年齢を重ねるごとに白髪を染めることの不安が増幅。その理由に、頭皮のダメージや抜け毛を感じたり、薄毛が深刻になっていることが考えられます。それでも白髪は老けて見える、一度染めると生え際や伸びたところが気になり、半永久的に続けてしまうもの。ここで大事なのが、健康毛を取り戻す、そして維持することです。そのためにまずすべきことは、白髪のメカニズムとサイクルを把握し、原因と向き合うことです。白髪で薄毛になると、頭皮が透けてますます老け見えの原因になります。少しでも早い段階で適切な対応を取ること、それがカラー剤に強い白髪へとつながります。

黒髪・金髪・赤毛。髪の色の違い

どうして白髪になってしまうの?という疑問の前に髪の毛の色がどうやって決まるか、について見ていきましょう。

メラニン色素と髪の色

髪の毛の色を出す色素はメラニン色素です。髪の毛に含まれるメラニン色素について見ていきましょう。
     
●メラニン色素とは
メラニン色素とは皮膚や髪の毛に含まれる色素のことで、チロシンというアミノ酸から合成されます。メラニン色素は皮膚では表皮に、髪の毛ではキューティクルの内側にある「コルテックス」という層に存在しています。皮膚では表皮に存在するメラノサイトから、髪の毛では頭皮の表皮部分にあるメラノサイトから作られます。メラニン色素の役割は以下の通りです。

皮膚:真皮にある分裂細胞を紫外線から守る
髪の毛:髪の毛の細胞を紫外線から守る

また、メラニン色素には黒褐色系の「ユーメラニン」と黄赤色系の「フェオメラニン」という2つの種類があります。ユーメラニンはアジア系やアフリカ系に多い色素でフェオメラニンはロシア民族(東スラヴ系)やゲルマン系に多い色素です。

●髪の色の種類
髪の毛の色は大きく分けて黒髪、栗毛、金髪、赤毛に分けられます。世界で最も多い髪色は栗毛で、ほとんどの人種で見られる色です。逆に少ないのが赤毛で北欧や人種のるつぼと言われるアメリカで見られる髪の毛の色です。また、金髪は色の濃さによって呼び方が異なり茶髪に近い金髪や白髪に近い金髪など髪色にかなりの幅があります。
ちなみに日本人に多い髪の毛の色は黒髪です。稀に劣性遺伝子が揃うと地毛が栗毛や金髪になることがあります。

髪の色はどのようにして決まるのか

髪の毛の色は上に書いたメラニン色素の種類と量によって決まります。各髪の毛の色のメラニン色素の種類と量は以下の通りです。

・黒髪
メラニンの種類:ユーメラニン
メラニン量:最も多い

・栗毛
メラニンの種類:ユーメラニンとフェオメラニン
メラニン量:多い

・金髪
メラニンの種類:ユーメラニン又はフェオメラニン
メラニン量:少ない

・赤毛
メラニンの種類:フェオメラニン
メラニン量:多い

白髪のメカニズム

白髪とは

白髪とはユーメラニン・フェオメラニンのどちらの色素も髪の毛に存在しない髪の毛です。メラニン色素が髪の毛の中に存在しないと髪自体が紫外線ダメージを受けやすく、痛みやすくなります。
メラニン色素がなくなる原因には「メラノサイト自体があるのにメラニン色素を合成していない(休止型)」場合と「メラノサイト自体がなくなっている(欠損型)」場合があります。

白髪の原因

色素が存在しない髪の毛になる原因には以下の8つがあります。

  1. 遺伝子(アルビノや遺伝的にメラノサイトが維持できない、メラニン色素に関わる遺伝子の発現量が少ないなど)
  2. 栄養不足
  3. 病気
  4. ストレス
  5. 血行不良
  6. 睡眠不足
  7. 加齢で色素が作られなくなる
  8. 髪がダメージを受け色素が流れ出てしまう

