かかと角質ケアは、つるんとなめらかな状態を維持するための美容目的として取り入れている女性が多いのではないでしょうか。その背景に、ネイルサロンでのフットケア体験が大きく影響していることが考えられます。プロと同じアイテムを使って、プロが施術したような仕上がりを常に実感したいと、手軽に入手で出来るのがかかとやすりです。しかし、使い方や使う頻度を間違えると、角質を取り過ぎて歩行に影響を及ぼすことがあるって知っていますか?かかとの角質はなぜ厚いのか、そこには健康に関わる大事な意味があります。歩くと足の裏が痛い、そう感じたら角質が薄くなっている証。やすりの使い方のコツをマスターし、美しいかかとと快適な歩きを目指しましょう。

足の裏は健康にとって重要な存在

突然ですが、皆さんの足の裏は健康ですか?
足の裏って、普段自分からは見えにくい部分なので特に意識を向けることがないのではないでしょうか。そもそも歩く際に地面につけるだけの部分なので、健康かどうかなんて考えることもないですよね?しかし、足の裏の状態を見ればその人の全身の健康状態が分かるともいわれています。それほど、足の裏は健康にとって重要な存在なのです。

足の裏の負担

普段自分の足の裏にどれだけの負担がかかっているか、ご存知ですか?
足の裏は座っていても立っていても、歩いている時も走っている時も、常に地面と接触しています。ただ立っているだけでも足の裏にはその人の全体重分の負荷がかかっています。ゆっくり歩くだけでも体重の約1.2倍、走っている時は約3倍、ジャンプするとなんと約6倍もの負荷がかかってしまうのです。さらに、靴下やストッキングによる摩擦、靴やサンダルなどの刺激も加わってますます過酷な状況です。

健康のカギを握る「足裏アーチ」

健康な人の足の裏には3つの「アーチ」が形成されています。

  • 親指の付け根~かかとを結ぶアーチ(内側縦アーチ、いわゆる土踏まず)
  • 小指の付け根~かかとを結ぶアーチ(外側縦アーチ)
  • 親指の付け根~小指の付け根を結ぶアーチ(横アーチ)

足を横から見た時に、これらが弓のように緩やかなカーブを描いているのが理想の状態なので「アーチ」と呼ばれているのです。この3つの足裏アーチには次のような役割があります。

  • 足裏の衝撃を吸収して疲れを和らげてくれるクッションの役割
  • スムーズな歩き、走りのためのバネの役割
  • 足裏全体で体を支え、正しい姿勢を維持する役割
  • 足の血液を循環させるポンプの役割

足裏アーチがしっかり形成されていると、歩行や走行だけでなく姿勢を維持し血行も良くなるのです。足裏アーチは全身の健康と密接なかかわりがあるのですね。

角質が硬くなりやすい部分とは?

角質が分厚く硬くなってしまう理由のひとつとして、外部からの刺激を繰り返し受けることがあげられます。私たちは歩行の際に、かかとから着地→小指の付け根→親指の付け根→親指の裏の順に足裏にかかる重心を無意識のうちに移動させています。そのため、足裏アーチの起点であるかかと、親指の付け根、小指の付け根は特に角質が硬くなりやすい部分なのです。
また、足裏アーチが崩れてしまうと、足の外側部分や指の付け根部分などにも角質がたまりやすくなり、硬くなってしまいます。

かかとの角質は分厚くてもよい?

このような理由から、かかとの角質が分厚く硬くなるのはある程度仕方のないことだといえます。しかし、あまりに角質がたまり過ぎるのも問題です。
かかとに角質がたまり過ぎると、ガサガサになりひび割れが起こりやすくなります。もっとひどくなると出血や痛みをともなうこともあるのです。これは角質肥厚と呼ばれる状態で、日常の歩行や姿勢の維持にも影響を及ぼしてしまいます。

理想のかかとの状態

それでは、かかととは本来どのような状態なのでしょう?
かかとは特に角質が分厚くなりやすい部分です。角質層とは、肌の最も外側にある表皮を覆う薄い膜のような組織を指します。通常、身体の他の部分では角質層の厚みは約10~15層で0.02~0.03㎜といわれていますが、かかとの角質層は100層以上で約2㎜と他の部分の100倍も!毎日全身の体重を支えているので当然ですね。
適度な厚みがあってガサガサやひび割れなどのない状態が理想のかかとといえるのではないでしょうか?

