30代を超えたあたりから、気になる人が増えるのが肌のタルミです。顔だけでなく、二の腕やお腹、おしりもたるんできます。最近は20代でもタルミを気にする人が増えてきました。その特徴は、気軽に食べられる菓子パンなどの加工食品、そして姿勢を悪くする原因となるデスクワークが増えたことにもよると考えられます。今回は改善しやすい食事と姿勢にスポットをあててご紹介します。

肌のタルミの原因は?

タルミの改善のためには、まずは原因から知っておきましょう。肌のタルミは加齢減少の一つだと思う方が多いですが、それは原因の一部分に過ぎません。予防できることもありますので、詳しくみていきましょう。

肌の弾力の低下

皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3つの層にわかれていますが、この中で肌のハリや弾力に関わるのが真皮です。真皮には線維芽細胞(せんいがさいぼう)があり、肌のハリや弾力をつくるために大切な成分である、コラーゲン繊維、エラスチン繊維、ヒアルロン酸を作り出します。これらが減ることで肌の弾力が低下し、重力に負けてたるんでしまいます。線維芽細胞の働きを低下させる原因はいくつかあります。

紫外線

紫外線はシミやシワの原因になることはよく知られていますが、タルミの原因にもなります。紫外線の中でも特にUVAは真皮層にまで届き、線維芽細胞にダメージを与え、ハリや弾力を作るコラーゲンなどの生成量が減ってしまいます。

加齢

赤ちゃんとお年寄りの肌を比べるとわかりますが、年をとると肌がカサカサして弾力がないように感じられます。それは、加齢とともに真皮層にあるコラーゲン繊維やエラスチン繊維、ヒアルロン酸が減っていくからです。ヒアルロン酸は40代で赤ちゃんの半分くらいになるといわれています。

乾燥

角質層は表皮の一番外側にありますが、この部分にある天然保湿因子(NMF)と細胞間脂質が肌のうるおいを保っています。この部分が減少して肌が乾燥した状態になると、真皮層の水分も十分に保つことができなくなり、線維芽細胞の働きも阻害してしまいます。

生活習慣

全身を流れる血管によって栄養や酸素が運ばれます。線維芽細胞がコラーゲン繊維やエラスチン繊維、ヒアルロン酸を生成するには、これらの栄養や酸素が不可欠です。食事バランスが悪いと、線維芽細胞の働きに必要な栄養がとれません。また、冷えや運動不足による血行不良も栄養などが行き届かない原因になります。さらに、睡眠も肌にとって大切です。人は寝ているときに傷ついた細胞を回復させたり、老化の原因となる活性酸素を除去する働きをするといわれています。食事、運動、睡眠の生活習慣が乱れることでタルミが起こりやすい肌になるのです。

筋肉の衰え

30代をピークにして、使わない筋肉から衰えていくといわれています。顔でいえば「表情筋」が思いつくでしょう。表情筋は皮膚のすぐ下にあるため、衰えると表面に影響のでやすい筋肉です。もう一つ、「深層筋」という筋肉があります。これは骨についている筋肉ですが、肌に血液を流すポンプのような役割をします。どちらの筋肉も使わないと衰え、顔のタルミを引き起こします。また、体も同様で、内ももや二の腕、おしりの筋肉を普段から使っている人は少ないでしょう。こうしたところからタルミが起こりやすくなります。次の項でも関係しますが、姿勢が悪いと腹筋・背筋もあまり使わなくなるので、おなかもたるみやすくなります。

姿勢

デスクワークのとき、自分がどのような姿勢をしているかわかりますか?意識していない人なら、猫背で顔をつきだすような姿勢になっているでしょう。このような格好を続けると、頬が背中の筋肉と連動して下方向へ引っ張られてたるんでいきます。また、顔だけでなく、おなかや胸もたれておしりまで下へと下がっていきます。20代でも姿勢が悪いと老けて見えます。逆にいえば、90歳を超えていても、姿勢のよい人は若々しく見えるのです。

糖質の多い食事がタルミを悪化させる!