若いうちから出る白髪は1~6が主な原因です。年齢が上の方の白髪の原因は4~8の場合がほとんどです。

白髪のパターン

黒髪だったのに髪の毛の途中から急に白髪になった、髪の毛の色が徐々に抜けて白髪になっていっている、といった白髪を見かけたことはありませんか?これもメラニン色素が関わっています。それぞれの仕組みを見ていきましょう。

●成長期途中から突然白髪に
黒髪だったのにある境目から突然白髪になった場合の原因は突然メラニン色素を作りだすメラノサイトが死んでしまったということが考えられます。

●成長途中から徐々に白髪に
髪の毛の色が黒から茶色、茶色から白へと徐々に白髪になっていく髪の毛はメラノサイトが徐々に働きが悪くなっているということが考えられます。

●新しく生まれ変わった毛から白髪に
生えはじめの時にメラノサイトから色素が髪の毛に供給されず、そのまま白髪として這えてしまったということが考えられます。

白髪対策

様々な理由でできる白髪ですが、髪の中に白髪が混じると目立ってしまいます。また、相手に与える印象も老けている・疲れているといったものに。そんな困りものの白髪を解消するにはやはり髪の毛を染めてしまうのが一番です。髪の毛を染めるヘアカラー商品について見ていきましょう。

それぞれの違いは

髪の毛を染める・色をつけるヘアカラー商品にはいくつかの種類があります。各ヘアカラー商品について見ていきましょう。

●白髪染め
白髪染めはヘアカラーの1種です。ただ、黒髪用のヘアカラーと異なり白髪と黒髪の色を合わせるような色作りをしています。この為、同じブラウンの髪色にするヘアカラー商品でも白髪用と黒髪用では染まり方が違い、適切なヘアカラー商品を使っていないと上手く染まりません。
以前染めていたヘアカラーがもったいないから、と白髪染めの代わりに使うのは止めておきましょう。

●ブリーチ
ブリーチは髪の毛の色、つまりメラニン色素の色を脱色する商品で脱色剤とも呼ばれます。髪の毛自身に存在する色素を脱色するので髪の毛が生え変わらない限り脱色された色は戻りません。色を付ける効果はないので白髪を染める、という時には使えない商品です。

●ヘアカラー
ヘアカラーはキューティクルの内側に存在する層のコルテックスを染める商品です。黒髪用のヘアカラーではメラニン色素を脱色した後染料がコルテックス全体を染めます。白髪用のヘアカラーでは脱色はせずに染料で染めます。コルテックス自身を染めるのでブリーチと同じく髪の毛が生え変わるまで染めた色が続きます。ただ、コルテックスを形成するタンパク質が髪の毛のダメージで外に流れ出てしまうと色が落ちたり、黒髪に戻ったりします。
皮膚が弱い方の場合かぶれる場合があるので、使用する前には皮膚のパッチテストを行ってください。

●マニキュア
マニキュア(ヘアマニキュアとも呼ぶ)は一時的に髪の毛を染めるものです。染める部分も内側にあるコルテックス全体ではなく髪の毛表面のキューティクルとコルテックスの表面のみです。染める、というより元の髪の毛の色にマニキュアの色を重ねる、といった感じになります。
ヘアカラーと違い3週間程度で色落ちしますが皮膚にかぶれが出にくいという特徴があります。

ヘアカラーで白髪が増える!?

