たくさん寝てもクマが消えない。よく「疲れてる?」と言われる。その原因は目の下のタルミかもしれません。
 目の下は皮膚が薄く、顔の中でも特にたるみやすい部分です。原因は老化だと思いがちですが、それだけではなく、紫外線やスマホの見過ぎも原因の一つです。日々の生活を見直しながら少し努力すればタルミは改善します。その方法をお伝えしましょう。

目の下がたるむメカニズム


 目の下の皮膚はとても薄く、デリケートです。皮膚の一番外側にある角質は、0.005mmしかありません。重力の影響を受けやすい部分でもあります。なぜ目の下がたるむのか、そのメカニズムを説明しましょう。

眼球の下垂

 目の下の脂肪のことを眼窩脂肪といいます。年を取るとこの眼窩脂肪が膨らみ、その下に影ができます。なぜこの部分が膨らむのでしょうか。
 加齢に伴って眼球を支える靭帯が弱り、緩んできます。そのため眼球に上から押されて目のまわりの脂肪が前に飛び出してしまいます。さらに、脂肪の蓄積、筋力の衰え、肌の弾力の衰えによって、眼窩脂肪が膨らみやすくなります。

下まぶたの皮膚のタルミ

 皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層からなっています。その下に脂肪組織と筋肉がありますが、年をとると筋肉が衰えて脂肪を支えられなくなり、重力に負けてしまいます。皮膚が薄い目の下は特にタルミが目立ちやすくなります。また、真皮を支えるコラーゲンとエラスチンの役割が衰えることで肌の弾力がなくなることも原因です。老化によってどちらも減少するため、皮膚を支えられなくなるのです。

頬の皮膚のタルミ

 加齢とともにたるむのは目の下だけでなく、頬の脂肪も下へと下がっていきます。それに伴って目の下の皮膚も引っ張られ、ボリュームがなくなります。その結果、影ができて目元が暗い印象になります。

目の下のタルミをチェック

 あなたの目の下はたるんでいませんか?クマだと思っていたらタルミだったということもあります。改善するには、自分の目の下をよく観察することから。ただ、ここにあげるタルミのタイプはどちらか一つというわけではなく、混合タイプもあります。判断がつかない場合は専門家を頼りましょう。

へこむタルミ

 顔全体の皮膚が重力に負けてたるむのと同時に目の下の皮膚が引っ張られて薄くなっているタイプです。目の下のくぼみと頬との境目がデコボコしていて、それに伴って影が見られます。青みのある影がみられるのが特徴です。

ふくらむタルミ

 眼窩脂肪がふくらんで、そのデコボコが影になっているタイプです。一見涙袋のようにも見えますが、そのふくらみの下はへこんでおり、クマのように見えてしまっています。

クマかタルミかわからない?

 目の下が黒くなっていると寝不足や疲れでクマができたかなと思いがちですが、そうとは限りません。クマには3種類ありますが、種類によって原因も対処法も異なってきます。

<青クマ>
血行不良が原因のクマです。睡眠不足やストレス、目の疲れなどによって起こります。温めたタオルなどで血行を促進したり、皮膚を軽くひっぱると薄くなることで青クマと判断できます。

<茶クマ>
色素沈着が主な原因のクマです。シミと同じ原理で、紫外線や皮膚への刺激によって起こります。温めたり冷やしたりしても色が変わらない場合は茶クマと判断できます。改善するには美白ケアが必要です。

<黒クマ>
目の下のタルミによって影ができることで起こるクマのことをいいます。影なので、黒い部分に光をあてたり、皮膚を引っ張って平らにすることで消えるようであれば、タルミによる黒クマだと判断できます。

 クマの中でも2種類以上が混合している場合も多くあります。対処法が異なるため、気になる場合は専門家に相談するのもよいでしょう。

目の下のタルミの原因は?


