頬に出来る薄く茶色いシールを貼ったようなシミ。無縁だと思っていたのに出来てしまった!という人。女性特有の肝斑かもしれません。まずその症状が当てはまるかどうか、こちらの記事を参考にしてみて下さい。シミにはいくつか種類がありますが、どちらも特有の原因と複雑なプロセスを経て肌表面にあらわれています。そのためケアも一筋縄ではいかないのが現状です。しかしながら、嬉しいことに原因とメカニズムの解明と研究が進み、それに見合う方法を選択することが出来る時代だということも、ぜひ知っていただきたく記事に紹介しています。肝斑が女性の永遠の悩みから解放されるかもしれませんよ。

頬のシミの本質を知ろう

 シミの中でもできやすいのが頬周りです。シミを撃退する前に詳しくシミの本質を知っていきましょう。

頬に出来やすいシミ

 顔の中でも皮膚部分の面積が広く、シミができやすいのが頬です。一般的には紫外線ダメージによりシミができるのですが、頬には「できやすいシミ」が存在します。

●肝斑とは
 顔や身体の皮膚表面にできるシミですが、頬特有にできるシミがあるのを知っていましたか?年齢が上がるにつれ内臓が弱ってくると頬に現れてくるシミ、これを肝斑といいます。

肝斑のことを深く理解しよう

 頬にできる他のシミとどう違うのか、肝斑についてまだまだ知らない人も多いと思います。肝斑ができるメカニズムと特徴を知っておきましょう。

肝斑とは

 内臓が弱ることにより、身体の代謝機能は低下します。代謝が落ちてしまうことで肌細胞を生まれ変わらせる力も滞ってしまい、メラニンが蓄積することでできてしまったシミが肝斑と呼ばれています。一般的なシミと違い、治りにくいのも特徴の一つです。

出来る年代

30代から発症しやすく、40代~50代になると自覚のある症状がみられます。高齢になってから発症することはあまりありません。

4つの女性ホルモンと周期

 できる年齢の目安からわかるように、肝斑の発症には女性ホルモンのバランスが深く関係しています。女性の肌悩みにも大きく関わっている4つの女性ホルモンについておさらいしていきましょう。

・卵胞ホルモン
 エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンで、月経の始まりから排卵日にかけて分泌が増えていきます。

・卵胞刺激ホルモン
 FSHと呼ばれており、脳の下垂体から分泌されて卵巣を刺激し、卵胞を育てているホルモンです。

・黄体ホルモン
 プロゲステロンと呼ばれている女性ホルモンです。排卵後に分泌が増えていきます。

・黄体刺激ホルモン
 プロラクチンと呼ばれており、黄体に作用して黄体ホルモンを分泌させるホルモンです。

肝斑の出来る部位と出来方の特徴

 次に、紫外線によってできたシミと肝斑の違いや現れ方を知っておきましょう。

・部位
頬の中でも眼の外側にあたる部分や両頬骨付近、鼻の下や下あご、眉間などに出来る場合もあります。

・地図状でべったり
 肝斑の形は不規則で地図上のようにべったりと広がります。小さな三角形のような広がりを見せることもあります。

・左右対称が一般的
最もわかりやすい肝斑とその他のシミとの見分け方ですが、肝斑は左右対称に現れるのが特徴です。
両頬や左右の目の下に同じような形のシミが出てきたら肝斑の可能性が高いです。

・肌の色との関係(出来やすい人)
 皮膚の色が浅黒い人ができやすいといわれています。日本人は肌色や肌質上、欧米人に比べできやすいといわれています。

根本原因は「ストレス」にあり

 化粧ノリや吹き出物など、ストレスがもたらす肌の影響はたくさんありますが、肝斑の原因もストレスにあります。

ストレスとは

 あなたは日々ストレスを実感していますか?その元となっている事象や違いを細かく理解することは肝斑の原因を知ることにも繋がりますので、一緒に学んでおきましょう。

●ストレッサー
 心身に生じるゆがみをストレスといいますが、そのゆがみの原因となる刺激のことをストレッサーといいます。

●内的ストレッサー:人間関係・病気など
 社会における人間関係や経済状況、家庭の悩み、そして病気やケガ・疲労や不眠など、日々感じにくいストレスの元となっているリスクを内的ストレッサーといいます。

●外的ストレッサー:天候(暑さ・寒さ・湿度など)
 天候・気温・湿度・気圧の変化による物理的なものや、騒音・振動・大気汚染などの外部環境によるストレスの元を外的ストレッサーといいます。

肌とストレス


 ストレスを感じるとき、比例するように肌の不調を感じたことはありませんか?肌とストレスはとっても密な関係にあります。ストレスが肌にもたらす要因について迫ってみましょう。

