機能が低下すると、肌の内部の水分が蒸発し、皮膚のいちばん外側の角質層が厚くなってしまいます。こうなると、肌の潤いはまったくなくなり、くすみ、しわ、しみ、にきびなどが目立つようになります。
 顔を触ってみたとき、ザラザラした感触や、ゴワついて来たと感じたら、肌表面が乾燥している証拠です。

加齢によるコラーゲン減少

 皮膚の表皮の内側にある真皮は、コラーゲンでできています。コラーゲンには肌のハリや弾力を保持する働きがありますが、このコラーゲンが加齢によって減少してしまいます。
 減少する理由はいくつかありますが、加齢にともなうホルモンの変化によってもコラーゲンが減少することも知っておくべきだと思います。
 女性の美にとって重要なホルモンに、女性ホルモンのエストロゲンと成長ホルモンがあります。

エストロゲンは卵巣から分泌され、黄体ホルモンのプロゲステロンと同じように、妊娠や出産などに必要なホルモンです。エストロゲンが最も多く分泌されている20代は、真皮のコラーゲンを増やし、肌のハリや弾力を保つ働きが活発になりますが、年を重ねるごとに分泌量が減ってしまうため、真皮のコラーゲンも減少していきます。

 成長ホルモンは、脳下垂体から分泌されますが、コラーゲンの生成などに働きます。このため、エストロゲン同様、若いころは新陳代謝も活発ですが、年を重ねるごとに分泌が減り、コラーゲンの生成も減ってしまいます。

●肌表面のハリ低下
 こうしてコラーゲンが減少すると、肌の表面ではハリや弾力がなくなり、真皮のしわが増えていきます。肌の保水性が低下するため、肌はカサカサになっていきます。
 同時に、コラーゲンは、骨や軟骨なども構成しているため、骨の密度が減って骨粗しょう症などの遠因となるほか、軟骨が減ることで間接に痛みが伴うこともあります。
 肌の状態が悪くなるだけではなく、健康上も問題が出てくるというわけですね。

●肌内部の弾力低下
 コラーゲンが合成されなくなると、肌の内部の水分力が下がり、弾力が失われます。真皮に含まれるコラーゲンはおよそ70%と言われていますが、これが年齢とともに失われることを考えると…真皮がまるで砂漠のように水分を失い、潤いを欲しているのがイメージできますよね。
 コラーゲンは体の皮膚、筋肉、内臓、骨、間接など、あらゆる組織に含まれている成分です。中でも、皮膚に多く存在しているため、コラーゲンの分泌量の低下によって、肌の潤いに影響が現れやすいということになります。

乾燥と弾力低下のダブルパンチでしわに

 以上のように、年齢を重ねるにつれて、新陳代謝が低下し、コラーゲンの分泌が減ることで、肌は立ちなおることのできないダブルパンチを受けることになります。
 ここまでくると、化粧品などで補うことによる改善は至難の業。表皮の乾燥は専用の化粧品などである程度改善することはできるとしても、肌の奥にある真皮までは届きません。
また、コラーゲンが含まれている栄養ドリンクなどを摂取したからと言って、そのまま真皮のコラーゲンが増えるわけでもありません。コラーゲンの材料になっているのはたんぱく質。食生活を変え、良質のたんぱく質を摂取することで、肌の健康がよくなっていくとはいえ、すぐにしわが取れるというわけではありません。

首のしわ3大常識

手遅れにならないためにも、気になりはじめたら、さっそくしわ対策を練っておくことは重要。ここでご紹介したいのが、首のしわ3大常識です。
● 紫外線対策は夏だけではなく一年中
● こまめに洗浄、こまめにお手入れ
● ていねい、かつ、しっかりと保湿
 です。

●紫外線対策は夏だけではなく一年中
 紫外線と聞くと、真夏の強い日差しを思い浮かべてしまいます。実際、冬には紫外線は弱まりますが、実は、私たちはいつでもどこでも紫外線を浴びています。つまり、いつでもどこでも紫外線対策を取るようにするべきなのです。
 紫外線を浴び続けることで、肌の老化が促進される「光老化」が進んでしまうことは周知の事実。さらに年齢を重ねると、肌の細胞が老化し、しわやしみといった肌のトラブルが起きやすくなります。紫外線から肌を守るのに有効なのが日焼け止め。使用量を守り、しっかりとむらなく塗り、数時間おきに塗り直すようにしましょう。とくにおでこや鼻先などは焼けやすいため、重ね塗りも大切。
 さらに、帽子、サングラス、日傘、などで、日差しから肌を守ることも忘れずに。

●こまめに洗浄、こまめにお手入れ
 汚れなどはもちろんのこと、汗をかいたらこまめに洗浄すること。濡れたタオルやウェットティッシュなどで、汗の塩分を確実に取りのぞくようにしましょう。
 汗をかいたままにしておくと、かゆくなってしまうだけではなく、赤くなったり、乾燥しやすくなったりすることも。乾いたタオルなどを使うと、皮膚の弱い首まわりを傷つけることにもなりかねません。
 季節に限らず汗をかくこともあるため、携帯ウェットティッシュは常にバッグの中に入れておくといいですね。

