最近、メイクでも隠し切れなくなったシミ。いっそのこと取ってしまいたい!そこで美容皮膚科を思い浮かべてみると、まるで高級サロンのようなクリニックには美しい受付の女性がいて、治療費も高いに違いないという先入観から、なかなか踏み切れない女性も多いようです。そこで皮膚科と美容皮膚科、治療方法、費用など今さら聞けないシミ取り事情について、こちらでご紹介します。事前にリサーチしておくと、失敗や後悔に悩まわれることもかなり軽減されるはずです。

皮膚科と美容皮膚科の違い

年齢を重ねるごとに増えていくシミを医療の力で改善したいけれど、皮膚科に行くべきか、美容皮膚科に行くべきか悩みますよね。ここではそれぞれの違いについて説明します。

同じ点

●医療機関
皮膚科と美容皮膚科の共通点は、どちらも医療機関という点です。医療機関とは、国の医療法によって定められた医療提供施設のことです。

●医師が診察・診断
どちらも医療機関ですので、専門の医師が診察し治療を行います。

違う点

皮膚科と美容皮膚科で大きく異なる点は、「保険診療か自由診療か」という点です。

●保険診療
皮膚科で行われる診療の殆どは保険診療になります。保険診療は医療保険が適用になる診療のことで、医療保険により通常7割が国民皆保険でカバーされ、残りの3割を患者側が自己負担するという一般の診療です。
湿疹や蕁麻疹といった一般的な皮膚病の診療に関しては、皮膚科で診察から処置、処方まで全てが医療保険内で行われるため、どの皮膚科を訪れても治療費に違いはありません。

●自由診療
美容皮膚科で行われる診療の殆どは自由診療になります。自由診療は医療保険が適用されない診療のことで、厚生労働省が承認していない治療や薬を使う場合など医療保険が適用されず、治療費の全てが自己負担となります。保険適用外なので、治療費は各クリニックが自由に設定でき、同じ施術でも料金に大きな幅があります。
美容皮膚科での治療は医学的に必要な病気の治療というよりも、美容目的の治療になるため、多くの場合は自由診療になりますが、病的な治療ということで医師が保険診療と判断すれば医療保険が適用されるケースもあります。

美肌効果を期待するなら美容皮膚科

皮膚科では一般的に患者に適した薬を出す内服治療、外用薬を塗布する外用薬治療というのが主な治療方法です。
シミに対する治療の場合、主な内服薬はトラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンE、L-システインなどで、外用薬としてはハイドロキノン軟膏、トレチノイン軟膏などが使われます。

美容皮膚科では保険枠に限定されないので、内服薬、外用薬だけでなく、レーザー、注射、最新美容医療やクリニック独自の施術など数多くの選択肢の中から、患者一人一人に合った治療法を組み合わせて治療することが可能です。従って、高い美肌効果を期待するのであれば美容皮膚科を訪れた方がよいでしょう。

美容皮膚科でシミ取り治療を決意したら

美容皮膚科でシミ取り治療を決意してから、実際に治療を受けるまでの手順をまとめました。

<準備>リサーチ

●シミの種類を理解しておく
メラニン色素が肌に沈着してできる薄茶色や濃褐色の斑点がシミです。シミの原因は紫外線、老化、ホルモンバランスの乱れ、遺伝など様々で、その原因や症状によりいくつかの種類に分かれます。気になるシミが、どの種類のシミなのか判断するのは皮膚科専門医でないと難しいですが、事前にどういうものなのか理解しておくと、カウンセリングの際に質問することもできますし、治療方針などもより深く理解することができ安心です。

●美容皮膚科情報収集
美容皮膚科の情報を収集するのに役立つのがネットです。美容皮膚科のホームページでは多くの情報が提供されていますし、口コミサイトなどで実際に訪問された方の口コミもクリニック選ぶ際に役立ちます。
自分の納得いく治療を受けるためにも美容皮膚科選びは重要ですので、安易に決めるのではなく、よくリサーチした上で決めましょう。

<電話で予約>

●クリニックの対応
美容皮膚科を選んだら、まず電話でカウンセリングの予約を入れます。殆どのクリニックでは実際に治療を行う前にカウンセリングを実施しています。逆にカウンセリングもなく、いきなり治療するというような美容皮膚科は避けた方がよいでしょう。

