毎日のヘアセットやお手入れに欠かせないクシやブラシ。頭皮から髪をスーッと通すクシは、洗髪後の髪をとかしたり、分け目や髪を少量救うようなヘアアレンジにとても便利です。そのクシ、100円から一万円位まで価格にかなりの幅があります。皆さんがお使いのクシ、いつどこで、どれぐらいの価格で購入しましたか?実は材質によって髪の艶を引き出すこともあれば、切れ毛や抜け毛の原因になることもある、髪にとって重要な役割をしています。美しい髪の人は維持のために、ダメージヘアの人は改善のために、ぜひクシについて見直してみましょう。

髪質は良くも悪くもクシで決まる

 普段、クシを使っていますか?家用と持ち歩き用、それともブラシのみ派?
美髪を目指すうえでぜひ注目して頂きたいのが、クシなんです。
なぜなら、これ1つで髪の状態が大きく変わるということを、自覚している人が思いのほか少ないというのが現状だからです。
 ちなみにブラシのみの人は、この機会にクシを取り入れることをぜひ考えてみて下さい。髪の状態が変わることを実感するはずです。

 

クシとコーム、ブラシとの違い

 クシは日本語、コームは英語。どちらも同じ意味で使われています。
一般的にクシは歯が一列ですが、ブラシはそれが複数あるのが特徴です。
ブラシの形状と用途について簡単にまとめました。

  • クッションブラシ:
    ブラシの根の部分がゴム製。空気が入ったドーム型でクッションのようになっている。髪のブラッシング、艶出し向き。
  • ロールブラシ:
    ブラシの目が荒いから細かいものまで幅がある。毛先のカールや動き、遊びのようなニュアンスを出す時に適している。
  • スケルトンブラシ:
    ブラシの目が非常に荒い。毛量が多い、くせ毛をほぐす時、濡れた髪に便利。

クシの素材にこだわりを持ってみよう

 クシは、ドラッグストアで購入出来るものもあれば、ホテルのアメニティグッズだったり、柄が長いプロ用など様々です。
形は使いやすさやセットのしやすさを決めますが、
髪の質に関わる要素は、何で出来ているか、つまり素材が重要になります。
 プラスチックか木製しか使ったことがないという人も、他にどんなものがあるのか次を参考にしてみて下さい。

●木製
木製のクシで代表的なものと言えば、つげクシです。
古くから日本人女性の髪の美しさには、その存在ありと言われるほど歴史は長く、今もなお工芸品として親しまれています。一度使うと髪1本1本がクシに包まれるような感覚に陥り、手放せなくなるその所以は、代々受け継がれた職人が数十年かけて一品を作り上げる技。日本人だけでなく海外からも注目を集めています。

国産の薩摩つけ材を使ったものは非常に貴重で、現在は海外から輸入されたシャムと呼ばれるつげに似た木材で、クシの大半を機械で作るものが増えています。

椿油が塗布されているものが多く、髪の艶感を出したり、静電気の発生を抑えるためにも常備したいのがつげクシです。

他にも桃の木や白檀の木で作られたクシがあり、髪や頭皮の健康や育毛を日常的に取り入れるためにも木製のクシは常備したい一品です。

●プラスチック製
 プラスチック製のクシは、髪に静電気を発しやすいという短所があります。
使い続けると、髪の最も外側にあるキューティクルが剥がれてパサついたり、髪をとかすたびに頭皮からダメージを与え、抜け毛や切れ毛を引き起こすことがあります。
 ちなみにプラスチック製のクシは、薬剤に強く、弾力性に富むという特徴があり、美容室で使用されているケースはよく見られます。
 
●カーボン
 強化されたカーボン素材や、それと樹脂加工を組み合わせたものなど、製品制強度や耐久性、耐薬性に優れた特性があります。見た目だけで製品素材を把握することは難しいので、選ぶ際は製品説明書などを参考にしましょう。