ターンオーバーは約4か月周期!?

肌細胞は表皮の最も奥の基底層と呼ばれる部分で新しく作られたのち、徐々に形を変えながら表面に押し上げられていきます。最も表面の角質層に到達すると細胞は死んで角質細胞となり、役割を終えると垢となって剥がれ落ちていきます。この一連のサイクルを「ターンオーバー」と呼びます。
身体の他の部分では、このターンオーバー周期は約4~6週間とされていますが、かかとのターンオーバー周期はなんと120日!つまりかかとの角質層が新しく生まれ変わるまでには約4か月もの日数が必要なのです。

バリア機能が不安定

角質層の役割は、肌を紫外線や雑菌などの外部刺激から守るバリア機能と、水分の蒸発を防いで肌を
乾燥から守る保湿機能です。角質層に存在する角質細胞間脂質やNMF(天然保湿因子)と呼ばれる成分が肌の潤いを保ち外部刺激から守ってくれています。
しかし、かかとは常に地面に接触し圧力をかけられている状態です。靴や靴下による摩擦や素足なら紫外線も浴びることになるでしょう。このような刺激にさらされ続けるかかとの皮膚は、バリア機能がとても不安定な状態なのです。

乾燥しやすくツヤが感じられない理由

かかとって、普段あまり意識して見ることがないですよね。一度ご自身でじっくり観察してみませんか?カサカサしたり白い粉を吹いていたり、もしかするとひび割れているかもしれません。
よほどかかとのケアに気を使っている人でない限り、多くの人のかかとはカサついてツヤがない状態です。それはいったいどうしてなのでしょう?

かかとには皮脂腺がない

足の裏に汗をかきやすい人は多いと思いますが、足の裏が脂っぽくなったりベトついたりすることはあまりないですよね。足の裏には、汗を分泌する汗腺は存在しますが、皮脂を分泌する皮脂腺はありません。
皮脂はベトつきやニキビの原因になるとして嫌われがちな存在ですが、実は肌にとってなくてはならない天然の保湿クリームのようなもの。皮脂がないと、肌はとても乾燥しやすくなってしまいます。もともと皮脂腺がなく皮脂が分泌されないかかとは、乾燥しやすくカサつきやすい部分なのです。

歩く・立つなど全体重の負担

私たちは歩くときにかかとから着地して足先に体重を移動させて前へ進みます。かかとは一番最初に地面に接触する部分なので、地面からの衝撃を直接受けることになります。また歩くだけでなくジョギングなどでは体重の数倍もの圧力がかるので、かかとへの負荷はより大きなものになるでしょう。

履物による摩擦と細菌の影響を受ける

かかとへの負担は歩いたり走ったりする時だけではありません。履物による摩擦もカサつきの原因のひとつといえます。特に、サイズの合わない靴やハイヒール、蒸れやすいブーツ、突起のついたサンダルなどはかかとへの負担も大きいでしょう。
また、かかとが乾燥してバリア機能が低下すると、細菌が繁殖しやすくなります。カビの一種である白癬菌は角質層に繁殖しやすく、かかと水虫の原因となります。かかとが水虫になると、やはり角質が分厚く硬くなり、カサつきやひび割れが起こりやすくなるのです。

不要か必要かを見極めよう!

それではかかとの角質は、徹底的に除去してしまう方が良いのでしょうか?答えはNO!不要な角質と必要な角質をきちんと見極めて除去することが重要です。ここからは角質除去の注意点についてみていきましょう。

角質の取り過ぎに要注意

分厚く硬くなってしまったかかとを一日でも早くツルツルにしたいからと、軽石ややすりで毎日のようにゴシゴシと擦っていませんか?コレって実は逆効果。古い角質だけでなく、必要な角質までも取り過ぎてしまいます。
角質層は大切な肌のバリア機能と保湿機能を担っています。必要な角質まで取り除いてしまうと、かかとはもっと乾燥しバリア機能も低下してより分厚い角質を作ろうとしてしまうのです。