●ていねい、かつ、しっかりと保湿
 肌のケアはしっかりしているのに、うっかり忘れがちになってしまう首まわり。顔と同じように化粧水、美容液、乳液を使って、しっかりと保湿対策をすることも大切。こまめに保湿を心がけ、ハリや潤いを取り戻すことができれば、しわができにくい肌へと改善していきます。
顔用の化粧品を首に使うのは…という方には、しわができにくくなる首のしわ専用の化粧品もありますよ。

首のしわ専用の化粧品

 首のしわ専用の化粧品は、各メーカーから出ています。お試しキットなどでいろいろと試してみるのもひとつですが、しわにいい成分を参考に選ぶといいのではないかと思います。

  • レチノール(ビタミンA):皮膚を構成している上皮細胞の生成に必要な成分。肌のターンオーバーを促し、しわをはじめ、しみやくすみなどにも対応。体質によって合う合わないがあるため、心配な方は医師に相談してから使用すること。
  • ビタミンC誘導体:抗酸化ビタミンと言えばビタミンC。免疫力を高め、細胞の新陳代謝を促してくれます。紫外線によるメラニン色素も予防。ただし、水溶性クリームでは乾燥しやすくなるという欠点もあるため、肌の様子を見ながら使うこと。
  • ビタミンB3:皮膚や髪を生成するために必要な成分。たんぱく質の代謝を促進させる働きがあるため、コラーゲンの生成にも働きます。酵母、米ぬか、胚芽などに含有。
  • ビタミンE:細胞の老化を防ぎ、若返りのビタミンという異名を持つ。しわだけではなく、しわやくすみにも効果が期待できる栄養素。ビタミンCと合わせて相乗効果が高まる。

 化粧品選びの際は成分表とにらめっこ。肌に必要な栄養素をしっかりと取り入れて、首のしわ取りを心がけましょう。

美容医療とカウンセリング

 そうは言っても、セルフケアだけではなかなか首のしわの改善は実感されにくいもの。しかも、首は手の甲と同じぐらい、年齢が現れやすいとも言われています。いつも外にさらされ、夏の暑いときなど、隠したくても隠すのが難しい部位でもあります。
 そこでちょっと気になる美容医療。首のしわは、さまざまな施術によって治療することができるんです。クリニックに行くのはちょっと…と思っている方も、メールでの相談をはじめ、気軽にカウンセリングをしてみてはいかがでしょうか。

最終手段で専門家に相談

 美容医療のメリットは、これまでずっと抱えていた悩みが解消され、自分に自信が持てるようになること。ずっと隠してきた首元を、大きく外の世界に向けることができるようになります。施術もいろいろありますし、さほど特別なことでもありません。
 とはいえ、失敗やトラブルなどもあることです。メリットもデメリットもしっかりと相談し、後悔しないようにしたいですね。

施術について

 首のしわを目立たなくする施術には、以下のようなものがあります。美容医療をお考えの方、カウンセリングの際のご参考にぜひ。

  • ボトックス注射:ポツリヌス菌から作られたボトックス。筋肉を和らげる効果があることから、首の筋のしわに効果的。しわの位置によっては顔のたるみも解消されるとか。
  • ヒアルロン酸注射:ヒアルロン酸は体内に存在する保水成分。これを首の横じわに注入することで、しわを目立たなくさせます。
  • 水光注射:ヒアルロン酸を肌の表面に注入。肌の水分が増え、首周りの細かい縦じわを目立たなくします。
  • フラクショナルレーザー:レーザーで肌に小さな孔を作って刺激することで、肌を入れ替える方法。細かい縦じわに効果的。
  • PRP皮膚再生療法:自身の血液から採取した血小板を注入。コラーゲンを増やし、しわを目立たなくする施術法。
  • ネックリフト:髪の生え際や耳のつけねのあたりを切開し、広頚筋をリフティング固定してしわを改善。

まとめ

 首のしわをどうやって取ったらいいのか――私たちの永遠の課題ですよね。今回は、首にしわができる原因を究明。加齢による新陳代謝の低下が原因で、ターンオーバーが乱れ、表面に老廃物が蓄積され、肌が乾燥し、コラーゲンの減少によって、肌のハリが低下していくことを確認しました。
 首のしわの3大常識は、(1)紫外線対策は夏だけではなく一年中、(2)こまめに洗浄、こまめにお手入れ、(3)ていねい、かつ、しっかりと保湿でした。さらに、首のしわ専用の化粧品選びに必要な成分についても見てみました。
セルフケアではやっぱり…という場合、美容医療に委ねるのも手。首のしわを目立たなくするための施術法もいろいろありましたね。
 どのような方法を選ぶかはあなた次第。首まわりを隠しながら悩んでいないで、パッと前向きに行きたいものです。ぜひ参考にしてみてくださいね。

参考
https://top.dhc.co.jp/shop/skin/yakuyou_q/shiwa/neck/ https://www.shinagawa.com/refresh/pre_lift03/
http://www.mg-clinic.com/wrinkle/neck.html
ライタープロフィール
LIBRE編集部

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