●その他
 最近、とかすだけで髪が艶々、サラサラになるコームが人気を集めています。髪の表面摩擦を軽減させ、衛生面にもこだわった特殊加工を施したクシは、髪のことを考え抜いた製品として今大変人気を集めています。

髪質・長さ・毛量に合うクシの形状とは

 どんなに髪に良いクシと言っても、使いやすくなければ意味がありません。
持ちやすさや重さ、手入れのしやすさなど、形状にもいくつか種類があります。髪質やセットなど、目的別に用意しておくととても便利です。手に入りにくそうなプロ仕様のものは、担当の美容師さんに購入方法を相談してみましょう。

●黄楊櫛(つげぐし)
 クシの歯と歯の間に隙間がないのが特徴で、1㎝幅に13本の歯があるつげクシは、人間国宝とされているそうです。さらに1㎝幅に20本という特別品もあり、それで髪を梳くと、長い髪でも引っかかることなくスムーズに通すことが出来ると、感動の声を寄せている人もいるほどです。

●カットコーム
 クシの歯と歯の間が狭い、もしくは中ぐらい、もしくは1本でその両方(目の粗さが2タイプ)になっているものがあります。頭皮から毛先までの繊細なクシ通りなので、美容師はその名の通り、カットする時に使用しています。

●逆毛用コーム
 コームの歯の部分が二重になっており、逆毛を立てたり、ヘアアレンジをする時に便利です。自分でアップにした時の毛先に、軽く逆毛を立てるとふんわり感が手軽に完成します。

●ジャンボコーム
 コームの歯と歯の間に隙間があり、持ち手が太くなっている特徴があります。
トリートメントをなじませた髪に使用すると、クシ通りが滑らかに通ります。

今使っているクシ、どこで買いましたか?

 クシと言っても、百均で買えるもの、ホテルのアメニティ、職人が作るつけクシ、他にも特殊加工されたものなど、素材も価格も様々です。
クシの素材は髪の質に大きく影響するので選ぶ時は重要視すべきです。価格が高いものは品質が高いものが多く、美しい髪のためにも用意して使いたいもの。
静電気を防ぐだけでなく、髪のツヤ感や頭皮の状態にも差が付きますので、ぜひ自分のお気に入りを見つけてみましょう。

髪の毛1本の構造が想像できる人になろう

 品質が良く使いやすい形状のクシに出会ったのに、それを上手に使いこなすことが出来ないほどもったいないことはありません。
そこでおススメなのが、髪の毛の基本的な知識を身に付けることです。クシを使うたびにその役割の理解が深まり、髪へのいたわり方も変わってくるはずです。では何からじゃじめたらいいのかを次にご紹介します。

美髪への近道

見た目も手触りも理想の髪の毛にとって重要なことは、髪の毛1本の構造がしっかりイメージ出来て、さらにそれぞれの役割を理解していることです。
キューティクルと聞いて、1本の髪の毛の表面がパッと頭に浮かび、その働きを知っていると、ケアするたびに意識が高まり、自分のベストな状態へと近づけるように努めるからです。次にぜひ覚えておきたい髪の仕組みについてまとめました。

髪の構造と役割を正しく記憶しよう 

1本の髪は、外側から中心に向かって3つの層から成り立っており、一番外側をキューティクル、中心部をコルテックス、中心部をメデュラといいます。
それぞれについて見ていきましょう。

●キューティクルの特徴
キューティクルは髪の毛の表面を覆っている部分で、ウロコ状に重なり合っています。外部の刺激と内部の水分やたんぱく質が失われないように守る働きをしています。硬いたんぱく質が主な成分で、髪の艶に欠かせない存在です。
また、MEA(18-メチルエイコサン酸)と呼ばれる脂質があり、髪の全体の約1%未満に過ぎませんが、ツヤや手触り、摩擦の低減に欠かせない重要な成分です。

紫外線はキューティクルこれを変性させるほど、髪にダメージを与えてしまう美髪の大敵です。長時間、紫外線が髪に当たると、髪の毛の水分が奪われ、乾燥が進んでいきます。それによりキューティクルがはがれやすくなり、水分量のバランスが崩れてパサつきや枝毛、切れ毛に見舞われることがあります。