痛みや赤みは危険信号

もしも角質ケアの後にかかとに痛みや赤みができてしまったら、やり過ぎのサイン。放っておくと日常の歩行に支障をきたしたり雑菌が繁殖する恐れもあります。すぐに角質ケアを中止して、ひどいようであれば皮膚科などの専門医を受診しましょう。

フット用のやすりを上手に取り入れよう

最近ではフットケアのアイテムがどこでも手軽に入手できるようになりましたね。中でもかかと用のやすりは使い方も簡単で効果が得られやすいので人気のアイテムです。賢く選んで上手に取り入れてみましょう。

やすりの種類

  1. 軽石タイプ
     ホームセンターやドラッグストア、100円ショップでも購入できます。お値段もリーズナブルで最も入手しやすいケアグッズといえます。ただし力加減や均一に削るのが難しく、やり過ぎるとかかとを痛める原因にもなります。
  2. 耐水ペーパータイプ
     いわゆる紙やすりと同じようなタイプですが、お風呂でも使えるように耐水紙でつくられています。目の粗さが選べる商品もありますが、角質を削る力は比較的弱いようです。
  3. ステンレスタイプ
     ステンレス製なので清潔で洗って繰り返し長く使えるのがメリットです。目の粗さも選べる商品も多く、お値段も手頃なものから高価なものまでさまざまです。
  4. 電動タイプ
    ローラー部分のやすりが高速で振動、または回転して角質を削り取ってくれます。手軽に短時間でケアできるところがメリットです。電池式や充電式で、持ち運びに便利なコンパクトなものなどさまざま。お値段は手動のタイプに比べれば高価ですが、比較的リーズナブルなものも多いでしょう。

やすりは乾いたまま使う?それとも濡らしてから?

フットケア用のやすりは、基本的には乾いた状態でも濡らした状態でもどちらでも使うことができますが、軽石に関しては乾いた状態だと硬すぎるため、お湯で濡らして使うのがおすすめです。電動タイプは商品によっては防水仕様でないものもあるので、取扱説明書に従ってください。
乾いた状態で使う場合、削り取った角質の細かい粉が飛び散ってしまうので新聞紙を敷くか浴室でおこなうとよいでしょう。 

濡れたかかとはNG!乾いた状態で優しくケア

入浴中や入浴後に足が濡れている状態でかかとやすりを使っていませんか?
足が濡れたままだと角質がふやけているので削り過ぎてしまう恐れがあります。かかとは必ず乾燥した状態でケアをおこないます。その際力を入れてゴシゴシこするのではなく、やすりを一定方向に優しく動かしましょう。
入浴後におこなう場合はタオルでかかとの水分をよくふき取ってからおこないましょう。

フット用やすりの効果を高める2つのコツ

ていねいな洗浄で清潔に保とう

使用後のやすりはしっかり洗浄して清潔に保つことが重要です。角質が残ったまま放置しておくと目が詰まって効果が落ちたり、雑菌が繁殖しやすくなります。雑菌のついたかかとやすりでケアをおこなうと水虫の原因に。
特に軽石タイプは無数の細かい穴に角質が残りやすく、雑菌が繁殖しやすいとされていますので注意が必要です。その点ステンレス製のものは丸洗いできるので比較的清潔に保てるでしょう。電動タイプならヘッドの部分だけでも水洗いできる製品を選びましょう。洗浄後は湿気の少ない場所に干してしっかり乾燥させることも忘れずに。

かかとケアの後はしっかり保湿を

角質を除去した後のかかとは、乾燥しやすくとってもデリケートな状態です。かかとケアの後はなるべく早めにお手入れをしてください。
保湿クリームを塗ってしばらくは靴下を履いておくとよいでしょう。ビタミンEや尿素を配合したクリームなら血行促進効果や角質を柔らかくする効果が期待できます。また化粧水をコットンに含ませたものでパックをしても良いですね。

まとめ

いかがでしたか?手軽なかかとの角質ケアに重宝するかかとやすり。使い方のポイントは、足が乾いた状態で優しく使用して削り過ぎないことと、保湿をしっかりおこなうことでしたね。自分に合ったかかとやすりでツルツルのかかと美人を目指しましょう。

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