白髪を染めたり、黒髪をブラウンに染めたりする時に使うヘアカラーですが、きちんとヘアケアができていないにも関わらず利用すると髪の毛や頭皮にダメージを与え、白髪や薄毛の原因になってしまいます。これはヘアカラーの髪の毛の染め方と皮膚への刺激が関係します。

ヘアカラーの髪の毛の染め方は「キューティクルをめくり上げて髪の毛の内部に染料を浸透させる」というものです。この為、染めた後もキューティクルがめくれ上がった状態であり、めくれ上がった隙間から髪の毛の色素や染料が流れ出して白髪を促進してしまう恐れがあります。キューティクルがめくれ上がった状態だと摩擦ダメージを受けやすくなったり、髪の毛内部のタンパク質や色素が流れ出切れ毛や枝毛ができやすくなったり、と髪の毛が痛む原因にもなります。
また、ヘアカラー成分の皮膚への刺激は毛根にあるメラノサイトを弱らせメラニン色素を生成できなくさせてしまう恐れも。

ヘアカラーは白髪を解消する良い方法ですが、白髪を促進させてしまう可能性もあります。ヘアカラーを使う際にはこのことを覚えておき、髪の毛のケアやヘアカラーの使い方に注意をはらいましょう。

健康な髪の状態を維持

白髪を染める場合、新たな白髪を増やさない為にも髪の毛のダメージを減らすお手入れが大切になってきます。髪の毛を健康に保ち、きれいな状態を維持するヘアケア方法や染め方について見ていきましょう。

傷んだ白髪は薄毛の原因に

黒髪の場合紫外線を浴びても髪の毛の内部のタンパク質はメラニン色素が守ってくれる為、髪の毛表面のキューティクルのタンパク質が変性するだけで済みます。しかし、白髪の場合だとメラニン色素がない為表面のキューティクルだけでなく髪内部のタンパク質まで変性してしまいます。
また、髪の毛にメラニン色素がない為頭皮まで本来当たらない量の紫外線が当たってしまいます。頭皮に多量の紫外線が当たると

・頭皮が日焼けをして炎症を起こし、髪の毛を育てにくい状態になる。
・髪の毛を構成する成分の1つであるコラーゲンが破壊される。
・髪の毛を生み出す根幹の毛根が傷つき髪の毛が生えにくくなる。

といった薄毛を促進するような影響が出てしまいます。
白髪が増えると髪が痛みやすくなったり、薄毛になりやすくなったりしてしまいます。髪の毛が傷んだり、薄毛になったりすれば余計に老けた印象や疲れた印象が強くなってしまいます。白髪が多くなって見た目や印書が気になってきた場合は白髪自身を染めて髪色を黒に戻すだけでなく、髪の毛や頭皮のケアも丁寧に行うようにしてください。

頻度を減らす

ヘアカラーは白髪を染める良い方法ですが、上でも説明した通り白髪を増やす・頭皮を痛めメラニン色素を作りにくくさせる・髪の毛を痛みやすくさせるといったデメリットもあります。この為白髪を染める場合でもヘアカラーの頻度は少な目にするのがおすすめです。
具体的な使用頻度は2ヶ月に1回程度、多くても月に1回程度にしておきましょう。プロに頼まず自分で白髪染めを行う場合はより期間をあけることをおすすめします。

ヘアカラートリートメントを取り入れてみる

髪の毛のダメージをできるだけ減らしたい、白髪が増える危険性を少なくしたい、カヘアカラーが皮膚に合わない、という方におすすめしたいのがヘアカラートリートメント(カラートリートメント)です。
ヘアカラートリートメントは半永久染毛料に分類されヘアカラーやほとんどのヘアマニキュアに比べて刺激が少なく髪の毛のダメージが少なくて済みます。白髪を染める場合は白髪に色を付けるということで自然な色に仕上がりやすい、というメリットも。2~3週間程度で色落ちしますが高頻度で使えるということを考えるとヘアカラーよりも使いやすいかもしれません。
※利用する頻度や使い方は各商品の説明を読んでください。
※稀にヘアカラートリートメントと書いていても刺激が強いものもあります。髪の毛に優しいタイプの商品を選んでください。

