「目は口ほどにものをいう」ということわざがありますが、目は疲れや感情が現れやすいパーツでもあります。本当に寝不足などで疲れているならいいですが、元気なのに「疲れてる?」と言われることが増えていませんか?
 まぶたがたるむと、活気のない暗い印象を相手に与えてしまいます。ひどい場合はおでこのシワにもつながります。詳しい原因とともに、改善法をお伝えしましょう。

まぶたのタルミの原因は?


 
タルミとは、皮膚が重力に負けて垂れ下がっている状態です。
まぶたがたるむと、はっきりとした二重の人は奥二重になったり、ひどい場合は目にかぶさって視界が悪くなります。そのため、目を一生懸命開けようと頑張ると、おでこにシワができてしまいます。この悪循環を防ぐために、まずは原因を学びましょう。

皮膚のタルミ

 老化によって、皮膚を支えて肌のハリや弾力をつくるコラーゲン繊維とエラスチン繊維が減少します。また、筋力も落ちるので、皮膚を支えきれなくなります。目のまわりの皮膚は薄いため、早くて20代、主に30代くらいから老化の影響を感じやすくなります。コンタクトレンズやパソコン、スマホなどの使用によってもたるみやすくなります。

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まぶたのむくみ
 まぶたが重たくなると目が小さく見られます。むくみが原因のこともありますが、年をとるにつれて脂肪が目立つようになります。上まぶたには眼窩脂肪(がんかしぼう)という脂肪組織がありますが、水分を含むことでふくらみ、目立つようになります。
 まぶたは皮膚が薄いので、血行が悪くなりやすい部分です。血流が悪くなると水分や老廃物が流れにくくなり、むくみとして現れます。水分で膨らんで重たくなった脂肪は重力で下がりやすくなります。

 腫れぼったいまぶたは脂肪がたまっているようにみえますが、むくみを改善することですっきりする場合があります。また、もともと日本人はまぶたの脂肪が多い傾向があります。
 

眼瞼下垂(がんけんかすい)とタルミの違い

 まぶたを持ち上げる眼瞼挙筋(がんけんきょきん)という筋肉がありますが、この力が弱まり、十分に目が開かなくなる症状を眼瞼下垂(がんけんかすい)といいます。
皮膚が目にかぶさり、タルミのように見えますが病的なものもあり、次にご紹介します。

●先天的に眼瞼挙筋が十分に発達せずに起こるもの
●脳梗塞や重症筋無力症など神経に影響する病気によるもの
●老化による眼瞼挙筋の筋力低下によるもの
●コンタクトレンズの使用による後遺症によって起こるもの

 症状は程度によりますが、ひどい場合は目の半分ほどがまぶたに覆われて視力に困難が生じたり、肩こりなどの全身症状が出る場合があります。
病気と判断されると、保険適用の治療が選択できます。

まぶたのタルミを予防する生活習慣

 タルミは早いうちに対処することで改善できます。ひどくならないうちに、予防するのも大切。たるみを予防するポイントをあげましたので、毎日の生活で意識して取り組みましょう。

乾燥を防ぐ

 まぶたの皮膚は他の部分と比べて非常に薄く、皮脂腺の数も少なく、乾燥しやすくなっています。また、エアコンや暖房のきいた部屋で過ごしたり、アイメイクを落とすときにこすったり、メイクがしっかり落としきれていないのも乾燥の原因になります。目元の小ジワを発見したら、乾燥のサインです。

 対策としては、目元は特に保湿力の高い化粧品でケアをしましょう。
防腐剤や香料・石油系界面活性剤などが入っていない肌にやさしい成分なら、目の際まで安心して使うことができます。アイメイクにも気をかけて、落ちにくいものは時と場合で使い分けるようにしましょう。

紫外線を防ぐ

 紫外線を浴びることで作られる活性酸素は、肌の老化を早めます。特に目元は日焼け止めを意識して塗らないのではないでしょうか。

 対策としては、紫外線が強いときはサングラスをすること。
また、UVカット成分の入っているアイシャドウなどを使うのもよいですね。
ただ、忘れてはいけないのが保湿です。皮膚は乾燥しているときよりも潤っている時の方がバリア機能が保たれています。何もつけていない状態では紫外線どころかあらゆるダメージを受けてしまいますよ。

