気になりだしたらこまめに染めることばかり考えがちな白髪ですが、白髪染めをする際に感じる髪への負担を考えたことがありますか?パサついたり乾燥を感じるのは白髪のせいだと思い込んでいても実はそのダメージ、白髪を染めるカラーリングの積み重ねが原因になっているんです。また、白髪を目立たなくするためにカラーリングしているのに、逆に目立たせてしまう色選びや白髪染め方法をしていては見た目が美しくありません。白髪を染めることが習慣になっているからこそ見落としがちな白髪染めの成分や、髪に優しいカラーリング方法まで伝授していきます。

白髪染めとファッションカラーの違い

自分の髪に白髪を発見したとき、白髪染めにするのか、今までのようにヘアカラーするのか、洗濯を迷いますよね。ドラッグストアなどのお店に行くと、白髪染めとファッションカラーは別のブランドから販売されていたり、カテゴリーが分かれているような陳列がなされています。
 そもそも「白髪染め」と「普通のヘアカラー」はどう違うのでしょうか?

染料の配合濃度に違いあり

 ヘアカラーは髪の毛に染料を浸透させ、髪色を変化させる仕組みになっています。髪を染めるとき自分の元々の髪色より明るくするカラーの場合は、髪のメラニンをブリーチ剤で脱色するので、黒く染めるカラーや白髪染めに比べブリーチ剤が多く含まれているのが特徴的です。
一方で白髪染めは染料自体の配合濃度が高くなっているのが一般的です。このように、黒い髪を染めるファッションカラーと黒くする目的の白髪染めカラーは、染料の配合や割合に違いがあるのです。

白髪染めを始めるタイミング

 そろそろ白髪染めにした方がいいのかな・・・と、迷っているかもしれませんが、白髪染めを始めるのに何歳から、という定義はありません。
人それぞれ白髪ができる場所や量は違いますし、美容院へ行ったとき元の髪色やなりたいスタイルによってカラー剤の混ぜ方を変えてもらうのと同じで、白髪が気になりだしたら染める、白髪が目立たないようにカラーリングする、など、染め方にもバリエーションがあるので、白髪染めを始めるタイミングも人それぞれで、正解は無いのです。

サロン染めとホームカラー、どう違う?

 白髪染めとファッションカラーに使われている染料に違いがないのなら、自宅で染めても美容院で染めても同じなのでしょうか?サロン染めとホームカラー、それぞれのメリットとデメリットを考えていきましょう。

●ヘアサロン
自分では気が付いていない場所の白髪や今の髪の状態を見て、染めてもらえるのが美容院を使用する醍醐味と言えるでしょう。薬剤、染料の混ぜ方や使用量、どんな風な仕上がりにしたいかを相談しながらオーダーできますが、自分の求めるスタイルを的確に作ってくれるかどうかはサロン・スタイリストさん次第であるといえます。

●ホームカラー
忙しくてなかなかサロンに行けない人は利用する機会も多いホームカラー。価格も手ごろで手軽にトライできますが、市販のものは髪を短時間で染めるために薬剤が強く「白髪を染める」ことが重視されています。ヘアマニキュアのような部分染めのものは持続力が弱く、白髪だけでなく髪全体を染めるカラーは、それだけ髪に負担もかかってしまうのが特徴です。

白髪染めがもたらす髪へのダメージとは


 サロンで髪を染めるとき、トリートメントの併用を勧められることが多いですよね。市販のヘアカラーにも、アフタートリートメントが付属されているものが増えています。
髪のカラーリングが髪にダメージをもたらすのはなぜなのでしょうか?白髪を染めるとなぜ髪に悪いのか、どう悪いのかをここで知っておきましょう。

髪が外的刺激を受けるメカニズム

頭皮の一番表側にあたる表皮は、その内側の真皮を外的刺激から守るバリア機能があります。しかし、日常的に紫外線や摩擦などを受けると真皮にまで届いてしまい、ダメージを直接受けてしまうことに。そうなると髪を色づけたり育てる細胞や、バリア機能である皮脂や水分を酸化させてしまい頭皮を傷つけてしまうのです。

