人の肌は一枚皮でつながっています。しかし、加齢や乾燥などの影響を受けて、肌のハリ感や弾力は低下していき、老け見えとなることから美容の大敵とも言えます。ケアを怠れば、どんどんみずみずしさを失い、顔のあらゆる部位にしわをつくります。たまたま見つけたしわ、ずっと気になっていたしわ、その悩みは顔の中でどの部位が最も深刻ですか? それぞれに合うケア方法を肌の知識と合わせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみて下さい。

顔のしわをなくすために出来ること

 年齢が上がるにつれ諦めがちな顔のしわですが、何もせず過ごしていたら増えていく一方です。深く重たいしわになる前に出来ることを実践していきましょう。

健やかで美しい肌とは

 美しさの第一条件は健康であることです。健やかさを保ち、美しい肌にするための基準を学んでいきましょう。

●皮脂膜が安定
皮脂腺から分泌される皮脂と汗腺から分泌される汗が混ざり合ってできる肌の自然な“潤い膜”のことを皮脂膜といいます。この皮脂膜のバランスが保たれているとキメ細かくツヤと潤いのある肌へ導いてくれるのです。

●潤いバランスが整っている(水分・脂質・NMFのバランス)
肌の潤いには肌内部の角質層に浸透する「水分」が欠かせません。ですが、水分だけでは外部の刺激に耐えられず蒸発してしまいます。そのバリアとなってくれるのが「脂質層」です。さらに美肌に大切なたんぱく質から作られている天然保湿因子、「NMF」が水分を吸着する役割を果たしてくれることで弾力のある角質層を保ってくれます。潤いと柔軟性をキープできる健康肌にするためにはこの3つが安定して支え合ってくれることが大切です。

●ターンオーバーの正常な働き
ターンオーバーとは簡単にいうと、肌の生まれ変わりのことです。肌表面の「表皮」は一定のサイクルで生まれ変わっています。内側から新しい細胞がどんどん押し上げられていくので表面の細胞は自然に剥がれ落ちていく仕組みです。この流れが正常に保たれていると外部からの刺激にも強く、保湿力も安定した肌がキープできます。

●真皮の状態が充実・安定
真皮とは表皮の内側にある組織で、肌の約9割を占めています。肌の弾力やハリの元となるコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸など美肌作りに大切な成分でできており、血管・汗腺・皮脂線・神経も通っています。肌表面を美しく保つためにもこの真皮が健やかで安定していることはとても重要なのです。

●血行がよい
血行が悪いと体が冷えやすくなります。低体温の状態では肌のターンオーバーが乱れやすくなってしまい、肌が老化してしまうのです。さらに、巡りが悪く血管が硬くなってしまうと肌の弾力も失ってしまうので、血行を良くすることは肌を衰えさせないためにとても大切です。

顔の中のしわ深刻度を部位別に確認

 次に、気になるしわがどのくらい深刻であるかどうか、部位ごとにチェックしていきましょう。

●おでこ
 一つ一つが細かいものではなく、横に大きく伸びているしわがある場合はしわが深刻化しています。肌表面だけでなく肌内部のコラーゲンが失われていたり頭皮のたるみが原因で深くなってしまっているのです。

●上まぶた
 年々目が小さくなっているように感じていたら、まぶたがたるんできている証拠です。たるみによるしわはそのまま放っておくとどんどん深くなるので要注意です。

●下まぶた

 ハリがなくなり、涙袋やその下の目袋にくっきり横じわがあるのは老化の一種です。目周りの筋肉も失われていき、しわが深刻化しています。

●目尻

 笑った時や乾燥が気になる時にできやすい目尻のしわですが、真顔で鏡を見たときにくっきりとしわがある状態ですと、かなり深くなっている証拠ですので早急にケアが必要です。

●頬

 頬の外側にくぼみのようなしわがあると表情筋が衰えている証拠です。正面からの鏡では見えにくいため、横からチェックしてみてください。皮膚が薄い人、痩せている人にできやすく、老けて見える印象が強いしわです。

●ほうれい線

 骨格や肌質で若いうちからほうれい線が気になる人も多いと思いますが、口周りがたるみほうれい線の周りにも小さなしわができていたら深刻です。肌の弾力が失われている証拠でしょう。