睡眠をしっかりとる

 人は眠っている間に体の機能を修復しようとします。
日中に受けた紫外線などのダメージも回復させて、皮膚の新陳代謝を促します。睡眠がしっかりとれていないと、肌のハリを保つコラーゲン繊維とエラスチン繊維が減少しやすくなり、皮膚のタルミが起こりやすくなります。
また、睡眠不足は目が開いている状態が長いということですので、目が休まっていません。その結果、疲労物質がたまり、血行も悪くなって、目元がなんだか重たい印象になります。

 睡眠時間は長すぎても短すぎてもいけません。
良質な睡眠をとり、自然に目が覚めたときに起きるのが一番です。睡眠の質を下げるものは、寝る前のテレビやスマホ、カフェイン、寝る直前の食事や飲酒です。どうしても夜にパソコン作業をする必要があるなら、早朝にシフトできないか考えてみましょう。

食生活を改善する

 規則正しい食生活は、健康と同時に全身の美しさに関わってきます。体調が整っていてハツラツとしている人は目も輝いています。それはイメージだけでなく、実際に目元に栄養が行き届いてうるおっているからなのです。
 特に目に関わる栄養素をあげておきます。

<ビタミンA>
 目の粘膜を保護する栄養素です。不足するとドライアイになります。ブロッコリー、カボチャ、ニンジンなどに多く含まれています。

<ビタミンB群>
 ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸のことを指します。
目の疲れを防いだり和らげる作用があり、目薬にもよく含まれています。
これだけのものを一度に摂るためには、乳製品、大豆製品、魚介類など多くの種類の食品をとることです。

<ビタミンC>
 美容のためには欠かせない栄養素で、皮膚や粘膜を保護したり、ダメージを修復したりコラーゲンの合成を助けたりと、多くの役割があります。
目に対しては、疲れや充血を防いでくれます。
ビタミンCは熱に弱いため、生野菜や果物をとるのが有効です。

<DHA>
 DHAは目の網膜に含まれている成分です。
網膜は外からの情報を脳に伝える役割をしています。
そのため、DHAが不足すると、視力に影響を与えます。青魚に多く含まれています。

<ルテイン>
 ルテインは目の中にある黄斑部に含まれています。
黄斑部には色彩を感じる細胞が多くあり、見え方に大きく関わっています。
紫外線やブルーライトなど有害な光を防ぐ役割もあります。
また、ルテインには抗酸化作用があり、老化を防いでくれます。
ほうれん草やブロッコリーといった緑色の濃い野菜に多く含まれます。

<アントシアニン>
 私たちが物を見るときには、目の奥で光を感じてそれを情報として脳に送られます。
その役割をしているのがロドプシンです。
アントシアニンはロドプシンの働きを助ける役割をして老化や疲れによる見えづらさを改善してくれます。ブルーベリー、ブドウ、ナスなど紫色の野菜や果物に含まれています。

疲れ目に注意する

 仕事で一日8時間以上パソコンのモニターを見ている人も多いでしょう。
そのうえ、家に帰ったらテレビを見て、寝る前と朝起きた瞬間にスマホを見るという生活をしていませんか?
これでは目が疲れるのも当然です。最近では「スマホ老化」という言葉も聞かれるほど、美容とはかけ離れた生活になっています。
まぶたがたるんでいると疲れて見える、のではなく、目の疲れがまぶたのタルミを引き起こしているのです。

 目が疲れるというのは、目のまわりの血行やリンパの流れが悪くなり、疲労物質がたまっている状態です。血行が悪くなるとむくみにもつながりますし、その重さでまぶたが垂れ下がってきます。さらに血行不良は皮膚の機能を衰えさせて、ハリを失わせ、たるみやすい状態にします。

 厚生労働省から「VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン」が定められているのをご存じですか?
VDT機器というのは、ディスプレイやキーボードなどで構成された出力機器のことをいいますが、具体的には、パソコンやスマホもそれに当たります。
長時間のVDT 作業によって体や心に不調を感じる人が多いために、作業環境を整えましょうということが言われています。

このことから多くの企業では、1時間以上の連続した作業をしないようにして、1時間以内に10分から15分の休憩をはさむことを推奨しています。
 それだけ体に負担のかかるVDT作業ですが、プライベートでのスマホの使用は当然ながら制限しなくても誰にも何も言われませんよね。