「糖化」という言葉をきいたことがあるでしょうか?これは、糖とたんぱく質がなんらかの原因で結び付き、肌の老化をもたらす現象です。「糖化」を予防するのはタルミ対策のポイントになります。詳しくみていきましょう。

肌の「糖化」とは

炊飯器に残ったごはんを放置しておくと黄ばんで硬くなりますね。これが「糖化」という現象です。ごはんやパンといった炭水化物は、私たちが生きていくために必要な栄養素です。体の中で炭水化物を糖に分解し、それをエネルギーにかえて生きているのです。しかし、炭水化物を取り過ぎてしまうと、糖化作用が過剰に働くという現象が起きます。

肌が「糖化」すると?

たんぱく質と糖が結合すると、異常たんぱく質といわれるAGEsが生成されます。これは、正常なたんぱく質の働きをもたないものなのです。通常ならば、コラーゲンやエラスチンなど肌の弾力のもととなるたんぱく質は新陳代謝の機能によって、古いものから新しいものへと常に入れ替わっています。しかし、異常たんぱく質が作られてしまうと、この代謝機能が滞ってしまい、肌の弾力が失われてタルミを進行させてしまうのです。

「糖化」しない食べ方

糖化を防ぐポイントは血糖値にあります。血糖値を急激にあげないことがポイントとなってきます。

血糖値を急激にあげない食品

血糖値の上げやすさを表すGI値という指標があります。0から100までの数値で表されていて、数字が大きいほど血糖値があがりやすくなります。血糖値の急激な上昇をおさえるためには、低GI値の食品を選べばよいことを覚えておきましょう。

GI値の高い食品で注意したいのは、菓子パン、チョコレートやキャンディなどの甘いお菓子です。空腹時につい食べてしまいたくなるものですが、控えた方がよいでしょう。また、主食になる白米、うどん、食パン、パスタもGI値の高い食品ですが、雑穀、玄米、そばなどはGI値が低めです。小麦粉でも、薄力粉よりも強力粉、強力粉よりも全粒粉の方が低いです。すべてを低GI値の材料にかえなくても、混ぜることでも効果があります。

また、ごはんと一緒に味噌汁、酢の物、納豆など、たんぱく質や食物繊維の多い食品を組み合わせることで、血糖値の上昇をおさえることができます。

血糖値を急激にあげない食べ方

これは、食べる順番を工夫することで防げます。糖質の吸収がゆるやかな食品から食べることで、血糖値の急激な上昇を防ぎましょう。具体的には、野菜などの食物繊維から食べ始めて、次に魚や肉などのたんぱく質、最後にごはんやパンなどの炭水化物を食べます。こう考えると、レストランなどで食べるコース料理の出てくる順番は理にかなっているようですね。

他にも、食前に牛乳やスープを飲むのも効果的です。コーヒーなどのカフェイン類は血糖値を上げやすくなるので、最後に飲みましょう。また、空腹時に糖分の高いものを食べると、血糖値が一気にあがってしまいます。甘い物、高カロリーのものを食べたくなりますが、ここは少し我慢して、果物などでおなかを落ち着かせるのが理想的ですね。

糖化した食品は控える

糖化は、たんぱく質やアミノ酸を糖に混ぜて加熱することでも作られます。そのようにしてできたAGEsは、いくらか体内にも吸収されるといわれています。具体的な食品は、揚げたり焼いたりしたお菓子。ドーナツやケーキなどですね。家庭で作るものはそれほど気にする必要はないといわれています。控えたいのは、市販の加工食品です。たんぱく質として脱脂粉乳が多く使われていたり、高GI値の代表でもある白砂糖が多く含まれています。成分表示をみて、高たんぱく、高糖質、加熱の3つの条件があてはまったら控えた方がよさそうです。

抗糖化作用のある食品とは?