●肌ストレス要因3つ

 次の3つのストレスは肌への影響を感じやすいものです。

・紫外線
 紫外線はシミや日焼けをもたらすだけでなく、肌内部のコラーゲンやエラスチンを破壊してしまいます。また、紫外線を浴びることは外部の環境の変化に応じて血管を柔軟にする力や血液を届ける力である「血管力」を低下させ、肌のバリア機能を失ってしまうことにも繋がります。

・大気汚染
 シミ・しわなどの老化原因は大気汚染のような外的環境からであるといわれています。汚染レベルが高い地域はほうれい線や頬のシミが目立つというデータもあり、知らず知らずのうちに肌へ大きな影響をもたらしています。

・煙草の煙
 煙草の煙に含まれている一酸化炭素は酸素に比べ結合力が高く、赤血球と合わさりやすい特徴があります。これにより、血液が酸素不足を起こし血行が悪くなるだけでなく血管収縮を引き起こし、肌のくすみやごわつきを感じさせてしまうのです。

●3つの要因により活性酸素発生
 これら3つの要因によりストレスを受けると、身体はそれに対抗しようとするためストレスを緩和させる副腎皮質ホルモンを分泌しようとします。その分泌と一緒に活性酸素が発生してしまい、ストレスを和らげる抗酸化作用を減らしてしまうのです。

活性酸素+皮脂がシミを引き起こす?!

 皮膚に老化やダメージを与えてしまう活性酸素ですが、皮脂が合わさり酸化させてしまうと肌に強い刺激がともないます。シミの原因になることもある活性酸素と皮脂の関係を探ってみましょう。

●過酸化脂質とは
 紫外線などの肌ストレスにより現れた活性酸素は皮脂を酸化させてしまいます。そこで生み出された物質を過酸化脂質といいます。

●肌サビとは
 活性酸素が大量発生し皮脂が酸化すると、肌内部のコラーゲンを作る働きが弱まります。また、活性酸素が表皮に刺激を加えている状態で過酸化脂質が皮膚細胞に付着すると、シミやしわを作ってしまうのです。このような活性酸素による肌ダメージを「肌サビ」といいます。

身体とストレスのメカニズム

 ストレスって気が付いたころにはなかなか自分で発散するのが難しかったり、身体まで重くなったりしますよね。美肌のためにも女性はストレスと上手に付き合っていく必要があります。

ストレスを脳が感知

 外からの刺激を真っ先に感じるのは脳です。脳がその刺激を感知することでストレスを感じるのです。

●神経から血液へ
 ストレスを脳が感じると頭皮が固くなり血行不良になります。皮脂の分泌が過剰になったり血管が収縮してしまうので血液の流れも悪くなります。
 
●活性酸素発生
 血流が少なくなったり悪いと、酸素がたくさん供給され活性酸素の発生に繋がります。ストレスによって血流が低下したり、逆にストレスが緩和するときに血流が上昇するなど、繰り返していることで活性酸素を頻繁に生み出しているのです。

●身体への影響
 ストレスが溜まってしまうとビタミンCの消費量が増えてしまいます。もともと抗酸化作用の強いビタミンCなので体内から減少してしまうと活性酸素の影響をたくさん受けてしまいますし、シミやしわだけでなく、肌のくすみや疲れやすさ、イライラするなどビタミンCが減少してしまうことで受ける身体の影響はとても大きいのです。

ストレスと女性ホルモンの関係

 ストレスを感じると脳が女性ホルモンの分泌に関する指令をうまく出せなくなり、バランスを崩してしまいます。薄毛や抜け毛、肌トラブル、PMSや更年期障害を引き起こしてしまうので、女性はストレスと上手に付き合っていくことがとても大切なのです。

ストレス軽減・解消方法

 日常でどうしてもぬぐい切れないストレスは上手に軽減、解消していくことで若々しさを保つことができます。ストレスをためないように生活習慣を見直してみましょう。

●入浴
 38~39℃のお湯に10~15分浸かるのが理想的です。熱すぎてしまうと自律神経を乱してしまいますし、長く入りすぎると身体が疲れを感じてしまうのでストレス解消には逆効果です。

●食事
 ストレスを感じたときに減少しやすいビタミンCを多く含んだフルーツ、キウイやレモン、いちご、オレンジが最適です。また、納豆やごまに含まれるカルシウムやマグネシウムもストレス緩和に効果がありますので積極的に取り入れてください。

●睡眠
 入眠すぐ~3時間の間は成長ホルモンが多く分泌するので、この時間に深く良質な睡眠をとることが理想的です。交感神経を刺激してしまうスマートフォンやパソコンの光は寝る直前には厳禁、入浴後の身体が温まった後すぐではなく1時間後程度の体温が下がりだしているタイミングで眠りに入ると良質な睡眠が得られます。