●マリオネットライン

 口角から下に伸びるしわをマリオネットラインといいます。表情の変化によりくぼんだように見える場合もありますが、無表情で鏡を見たときに影になるように線ができていたらしわと頬のたるみがかなり進行しているとわかります。

しわケアするならどの部位?(優先順位のトップからケア)


しわの深刻度をチェックしてみていかがでしたでしょうか?部位ごとにみると、思った以上に深いしわに気がついたり、ケアが行き届いていて悩みの少ない箇所もあったと思います。
自分の今のしわの状態が良く分かったところで、しわをケアしていくパーツの優先順位を考えていきましょう。鏡で見たときに真顔でもくっきりと目立つしわ、老けて見えるしわを優先にケアしていくことで、見た目にもわかりやすく改善が見られやすいので毎日のお手入れも楽しくなります。

部位別による皮膚の特徴

 しわをなくすケアに取り組む前に部位ごとの皮膚の特徴について学んでおきましょう。同じ顔の皮膚でもパーツによって違いがあります。

おでこ
 皮脂腺が多いので乾燥しにくくテカりやすいのがおでこです。頭皮と繋がっているため、頭皮の固さやたるみの影響を受けやすい特徴があります。

上まぶた
 頬の3分の1ほどの薄さしかないといわれているほど薄く、外部の刺激にも敏感なのが上まぶたです。皮脂腺が少なく乾燥しやすい部分です。

下まぶた
 上まぶた同様に薄くデリケートな皮膚ですが、くすみやすく筋力の低下によりたるみやすい特徴があります。

目尻

 皮膚が薄い目周りの中でも最も乾燥しやすいのが目尻です。表情によってもたるみやすく紫外線の影響も受けやすく、小じわができやすい部分です。


 日々の生活やケアの仕方で皮膚の薄さに変化が出やすいのが頬です。紫外線の影響も受けやすく年齢と共にハリが失われたり、しみができやすい部分です。

ほうれい線
 筋力の低下や皮下脂肪によってたるみやすいのがほうれい線周りの皮膚です。頬の皮膚が下がると姿勢の悪さや乾燥からもダメージを受けやすくなってしまいます。

マリオネットライン
 皮下組織が老化することでできるマリオネットラインは、口元のたるみを皮膚が支えきれないことで起こります。口周りは目周り同様に皮膚が薄く、飲食やリップメイク・生活習慣で乾燥の影響を受けやすいのも特徴です。

しわの種類と対策法

 同じ部位にできるしわにも種類があるのを知っていましたか?しわをなくすには、しわごとにケア方法も変えるのが正解です。しわ改善のために正しい対策法を考えていきましょう。

●乾燥による小じわ・ちりめんじわ(出来やすい部位と対策法)
 乾燥小じわやちりめんじわと呼ばれる細かいしわは皮脂腺が少ない目元や口元にできやすいです。乾燥が主な原因なので、スキンケアの際には美容液をプラスして入念な保湿をしましょう。また、クレンジングやメイク、口元の場合は食事の際に擦りすぎることもNGです。

●表情じわ(出来やすい部位とそれぞれに適した表情筋運動)
 鏡を見て表情を変化させると眉間やおでこにしわが寄ったり目尻、ほうれい線がくっきりするのがわかります。表情によるしわは日常のクセと表情筋の筋力低下によるものなので意識的な改善が必要になってきます。
おでこ・目元は鏡を前に置き、真っ直ぐ前を見つめしわを作らないように意識しながら目を上下に動かす運動を、口周りには「いー」「うー」と声を出しながら繰り返す運動が簡単で効果が得られます。ぜひ実践してみてください。

●真皮じわ(これが出来ることによって起こる現象と対策方法)
 真皮じわは乾燥により起こるしわの一種ですが、外的要因だけでなく、皮膚内でハリを保つコラーゲンやエラスチンが加齢とともに不足することにより肌弾力が低下し深いしわになってしまうため、年齢が上がるととともに目尻や頬にできやすい特徴があります。