カウンセリング・受診

カウンセリングでは治療方法、治療期間、効果、痛みなど、気になることを全て聞きましょう。事前に質問事項をメモしておくと忘れずにしみますよ。
また時間があれば1箇所ではなく数か所でカウンセリングを受けて、比較検討することも納得いく治療に繋がりますので、おすすめです。

●自分のシミの種類を部位ごとに知る
前述した通りシミにはいくつか種類があり、シミにより治療方法が異なります。数種類のシミが混在していることも少なくないので、信頼できるクリニックで自分のシミがどの種類に当たるのか的確な判断をしてもらうことが重要です。

●治療方法
・費用
一般的に美容皮膚科での治療は全額自己負担です。高額な治療になる場合もありますので、治療にかかる費用を事前にきちんと把握しておくことが大切です。分割払いを受け付けているクリニックもありますので、カウンセリングの際に確認しましょう。

・治療期間
どのくらいの治療期間でシミがなくなるのかを確認すると共に、通院の頻度も確認しましょう。全体の治療プランを把握することで、その後の仕事やプライベートのスケジュールが立てやすくなります。

・施術方法について
特に初めてのシミ取りの場合、施術に関して不安を抱く方は少なくありません。実際の施術方法について具体的に確認することで不安が和らぐので、落ち着いて施術を受けられます。
また、施術で得られる効果だけでなく、副作用のリスクについての確認も忘れないようにしましょう。

・施術直後から数か月後の肌状態
施術後に肌が赤くなるのか等の肌状態、施術後すぐにメイクが可能なのか等のダウンタイムについてや、その後数か月間の肌状態についても事前に知っておくと安心です。
特に施術後のダウンタイムについて気にされる方が多いようですので、確認を忘れないようにしましょう。

シミ取り治療の予備知識

治療の前に知っておきたいシミの種類について説明します。

●老人性色素斑
シミの代表格である老人性色素班は長年浴び続けた紫外線が原因で、通常40代前後から現れるシミです。輪郭がはっきりした薄茶色の類円形をしているのが特徴で、顔、腕、手の甲にできやすく、一般的に言われているシミの殆どは老人性色素班です。

●肝斑
30歳~40歳に発現することが多いシミで、主にほほ骨や目尻の下あたりにに沿って左右対称に表れます。大きさは様々ですが、薄い褐色で広範囲に広がっているのが特徴です。
肝斑の主な原因はホルモンバランスの乱れと言われており、妊娠中やピルの服用でも出現しやすくなります。

●炎症性色素沈着 
ニキビや肌荒れ、傷や虫刺され、アトピー性皮膚炎などで炎症や刺激が加わった部分に色素が沈着し、シミとして残ってしまったものです。

●雀卵斑(そばかす)
雀卵斑(そばかす)は鼻を中心に散らばったように出現します。メラニン色素が局所的に活性化することでできる直径数ミリ程度の小さい薄い褐色のシミで、色白の人に発症しやすい傾向にあります。遺伝による場合もありますが、紫外線により悪化します。

●ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
両頬の上部や額の両端などにいつくかまとまって発現するのが特徴のアザです。一般のシミは表皮内にメラニンが増加しますが、ADMはより深い真皮内にメラニンが増加するので、一般のシミより治りずらい傾向にあります。
はっきりとした原因は分かっていませんが、遺伝的な要素が大きいと考えられています。

長所と短所を知っておこう

自分が納得のいく治療を受けるためには、様々な選択肢の長所と短所を把握しておくことも大切なポイントです。

●レーザーと光治療の違い

レーザー光(IPL)
波長(光の長さ)
*短いほど皮膚表面に、長いほど皮膚深部に影響
波長が異なる複数の種類がある。IPLというレーザーとは異なる波長を使用。
パルス(レーザー光の照射時間)*短いほど威力が強く、深いシミに影響パルス幅をナノ秒単位まで調節できるため威力が強く、メラニンにターゲットを狙い撃ち可能。パルス幅はミリ秒単位と長いため、威力が穏やかで薄いシミに有効。
ターゲット・濃いシミ・ピンポイントのシミ・加齢が原因のシミ・薄いシミ・肌全体のシミ・シミ以外の小じわ、ニキビ跡なども同時に改
期間1回または、短期間3~4週間に1回の施術
シミの部位や箇所により違う輪ゴムで弾かれたような痛み
麻酔基本的には不要。場合によっては局所麻酔使用基本的には不要
ダウンタイム・施術後ガーゼや絆創膏を貼る必要がある・1~2週間でかさぶたになる。・施術後すぐにメイクが可能・細かいかさぶたになり、数日~1週間で剥がれる