 タルミの原因は老化というイメージが強いですが、生活習慣も大いにかかわってきます。たるみやすい行動をしていないか、チェックしてみましょう。

筋力低下

 老化によって、あらゆる部分の筋力が衰えますが、目の下も例外ではありません。筋肉は使わなければ衰えますが、表情の少ない日本人は衰えがちだといわれます。
 目の下の筋力が衰えると、皮膚を支える力がなくなり、重力に負けてしまいます。こうして目の下のタルミができます。

化粧品

 アイメイクはほとんどの女性がするでしょう。中には目を大きく見せるためや、クマやシミを隠すために目の下にもメイクをする人も多いですね。確かに、目の下に明るい色をいれることで、タルミによる影もカモフラージュしてくれます。ところが、このようなメイクが原因でさらにタルミを引き起こしていることもあるのです。
 アイメイクは崩れやすいことから、できるだけ崩れにくい化粧品を選びたいですよね。しかし、崩れにくいということは、クレンジングで落としにくいということです。落ちなかった化粧品成分は肌に蓄積し、老化を促進させてしまいます。アイメイクはできるだけ肌によいものを選び、毎日きれいに落としておきたいですね。

血行不良

 現代人はパソコンやスマホなど目を酷使する環境にあることはご存知でしょうが、小さな画面を長時間見ているときは、まばたきの回数が減っていることはご存知でしょうか?
 まばたきの回数が減ると、目の回りの筋肉が運動不足になります。また、長時間同じ画面を見ているため、焦点も変わらず、目の筋肉が固まっている状態になります。こうして血行が悪くなるのですが、血行不良は疲れ目やクマの原因ではなく、タルミへとつながります。これは、血行不良によって肌に酸素や栄養が行き届かず、皮膚の機能が低下するためです。

紫外線

 紫外線は肌のハリを失わせ、タルミを引き起こします。その原因は活性酸素です。老化を促進する物質であることはよく知られていますね。
 特に目の下は、コンタクトレンズを入れたり、目薬をしたり、涙を流したりと、化粧や日焼け止めが落ちやすい部分です。そもそも、日焼け止めを塗ること自体忘れてしまいがちですね。目のきわに塗るのも抵抗があるという場合もあります。
 このようなことから、紫外線に対して無防備になりがちな部分であることは覚えておきましょう。

過度な刺激

 目の疲れやクマを解消しようと、マッサージに励む人がいます。実は目のまわりに刺激を与えるのは逆効果です。非常にデリケートな部分なので、過度な刺激によって活性酸素を発生させ、シミやシワの原因になってしまいます。さらに皮膚を伸ばし、タルミやすい肌になってしまいます。
 マッサージだけでなく、アイメイクを落とすときの刺激や、コンタクトレンズを入れるときにまぶたを下げるといった刺激も同様です。アレルギーなどによるかゆみで目を頻繁にこするくせのある人も要注意です。

むくみ

 アルコールの飲み過ぎや塩分の取りすぎなどで体がむくむことは経験上多くの人が知っていることでしょう。そのむくみがタルミにつながるのはご存じですか?
 むくみによって血行が悪くなり、老廃物がたまりやすくなります。このことで皮膚の新陳代謝を妨げ、老化を促進します。また、むくみというのは細胞に水分がたまっている状態なので、むくんでいない状態と比べて単純に重力が多くかかります。これらのことからタルミにつながるのです。
 むくむ原因は水分の取りすぎだと思う人も多いですが、むしろ水分はしっかりとって、塩分の摂取を減らすことが大切です。

目の下のタルミ解消法


 タルミを解消するには、先に説明した原因を取り除くことに加えて、目のまわりのトレーニングと日々の生活で少し意識を高めることが大切です。具体的な改善方法をみてみましょう。

目の下の筋肉を鍛える

 筋肉は使わなければ衰えるもの。ということは、鍛えればよいわけです。目の下の運動方法をご紹介します。

○目は上を向き、鼻の下は下に向かって思いきり伸ばします。

○その状態で下まぶたを持ち上げて目を閉じるようにします。

○これを何度か繰り返します。

 ポイントは、下まぶたを意識することです。下まぶたを持ち上げるときに目が閉じるまであげなくても構いません。かなり変な顔になるので、公共の場で行うときは注意しましょうね。