また、真皮にはコラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチンなどの水分保持成分や弾力成分がありますが、これは加齢とともに減少していく成分です。頭皮も肌と同様にハリ不足になると、ダメージを受けやすくもろい皮膚になってしまいます。
このように、ダメージが蓄積されたデリケートな頭皮が強い薬剤である白髪染めの刺激を受けてしまうと、ますます髪や頭皮が弱ってしまうのです。

市販の白髪染めがダメージを与える理由

 白髪染めもファッションカラーも市販品のほとんどが2剤式です。
ヘアカラーの1剤(酸化染料+アルカリ剤)と2剤(酸化剤)を混ぜて髪に塗ることでアルカリ剤が過酸化水素水を分解させ、メラニン色素が脱色し酸化染料で発色する仕組みなのですが、この薬剤と染料が髪や頭皮にとってダメージになるのです。

●アルカリ剤
酸化染料を奥まで届けるためにはキューティクルを開く必要があり、その役割をするのがアルカリ剤です。しかし、キューティクルが開かれている状態はちょっとした摩擦や刺激にもろいので、髪や頭皮がダメージを受けやすい状態に。また、髪を染める際に感じる独特の「ツン」としたこのアルカリ剤の臭いは、神経毒性といって神経や脳を麻痺させてしまう働きもあるのです。

●酸化染料
酸化染料を髪に浸透させるためには、合成界面活性剤が必要です。合成界面活性剤は表皮の表面に位置する角質層に入り込み、水分を蒸発させ、バリア機能である皮脂膜を破壊してしまいます。また、アレルギーを発症したり発がん性があると認められており、ヨーロッパなどでは使用禁止となっています。

●過酸化水素
酸化染料を酸化させることで発色させるのが過酸化水素です。漂白剤にも使われている成分で、メラニン色素を分解して色を抜くのですが、使い続けるとメラノサイトやメラニン色素を生成するのに必要な酵素チロシナーゼを破壊してしまうことが近年の研究で明らかになっています。色素細胞を壊してしまうと髪を黒くすることができなくなる、つまり、過酸化水素を取り込むことが白髪の原因を作ってしまっているのです。

ホームカラーをし続けるリスク

 簡単に手軽に使い続けられるのがホームカラーの魅力です。しかし、使用し続けているからこそ思わぬ落とし穴があるのです。

●知識不足
市販のヘアカラーは1ブランドにつき10種類程度ですが、なんとなく色やパッケージの雰囲気で選んでいませんか?人の髪質や頭皮の状態はさまざまです。自分の髪質や頭皮を理解しないまま薬剤の配分や染料の知識もなくカラーをしてしまうと、それだけダメージリスクも高いのです。

●説明書通り行っていない
パッチテスト、塗り方、塗布時間などが詳しく書かれている説明書ですが、何回も自分でカラーリングすることに慣れていくと説明書を読まずに行ってしまったり、パッチテストは一度行ったから二回目以降はしない、塗布時間もきちんと計っていない・・・なんてことはありませんか?説明書は、髪や頭皮にとって最もダメージの少ない使用方法が的確に書かれています。肌質は日々変化しますし、パッチテストは毎回必ず行い、隅々説明書きを読んでから正しくカラーリングしましょう。

一度染めたら繰り返さないといけないのが白髪染め

 美しいカラーリングで茶髪を維持するために美容院へ行き続けるのと同じように、白髪が目立たないよう均一な髪色を目指すなら白髪染めも継続して行わなければなりません。

できてしまった白髪は治らない!?