上記のことを参考にして、自己管理が必要になってきます。画面を見れば見るほどまぶたがたるむと思ってみてはいかがでしょうか。

まぶたのタルミ解消法


 日常生活での注意点がわかったところで、たるんでしまったまぶたを改善するエクササイズをご紹介します。

目元

 日本人はまぶたに脂肪が多いうえに、表情の変化も少ないので、まぶたがたるみやすくなっています。表情をしっかりと動かして筋肉を刺激するエクササイズをしましょう。

<眼輪筋を鍛えるエクササイズ1>

  1. まぶたを閉じたままで眉だけゆっくり引き上げ、5秒キープします。
  2. ゆっくりと元に戻します。
  3. これを数回繰り返しましょう。

 眉をあげるときに、おでこにシワがよるくらい引き上げるのがポイントです。まぶたをしっかり意識しましょう。

<眼輪筋を鍛えるエクササイズ2>

  1. 眉をあげて目をしっかり開いて5秒キープします。
  2. 眉をあげたまま目を閉じて5秒キープします。
  3. これを数回繰り返しましょう。

 あげた眉を指でキープして目を閉じても効果があります。この場合は指に抵抗するようにまぶたに力をいれましょう。

<ウインクエクササイズ>

  1. 両目をしっかりと開けます。
  2. 片方ずつしっかりと目を閉じます。
  3. これを数回繰り返しましょう。

ツボ押し

 目の疲れを癒すのに効果的なのがツボ押しです。目のまわりはデリケートなので、力を入れすぎず、気持ちよい程度におさえておきましょう。

○魚腰(ぎょよう)
 眉の中央下にあるツボです。目のまわりの血行をよくし、眼球を動かす筋肉である外眼筋をほぐしてくれます。
 親指の腹を当てて、心地よいと思う程度の強さで軽く押さえましょう。眉を押し上げるように20回ほど揉みます。

○瞳子髎(どうしりょう)
 目じりから指1本分ほど外側にある骨のくぼみにあるツボです。眼精疲労に効果があります。血液の流れをよくするツボなので、目のまわりのタルミや小ジワにも効果があります。
 人差し指の腹を使って軽く押しましょう。

ストレッチ

 長時間のパソコンやスマホの使用で体を動かずに過ごしていると、肩こりや腰痛を感じるようになります。これは体の血行が悪くなっているためです。
まぶたのタルミは血行不良も原因になりますが、全身の血行が悪いと目元の血行はますます悪くなってしまいます。特に首と肩は血流が滞りやすい部分です。

<首のストレッチ>

  1. 首をゆっくりと右へ倒して右手で頭に軽く体重をかけて5秒キープします。
  2. 肩をあげずに首を伸ばすことを意識しましょう。
    左も同様に行います。
  3. 首を前に倒して、両手で頭に体重をかけ、5秒キープします。
  4. うしろに頭を倒して5秒キープ。
  5. 仕上げに首をぐるりとまわします。

<肩甲骨のストレッチ>
 作業中はどうしても猫背になりがちです。
肩甲骨をストレッチすると、肩回りの血行がよくなります。

  1. 両腕を直角に曲げて、手のひらを上にします。
  2. 息を吸いながらゆっくりと肘をうしろにひいていきます。
    左右の肩甲骨を近づける気持ちで5秒キープ。
  3. 息を吐きながらゆっくりと腕を前に伸ばします。
    肩甲骨を離す気持ちで背中をまるめて5秒キープ。
  4. これを5回ほど繰り返しましょう。

まとめ


 まぶたのタルミは現代病といってもよいくらい、普段の生活を表していることがわかりましたか?目の疲れは全身の疲れにつながります。まずは寝る前の環境から整えて、パッチリ輝く目元をめざしましょう。

ライタープロフィール
山川 ハナエ

主婦兼フリーライター/元看護師/三児の母。独身時代は給料の大半をエステと趣味のバレエに費やす美容オタク。働く女性と育児奮闘中の母の気持ちがよくわかる。趣味は読書、英語学習、舞台鑑賞。年を重ねても内面が輝く美しい女性に憧れている。