●飲み薬とサプリメントの違い
飲み薬は医薬品であり、具体的に症状を改善・治療するものです。一方、サプリメントは健康補助食品であり、日常の食事などで不足しがちな栄養素を補いサポートするというものです。つまり、サプリメントは健康保持や健康促進目的で服用するもので、直接症状を治療するものではありません。

シミと治療方法

シミの治療方法は、シミの種類や症状により異なります。

●薄め・中程度・盛り上がりのあるもの
薄く中程度のシミの場合は、市販薬や皮膚科・美容皮膚科での内服薬や外用薬で治療をする方法もあります。
皮膚科で出される内服薬はトラネキサム酸、ビタミンC、ビタミンE、L-システインなどで、外用薬はハイドロキノン軟膏、トレチノイン軟膏などがよく使われています。

シミの中には盛り上がりのあるものもあります。老人性色素班を放置していると盛り上がりのあるシミに変わることがあり、殆どの場合は老化による良性腫瘍の1種で「脂漏性角化症」と呼ばれています。この場合、保険が適用できる治療も可能なので、まずは皮膚科や美容皮膚科を受診しましょう。

●塗り薬の種類
シミの治療に使われる主な塗り薬は、ハイドロキノン軟膏とトレチノイン軟膏です。両方を併用することで、より高い効果が期待できるとされています。

●ハイドロキノン軟膏
強力な美白剤で「肌の漂白剤」とも呼ばれています。ハイドロキノンはシミの原因になるメラニン色素を抑える働きがあります。主に既にできているシミや色素沈着の改善に使われます。製品によりハイドロキノンの濃度は違いますが、一般的には1%~4%程度です。

●トレチノイン軟膏
トレチノインは細胞のターンオーバーを促進する働きがあるので、皮膚の深いところにあるメラニン色素を押し上げ排出させます。

●レーザーの種類
・Qスイッチルビーレーザー
ピンポイントでシミやアザなどの色素沈着を除去する医療用レーザー機器です。色素(黒い部分)だけに反応し破壊するので、それ以外の肌にダメージを与えることなくシミの取り除くことが可能です。
老人性色素斑、炎症性色素沈着雀卵斑(そばかす)、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)に適した治療です。

・QスイッチYAG(ヤグ)レーザー
2種類の波長を持ち、ピンポイントでシミやアザなどの色素沈着を除去する医療用レーザー機器です。波長を使い分けることで、表皮と真皮のどちらにあるシミも治療可能なので、老人性色素斑、炎症性色素沈着雀卵斑(そばかす)、ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)に適した治療です。
また、弱い出力で広範囲に渡って照射するレーザートーニング法で、従来レーザー治療に不向きだと言われていた肝斑の治療法としても注目を集めています。

●光治療の種類
・フォトフェイシャル
IPL(インテンス・パルス・ライト)という光を肌に照射して行う光治療です。
光を当てることで色素沈着しているメラニンにダメージを与え、コラーゲンの生成を促進させ、シミだけでなく肌のくすみや赤みなど様々な肌トラブルを一度の改善する効果が期待できる治療です。レーザーよりも穏やかに作用します。

シミ取りを始めるタイミング

実は、シミ取りはいつでもよいというわけでななく、始めるのに適したタイミングがあるのです。

春から夏は不向き

レーザーや光治療で照射した肌はとてもデリケートになっており、日焼けは厳禁です。なので、日差しが強い春や夏は不向きと言われています。
また、レーザー治療後は照射した部分に絆創膏のようなシールを貼って1週間程度過ごす場合が多いようです。その間、絆創膏を隠すためにマスクをする人も多く、マスクをするなら断然冬場が自然ですよね。