食品の中には、糖化を抑制する働きのあるものもあります。このような食品を積極的に取り入れることで、肌のタルミを予防しましょう。

<糖の代謝を促進する食べ物>
ビタミンB群がこれにあたります。中でもビタミンB1 は、糖の代謝を促進する栄養素です。糖は体の中でエネルギーとして燃焼されるのですが、ビタミンB1はその燃焼を補助する役割をします。ビタミンB1が不足すると、糖の燃焼効率が下がり、疲労がたまったり、むくみやすくなるといった症状がでてきます。

ビタミンB1を多く含む食品で代表的なのは、豚肉です。脂質の少ないヒレ肉やもも肉がおすすめです。

<糖の吸収を抑える食べ物>
食物繊維がこれにあたります。中でも、水溶性食物繊維(難消化性デキストリン)はAGEsと一緒に体外へ排出してくれます。食物繊維はもともと消化されない栄養素で、体内の余分なものを一緒に巻き込んでカサを増し、便として排泄してくれる働きがあるので、便秘解消によいといわれているゆえんです。

食物繊維を多く含む食品は、海藻類、キノコ類、納豆、山芋などネバネバしたものです。ごはんとの相性もよいので、積極的にとりたい食品です。

<糖化を防ぐ食べ物>
一度AGEsが作られてしまうと、なかなか体内から排出されないといわれています。そこで、AGEsを作られないようにする栄養素があります。その栄養素とは、緑茶に含まれるカテキンです。アンチエイジング食品として有名なカテキンですが、市販のペットボトルの緑茶よりも自分で入れたものの方がおすすめです。理由は、市販のものは酸化防止剤が入っていることが多く、これが老化を促進してしまう可能性があるからです。

他にも、ショウガ、カモミール、ドクダミ、ブドウ葉などがあげられます。飲み物として毎日の生活に取り入れたいですね。

タルミを見せない美しい姿勢のコツ

姿勢によって見た目の印象がずいぶんと違ってきます。正しい姿勢を継続することで、体に必要な筋肉がつき、余分な脂肪が落ちて、全身のタルミも改善します。ここでは、正しい姿勢を作るための簡単なコツをお伝えします。

体の中心を意識する

正しい姿勢というと「背筋を伸ばそう」という気持ちが働きますね。間違ってはいないのですが、文字通りに受け取ると背中がそり過ぎてしまいます。というのも、背骨は体の外側にあり、背中にしか意識がいかないからです。

体の中心を想像してみてください。足の真ん中から内臓の真ん中、首を通って頭頂部の真ん中です。その一本の線をまっすぐに保つだけできれいな姿勢が作れます。力を入れる必要もありません。

胸と背中を広げる

長時間のデスクワークだけでなく、掃除や料理、洗濯などの家事、日常の動作は前かがみで行うことが多いことがわかります。猫背になると余分な肉が背中につきますし、胸が狭くなるので呼吸も浅くなり、肩も前にでて血行が悪くなります。何といっても、猫背は老けてみられます。無駄のないきれいな背中を作る方法は簡単です。

意識するのは、胸と背中の両方の面積を広くする気持ちです。胸だけだと背中が縮こまって格好悪いですし、背中だけだと猫背です。胸と背中の面積を広くすると、自然と肩の位置もおさまります。

骨盤の上に体をのせる

座っているときに背中が丸くなっている人が多いですね。美しい姿勢は背骨の自然なS字カーブがあることです。ただ、このS字カーブを作ろうとすると、そりすぎておなかがでてしまう場合があります。これでは、タルミが改善しないどころか、腰痛にもなります。

自然で美しい座り方は、骨盤を意識します。背中をそると、骨盤は前に傾いています。逆にまるめると、骨盤はうしろに傾きます。この傾きを意識して、骨盤がまっすぐになるところを感じましょう。そして、骨盤の上にまっすぐに体をのせると、自然な姿勢になります。正座すると骨盤がまっすぐになりやすいですよ。

まとめ

今回はタルミの原因とともに、食事と姿勢に注目したタルミ改善法をお伝えしました。食事も姿勢もちょっとした心がけで改善できることがわかりましたか?頑張りすぎると長続きしません。思いついたときに姿勢を正し、ゆるく継続していくのがタルミ改善のコツですよ。

ライタープロフィール
山川 ハナエ

主婦兼フリーライター/元看護師/三児の母。独身時代は給料の大半をエステと趣味のバレエに費やす美容オタク。働く女性と育児奮闘中の母の気持ちがよくわかる。趣味は読書、英語学習、舞台鑑賞。年を重ねても内面が輝く美しい女性に憧れている。