市販のものと美容室での施術の違い

まず、使っている染毛料が違います。美容院で使用しされている染毛料のほとんどは医薬部外品に分類されている「染毛剤」です。染毛剤は髪の毛を染める力は弱めですが皮膚や髪の毛へのダメージが少なく、プロが染める分きれいに染まります。髪の毛を痛めたくない、長期間髪の色を保ちたい、毎日ヘアカラートリートメントをするのは嫌、という方は美容院で白髪染めを行いましょう。自己流で白髪染めを行った後に美容院で白髪染めを行うと自己流でやった時の色ムラできれいに髪の毛が染まらない場合がありますので注意してください。
自分の肌にあった髪色を選んでくれる、髪の毛の色ムラがなく染まる、というのも美容院の白髪染めならではのメリットです。

健やかな健康毛を目指す

白髪は不健康な生活をしているとできやすくなります。また、不健康な生活は髪の毛を痛める原因にもなってしまいます。髪の毛の健康を守りきれいな髪の毛を保つ方法を見ていきましょう。

生活環境の改善

●良質な睡眠と成長ホルモン
睡眠は新しい細胞が生まれる時間であり、髪の毛の細胞も睡眠中に生み出されます。髪の毛の色を決定するメラニン色素を作る細胞のメラノサイトも睡眠中に活性化しますので白髪を予防しよう、白髪をこれ以上増やさないようにしよう、と思う場合は良質な睡眠はとても大切になってきます。
睡眠中に分泌される成長ホルモンにも白髪改善には効果があります。ホルモン面から見ても白髪改善には良質な睡眠が必要です。

●運動と入浴で血行を促す
メラノサイトが正しく働いていても血行不良で栄養が十分に供給されていなければ白髪を改善できません。運動や入浴を行い血行を改善しましょう。

●栄養バランスと食事の仕方
メラニンの元となるアミノ酸のチロシンや体の中で代謝されてチロシンとなるフェニルアラニンを摂取するのがおすすめです。チロシンが含まれる食材には

・チーズ
・かつおぶし
・高野豆腐
・きなこ
・大豆
・ピーナッツ
・タラコ

などがあります。フェニルアラニンが含まれる食材には

・かつおぶし
・高野豆腐
・大豆
・ゼラチン
・きなこ
・すじこ
・ピーナッツ
・チーズ

などがあります。また、細胞の成長や代謝を促す効果のあるヨウ素も摂取することをおすすめします。ヨウ素が多く含まれる食材は海藻類です。白髪改善の為にこれらの食品を普段の食事に取り入れましょう。

頭皮の状態を整える

●洗い方
頭皮は皮脂が多く分泌される部位ですが1日に何度もシャンプーを行っていると頭皮が乾燥しやすくなり、外からのダメージを受けやすい状態になってしまいます。シャンプーをする場合は多くても1日1度までにしましょう。汗が気になるからシャワーを浴びたい!という場合はお湯のみで髪の毛を洗うようにしてください。
また、頭皮を爪などで強くこするとダメージが出やすくなってしまいます。頭皮を洗う際は指の腹で優しく洗うようにしましょう。

●保護
現在頭皮保護に有用な「頭皮保護オイル」や「頭皮保護クリーム」などが販売されています。使い方は様々で頭皮の乾燥が気になる場合に保湿をする為につける商品や髪を染める時のダメージを軽減する為につけるものもあります。
自分の頭皮の悩みにあった保護オイル・保護クリームを利用し頭皮をいたわりましょう。

まとめ

白髪とはメラニン色素がなくなってしまった髪の毛です。元々メラニン色素が少ない、メラノサイトが弱いといった特性があっても頭皮ケアや栄養補給、良質な睡眠で白髪を防いだり改善したりできます。また、白髪染めを正しく使えば黒い髪を取り戻せます。それぞれの白髪対策を適切な方法で行いましょう。

ライタープロフィール
aestivum

20代後半独身ながら生活を楽しんでいるaestivumです。女性の読者の方が楽しく、自分らしく生活を送る事ができるようなキッカケとなる文章をお届けできるよう頑張ります。国立大学理系卒、現在は大学技術職員をしながら文章書きをしています。