●趣味
 イライラしているとき、気分転換には自分の好きなことで頭の中をクリアにすることがとてもストレス解消になりますよね。
 カラオケや楽器などの音楽や、汗をかくことで発散・心地よい眠りにも繋がるスポーツ、無心になれる読書や絵を描くこともストレスを和らげてくれます。自分に合った趣味で楽しくストレスを軽減させましょう。

肝斑ケアをするなら覚えておこう関連用語

よりスムーズに肝斑ケアを行うために知っておきたい関連用語をご紹介します。

リサーチやケア選択に役立つ

肝斑ケアを知る上で役立つ6つの用語を学んでおきましょう。

●メラノサイト
 色素を発生するメラニン細胞のことをいいます。メラノサイトは加齢とともに機能が低下し、数が減少してしまいます。

●メラニン
 メラニンとは皮膚・髪に含まれている色素のことです。紫外線に反応して作られ、肌を守る働きもあります。

●ターンオーバー
 肌細胞は一定の周期によって生まれ変わります。古い細胞が新しい細胞により押し上げられ、最後は自然に剥がれ落ちる構造になっている、このサイクルのことをターンオーバーといいます。

●トラネキサム酸
 たんぱく質を構成する成分、必須アミノ酸リシンを元に人工合成されたアミノ酸の一種です。肝斑に効果があるといわれており、口内炎の治療薬や歯磨き粉にも含まれていることがあります。

●トランサミン
 トランサミンはトラネキサム酸を主成分とする薬として販売されています。シミや美白効果があることで知られ、近年注目を集めています。

●ビタミンC誘導体
 ビタミンC誘導体は、壊れやすいといわれているビタミンCを人工的に改良し、効果を発揮させるために安定させた美容成分です。

今出来ている肝斑を改善するには

他のシミとは違う肝斑ですが、改善に導くことができる方法はあるのでしょうか?

自力で治すのは難しい理由

 肝斑は他の種類のシミと合併して発症していることも多く、紫外線によるシミに効果のある美容液でケアしてしまうと悪化させる場合があり、自己判断で治療するのは困難です。
 肝斑と他のシミの見極めも難しく、誤った対策を続けることでシミの広がりを生んでしまうこともあります。

●運よく60代以降で消えることもある
 30~40代で発症することが多い肝斑ですが、女性ホルモンの乱れが落ち着く60代以降になると自然と消えることもあるようです。発症しやすい人、しにくい人がいるように、消え方にも個人差があるので注意しましょう。

美容治療を視野にする場合

 自己判断が難しい肝斑ですが、普通のシミ以上に気になる人も多いでしょう。医師による治療や投薬も視野に入れる場合、知っておきたいことやその効果をまとめました。

●施術
・ピーリング
 ピーリングというと赤くなったり痛みを気にすることもありましたが、レーザー治療は近年で大幅に変化しており痛みや回復までのダウンタイムが少ない施術を行ってくれる美容皮膚科が増えています。肝斑の他にも似たあざや色素沈着にも効果があります。

・イオン導入
 肝斑を治療するためのイオン導入は、皮膚のメラニン色素生成を阻止するトランサミンを使用するクリニックが一般的です。

・光治療
 光治療には賛否両論あるようですが、トライするなら肝斑の色素だけを選択して破壊できるマシンを使用してくれるクリニックを選んでください。メラニン細胞の刺激をおさえることが肝斑の改善に役立ちます。

●塗り薬
・レチノイン酸
 ビタミンAの一種で代謝の促進効果があるレチノイン酸は肌のターンオーバーを正常化させてくれる効果があります。

・ハイドロキノン
 漂白作用があり、メラニン色素の発生を抑えてくれます。レチノイン酸と併用するとより高い効果が発揮されます。

●飲み薬
・トラネキサム酸
 アミノ酸の一種で抗炎症作用や抗アレルギー作用に優れている成分です。メラノサイトを活性化するプラスミンを抑える効果があります。

・シナール
 シミや肝斑の予防ではなく、すでにできた症状に有効だといわれているのがシナールです。メラニン沈着に反応し、肝斑が薄くなるという効果があります。

・ハイチオールC
 シミ・そばかすの予防薬としてCMやドラッグストアで見かけることも多いハイチオールCですが、美白としてのアプローチではなく、L-システインという成分が代謝を活発化させてくれることで肝斑を和らげる効果を発揮させてくれるようです。

まとめ

 肝斑は他のシミとは発症のメカニズムや治療方法が大きく異なります。ストレスによる女性ホルモンの乱れが大きな原因になっているので、予防のためにもストレスと上手に付き合い若々しい肌を保ちましょう。

ライタープロフィール
加恵

10年のアパレル勤務を経て美容ライターに。年齢や体の変化と上手に付き合えるヘルシーな美容法を発信していきます。コスメを手作りすること、香りコスメを集めることが大好き。日常に取り入れやすいシンプルケアにトレンドを取り入れながら日々、美を追求し続けています。