 紫外線が主な原因と言われていますので、こまめなUVケアと紫外線により失われるビタミンを摂取することが大切です。

しわが出来る3大要因と改善方法

 しわの特徴について知ったところで、しわを作ってしまう大きな3つの原因についてより詳しく学んでいきましょう。この3つが改善出来たら新たなしわを作らせず、見た目から若々しい印象を与えることができます。

●乾燥
 肌の水分量と皮脂量のバランスが崩れることによっておこるのが乾燥によるしわです。保湿はもちろん大事ですが、水分量を保つためには化粧水でしっかり水分を肌に取り込んであげることが大切です。
 保湿力が高いといわれているセラミドやヒアルロン酸入りの化粧水を選べばより高い保湿効を得ることができます。その後は目元・口元ケアに有効な美容液やクリームを優しく浸透させ、肌の潤いを保つようにしてください。

●加齢による肌の弾力成分の減少
 肌内部に存在するコラーゲン・エラスチンが加齢とともに減少すると肌の弾力が失われ、たるみによるしわを作ってしまいます。紫外線の影響が大きいのでUVケアを日常的に欠かさないことはもちろん大切なのですが、乾燥対策も併せて行うことでハリをアップさせる効果が期待できます。

●食生活
 しわができるのは外部からのダメージだけではありません。健康な肌を保つには食事を選ぶことがとても大切なのです。
特に年齢が上がると深刻なのはコラーゲン不足です。肌のハリを保つためにも鶏の皮や牛筋、大豆など、コラーゲンと女性ホルモンアップに効果的と言われる食材を取り入れてみてください。
また、メラニン生成を抑えてくれるビタミンCを摂取することは紫外線対策にも欠かせません。レモンやアセロラ、ブロッコリーなどの果物や野菜から得られますが、ビタミンは加熱すると壊れてしまう性質なので、生野菜や果実を適量摂取することが難しければサプリメントに頼るのもよいでしょう。

ホームケアのポイント

 普段のスキンケアは習慣になっていることが多いので、間違って理解したまま毎日を過ごしていると十分な保湿ができていなかったり、トラブルを生む元になっていたりすることもあります。
 ホームケア製品のポイントをおさえて、しわ改善のために無駄のないケアを行いましょう。

抗シワのためのスキンケア商品について

 最近では「しわに効く」「しわ改善」と紹介されている化粧品がたくさん販売されています。これらを安易に購入して効果がなかった・・・ということにならないように見極めるポイントをお教えします。

●化粧品
 しわにアプローチしてくれる美容成分は実際にはそこまでたくさん種類がありません。乾燥による小じわに効果があるセラミドやコラーゲンの他に、エイジングケアやハリに効果の高いビタミンC誘導体、肌の弾力をサポートしてくれるビタミンAの一種(レチノール)、肌の生まれ変わりを助けてくれるAHAなどが代表的な成分です。
 スキンケア製品を購入する際にはこれらの成分が配合されているかどうかをチェックしてみてくださいね。

●医薬部外品
 「しわに効く」「しわを改善する」との効果が薬事法により認められた化粧品は、医薬部外品として販売されています。正確に言うと医薬部外品の抗シワテストをクリアしなかった場合、「しわに効果があります」といったような宣伝フレーズは使えない決まりになっているのです。
 しわ用の化粧品を購入する際はどのような表記になっているか、抗シワ成分として認められているかどうかもチェックするようにしましょう。

美容液とは(メーカーによって異なるが、医薬部外品の商品が多い傾向がある)

 美容液は保湿成分や美容成分が濃縮されたスキンケア製品で、最近では抗シワ成分を配合した医薬部外品扱いの美容液がメーカーやブランドからたくさん販売されています。
スキンケアの基礎である化粧水・乳液にプラスして使うものだからこそ成分を見極めながらしわに効果のあるものを選び、使用することが大切です。

まとめ


顔にできるしわは部位や種類を良く知り、ケア方法を変えるだけでしわ改善への近道となります。悩みの多いパーツから向き合い、しわの無い健康美肌を目指しましょう。

ライタープロフィール
加恵

10年のアパレル勤務を経て美容ライターに。年齢や体の変化と上手に付き合えるヘルシーな美容法を発信していきます。コスメを手作りすること、香りコスメを集めることが大好き。日常に取り入れやすいシンプルケアにトレンドを取り入れながら日々、美を追求し続けています。