ツボ押しでタルミ改善

 タルミに効くというツボをご紹介します。眼精疲労にも効くので、ぜひ日常に取り入れてみてください。

○承泣(しょうきゅう)
 目の下に骨がありますが、その骨の真ん中、まっすぐ前をむいたときの瞳の真ん中から下にいったところがツボです。
 皮膚が薄い部分なので、やさしく押しましょう。

○睛明(せいめい)
 目頭と鼻の間にあるツボです。目が疲れたなと思うときに自然に押してしまうところです。
 鼻筋の方に向かってやさしく押します。

○攅竹(ざんちく)
 眉間にあるツボです。眉毛の端の骨があるところです。
 親指で上にもちあげるように押します。

○太陽(たいよう)
 目尻と髪の生え際の間にあるくぼみです。
 中指で左右同時に押します。

 ポイントは強く押しすぎないこと。逆効果になってしまいます。

目のまわりの血行促進運動

血行不良は目の疲れにつながるだけでなく、タルミの原因になることは説明しましたね。ここでは、簡単にできる血行促進運動をご紹介します。

○両目を力いっぱいぎゅっと閉じて、5秒数えます。

○その後、目を大きくパッと開いて5秒数えます。

 これを何度か繰り返すだけです。思い出したときに簡単に実行できますし、効果抜群ですよ。

紫外線を避ける

 紫外線はタルミの原因になるだけでなく、肌にとって悪影響を及ぼすものです。帽子や日傘を使うのはもちろん、地面を反射する紫外線があることも考慮して、目の回りにも使える肌にやさしいUVカット製品を使いましょう。
 ファンデーションをしっかり塗っておくのも大切です。シワや汗でよれやすい部分ではありますが、こまめに塗り直して無防備な状態を避けることが紫外線対策につながります。

目のまわりのケアを見直す

 洗顔後に化粧水や乳液をつけるのは日常的におこなっていても、目のまわりもしっかりとつけることができているでしょうか。目の下は少しくぼんでいるため、手のひらで顔全体に化粧水をしみこませたとしても、目の下にはついていないことが多いのです。
 タルミが気になったら、特に重点的に化粧水や乳液で保湿するようにしましょう。やさしくコットンや指先でつけた後、軽く押さえるようにするとしっかりと染み込みます。これは、シワやクマにも効果があります。デリケートな目の下の肌は丁寧にケアしましょう。

美容外科での治療

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 どうしてもタルミが気になるという場合は、専門家の手をかりるのも一つの方法です。美容外科を受診するとどのような治療がなされるのか気になるところですね。ここで、代表的なタルミの治療方法をご紹介します。

ヒアルロン酸注入

 目の下がへこんでいるタイプのタルミの場合は、ヒアルロン酸注入で改善します。非常に細い針で注射し、くぼみを盛り上げるようにします。短時間で気軽にでき、腫れや赤みもほとんどでず、化粧も直後から可能です。費用はヒアルロン酸の注入量によりますが、10万円前後が相場です。

経結膜脱脂法

 目の下が膨らんでいるタイプのタルミに選択される治療法です。下まぶたの裏側を1cmほど切開して膨らみの原因になっている脂肪を除去します。腫れや内出血ができますが、ほとんどの場合はメイクで隠せる程度です。費用は30万前後から40万程度が相場です。クリニックやタルミの状態によっても差があります。

まとめ

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 目の下は非常にデリケートなうえに、一度タルミが進行するとなかなか元に戻りません。ひどくならないうちに今回あげた対処法を実行しましょう。自分で実感できるほどの即効性はありませんが、現代人に多い目の疲れ解消にも役立つので損はありません。毎日コツコツ行うことで、目元美人をめざしましょう。

ライタープロフィール
山川 ハナエ

主婦兼フリーライター/元看護師/三児の母。独身時代は給料の大半をエステと趣味のバレエに費やす美容オタク。働く女性と育児奮闘中の母の気持ちがよくわかる。趣味は読書、英語学習、舞台鑑賞。年を重ねても内面が輝く美しい女性に憧れている。