紫外線に要注意

前述の通り、レーザーを当てた部分は肌のバリア機能が低下しデリケートになっているので、紫外線などの外部の刺激やダメージを受けやすい状態です。また、色素沈着が起こりやすい状態でもあり、日焼けすると治療前よりシミが濃くなって残ってしまうこともあるので、サンスクリーンや帽子、日傘などで紫外線対策をしましょう。

健康状態が良好

治療を受ける際は、健康状態が良好なときにしましょう。体調が優れないときは免疫力も低下し肌も敏感になっていることも考えられます。思わぬ肌トラブルを避けるためにも体調が万全の状態で治療を受けましょう。

シミ取り後の美肌をキープするために

せっかくシミ取りをして綺麗な肌になったのですから、美肌をキープしたいですよね!シミのない美肌をキープする大切なポイントを説明します。

治療後の肌はデリケート

照射した部分の肌はデリケートになっており、色素沈着が起こりやすい状態なので、とにかく刺激を極力避けるようにしましょう。洗顔の際も擦ったりせず、洗顔料をたっぷりと泡立てて泡で優しく洗顔し、水気を取る時はタオルを軽く押し当てるようにします。

スキンケアで刺激を与えない

普段使用しているスキンケア用品でも、肌のバリア機能が低下している治療後は刺激になる場合もあります。なるべく刺激の少ない敏感肌用のスキンケア用品でケアすると安心です。

保湿はしっかり

治療後の肌は乾燥しやすくなっているので、低刺激のスキンケア用品でしっかりと保湿しましょう。保湿することで肌が守られるので、回復が早くなりダウンタイムも短くなります。

UV防止は常識

治療後は色素沈着が起こりやすいので日焼けは厳禁です。また、シミの原因の大部分を占めているのは「紫外線」ですので、シミのない肌をキープするためにも徹底した紫外線対策が必要です。こまめにサンスクリーンを塗り直し、帽子や日傘でしっかり紫外線対策をしましょう。

栄養バランスを考えた食事

シミを予防する栄養素で体の中からもアプローチしましょう。

・タンパク質
タンパク質は肌の基になる栄養素なので、タンパク質が不足すると肌のターンオーバーが乱れ、シミがなかなか取れません。良質のタンパク質とビタミンCは非常に相性が良く、一緒に摂ることでより効果がアップします。
タンパク質を多く含む主な食材:鶏肉、鮭、納豆、豆腐、卵、チーズなど。

・ビタミンC
メラニンの沈着を予防する働きがあるので、シミを予防し美白効果が期待できます。
ビタミンCを多く含む主な食材:レモン、オレンジ、イチゴ、キウイ、トマト、ブロッコリー、パセリ、キャベツ、ほうれん草など。

・ビタミンE
血行を促進し新陳代謝を高め、肌のシミを予防する効果があります。ビタミンEはビタミンCと一緒に摂る事で効果が高まります。
ビタミンEを多く含む主な食材:アーモンド、カボチャ、アボカド、ゴマなど。

・ベータカロチン
メラニン色素の生成を抑制する効果があります。
ベータカロチンを多く含む主な食材:ニンジン、ほうれん草、パプリカなど

これらの栄養素をバランスよく摂ることでシミを予防することができます。多くの栄養素を一度の摂ることができる和食中心のバランス良い食事がおすすめです。

喫煙者は禁煙を目指してみる

ビタミンCはシミの原因であるメラニンを抑えてくれる働きがあります。しかし、タバコを吸うことでビタミンCが減少し、メラニンが増えてしまうのです。
また、タバコに含まれているニコチンが新陳代謝を衰えさせるので、メラニンを外に排出すことができず、そのまま沈着してシミになります。
シミのない美しい肌をキープするためには禁煙を目指しましょう。

まとめ

年齢と共に今まで通りのスキンケアだけでは、なかなか期待するような美容効果を得られなくなってきますよね。今や美容皮膚科は決して敷居の高い場所ではありません。まずは気軽にカウンセリングを受けてみましょう!

ライタープロフィール
鎌田愛絆

ロサンゼルス在住10年以上のママ&ライター。色々な国を訪れて気に入ったロンドンに2年滞在後、国際結婚し渡米。ナチュラルでハッピーな毎日を送りながら、様々なWebメディアにて美容・健康関連の記事を執筆中!