髪色はメラノサイトと呼ばれる色素細胞によって決まります。しかし、食生活やホルモンバランスの乱れ、血行不良、紫外線ダメージなどでメラニンの生成がされないと、色付けする機能を失ってしまい、色素が入っていない白髪が生えてくるのです。学術的には「一度壊れてしまった細胞は二度と復活しない」といわれていますが、メラノサイトが一時的に作られなかった場合など、原因次第では黒い髪が生え変わる場合もあります。

だんだん白髪が目立ってくる理由

 カラーリングをし続けていると、白髪が目立つのが早くなったなと感じた経験はありませんか?伸びてきた白髪が目立ってくるのは元の髪色に理由があります。
 元々もつ髪の毛の色は全部が全く同じ色ではありません。髪の太さやくせが一本一本違うため、メラニン色素が同じように髪に入っても発色する色味が違ってくるからです。自然に茶色っぽかったり黒っぽかったりする髪の毛と白髪が混ざれば目立ちにくいのですが、白髪染めをすると白髪でない部分も強力に染めてしまうため、髪色を濃く均一にしてしまいます。そうすると伸びてきた白髪との境目がはっきりしてしまうので、カラーリングする前より目立ってしまうのです。

白髪を目立たせないカラーリング

黒やダークカラーは白髪との境目が目立ってしまうので、明度が高いカラーがおすすめです。髪色を茶色や明るくするのが苦手なら、アッシュやグリーン系といったくすみのあるカラーにすると落ち着いた印象になるでしょう。
また、均一なトーンではなく、細かくハイライトを入れるのもおすすめです。髪色に動きが出るので白髪が目立ちにくくなります。

白髪染めによるダメージを防ぐには

 白髪があると老けた印象を与えたり、鏡を見るのが嫌になったりしますよね。ですが、カラーリング後にダメージが残って、ツヤや潤いが失われてしまっては美髪とはいえません。
 若々しさを保つために、髪に良いカラーリング方法はあるのでしょうか?

美容院で染めてもダメージは残る

 自宅で市販のカラーリングをするよりサロン染めの方が髪に優しいイメージがありますが、サロンでも同じように薬剤を使用し、2剤式のカラーを作っているので髪や頭皮には当然ダメージを与えてしまいます。
 ですが、自分でするのとは違い、鏡で見にくい場所も的確に細かくカラー剤を塗ってもらえるのがプロの美容師の技量なので、頭皮にうっかりついてしまったり染めずに済むところに塗ってしまうなど、セルフカラーにありがちなリスクは防げるでしょう。

髪や頭皮に優しいカラーリング方法とは

 白髪を染めたりカラーをするにはダメージはつきものと考えた方がよさそうですが、髪や頭皮を守ってくれるカラー方法も存在します。
 白髪よりも髪の傷みが気になるようなら完全に染めずに目立たなくする方法を実践してみてください。

●トリートメントカラー
刺激の少ない染料を使用しており、メラニン色素を破壊せず髪の表面や内部を色づけるのがトリートメントタイプのカラーです。染まりにくいのが特徴ですが2~3回の使用で自然に染まり、1週間に1~3回の使用で色が保てます。

●ヘアマニキュア
ヘアマニキュアはトリートメントカラーに比べ髪への密着度が高く落ちにくいのですが、誤って頭皮へ塗付してしまうとダメージを引き起こしてしまいます。

●ヘナ
植物性の色素で髪に優しいヘナですが、まれにアレルギー反応を起こすことがありますのでパッチテストは必ず行ってください。トリートメント効果があり、色もちもすると話題ですが、塗って洗い流すまで時間がかかります。また、市販品は合成物質を含んでいるものもありますので成分をよく見て使用しましょう。

まとめ

 白髪染めもファッションカラーも、髪を染めるということは多少のダメージをともないます。若さや清潔感のある印象を与えたいなら、ただ白髪を染めるだけでなく色やカラー剤の成分にも注目し、自分がなりたいイメージに近づけるカラー方法を見つけましょう。

ライタープロフィール
加恵

10年のアパレル勤務を経て美容ライターに。年齢や体の変化と上手に付き合えるヘルシーな美容法を発信していきます。コスメを手作りすること、香りコスメを集めることが大好き。日常に取り入れやすいシンプルケアにトレンドを取り入れながら日々、美を追求し続けています。