●コルテックスの特徴
 キューティクルの内側にあり、主成分は柔らかいたんぱく質です。この状態によって髪の太さ、硬さ、強さなどが決まります。
通常は約12~13%の水分を含み、髪のしなやかさを左右します。
また、顆粒状のメラニン色素を含み、髪の色にも重要な役割を担っています。

●メデュラ
 髪の芯の部分にあたり、空気を含んでいるため、ハチの巣状の細胞が並んだ構造をしています。ヘアアイロンの高熱でメデュラがダメージを受けることがあります。

髪のことを考えた質の良いクシは、キューティクルはもちろん、髪の内部にまで健やかな状態を保つための、大事な要素になるということがご理解いただけると思います。

清潔な状態を保つことは常識

 毎日使うクシ。定期的に洗い、メンテナンスをしていますか?
不衛生なクシを使うことで、頭皮のトラブルを招きかねません。
いつどんな時でも堂々と見せられる清潔なクシを目指して、お手入れは入念に行いましょう。

ぞれぞれに合うお手入れを

ヘアオイルの使用が増えると、クシがべたついて汚れやすくなります。
それにもかかわらず、こまめに洗わず使い続けている人も、実は少なくないようです。
バッグに入れっぱなし、ドレッサーに置きっぱなし、そんなクシのお手入れ怠っているなら、すぐに洗うか買い替えることをおススメします。
ちなみに素材によって洗い方も異なるので、次を参考にしてみて下さいね。

●プラスチックタイプ
 洗面器に水もしくはぬるま湯を張り、長時間つけておきます。
シャンプーや石鹸で汚れを落としてからつけ置きすると、しっかり汚れを落とすことが出来ます。
他にも、重曹をお湯で溶かし、つけ置きする方法もおススメです。

●黄楊櫛(つげぐし)・木製タイプ
 黄楊櫛は、黄楊の木をそのまま削って作られており、お手入れの仕方にも注意が必要です。
木製も同様。次を守って長持ちさせましょう。

◇水に触れないように注意
 黄楊櫛は水を含むと、縮んだりゆがみの原因になります。水洗いはもちろん、洗剤で洗浄することも不向きです。
ちなみに入浴時の使用はもちろん、濡れた髪に使うことも適切ではないのでやめましょう。

◇お手入れの手順

  1. ガーゼやハンカチ、タオルなどで黄楊櫛の汚れを拭き取ります。
  2. 椿油をコットン、もしくは柔らかいタオルにたっぷり含ませます。
  3. ②で黄楊櫛の歯に浸透させるように、丁寧に拭きます。
  4. 全体をくまなく丁寧に拭いたら、30分程度、日が当たらない場所に置きます。
  5. 浮いてきた皮脂汚れを、ブラシやハケで落とします。
  6. コットン、もしくはきれいなタオルで拭き取ったら終了です。

*お手入れが済んで3時間以上あけてから使うと、黄楊櫛に椿油が馴染んで、髪のツヤが期待出来ます。ちなみに椿油は、人間の皮脂に近い純度100%を選んで使うと、皮脂汚れや頭皮の潤い維持に役立ちます。

◇お手入れの頻度
お手入れの頻度は、汚れ具合にもよりますが、プラスチック製ならお風呂に入る時、黄楊櫛の場合は、3週間から1ヶ月に1度を目安に習慣化することが、クシの状態を良く保つ秘訣です。

まとめ

 髪はシャンプーをしても、トリートメントやコンディショナーのすすぎ残し、ヘアケアオイル、スプレー、ワックスの他に、最近では髪の毛用のUVケア製品が充実し、ほこりや皮脂が思いのほか付着しています。そのような状態でクシを清潔に保たず使い続けたら、頭皮のトラブルを招き、髪のダメージにつながるということをしっかり意識し、いつまでも美しい髪を保つために定期的なお手入れを心がけましょう。

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