毎日忙しく過ごしているとなかなか気づきにくいですが、写真に写った自分の顔をみて「老けたな」と思うことはありませんか?老けた印象に見られる要因の一つに顔のタルミがあげられます。同じ年でも若くみえる人と老けてみえる人がいるように、手入れをするのとしないのとでは大きく変わってきます。今回は部位別のタルミ解消法をご紹介します。ぜひ日々のケアに取り入れてくださいね。

顔のタルミの原因

タルミが起こる原因は体のどの部分でも同じです。まずはタルミの原因をおさらいしましょう。

肌の弾力の低下

皮膚は大きくわけて表皮と真皮にわけられますが、肌のハリや弾力を保つ役割をしているのは真皮にあるコラーゲン繊維、エラスチン繊維、ヒアルロン酸という成分です。網目状に張り巡らされているコラーゲン繊維をエラスチン繊維がつなぎとめ、網の中にはヒアルロン酸などでできたゼリー状の物質で満たされています。そして、これらの成分は同じく真皮にある線維芽細胞(せんいがさいぼう)が作っています。しかし、加齢や紫外線による肌の老化によって細胞の働きは衰えていきます。その結果、弾力を失った肌は重力に抵抗する力が弱くなり、タルミとなって現れます。

筋肉の衰え

筋肉は顔に限らず、使わないと衰えます。顔の筋肉で代表的なのが表情筋ですが、これは皮膚に近いところにあるため、衰えると皮膚をひっぱってタルミとして現れやすい筋肉です。一方、深層筋という筋肉が顔の骨についていますが、この筋肉を動かすことで血管を動かし、細胞に栄養や酸素を運びます。このため、筋肉の衰えで血行が悪くなると、先にあげた線維芽細胞の働きも衰えてしまいます。

脂肪やむくみ

タルミは皮膚が重力に引っ張られることで起こりますが、脂肪やむくみがたまることで肌の重量が増え、より下方向へ引っ張られやすくなります。顔は、体のように普段から運動するということができないため、脂肪がつきやすくなります。加齢によって代謝がさがることで脂肪がつきやすくもなります。また、デスクワークなどで血行不良にもなりやすく、老廃物もたまりやすい部分です。そのため、むくみもあらわれやすいでしょう。脂肪やむくみがたまった状態でほおっておくと、重力に負けた皮膚が伸びきって、さらにたるみやすい肌になります。

姿勢や生活習慣

長時間のデスクワークやスマホもそうですが、日常の家事などの動作は下を向いてすることが多いのです。普段気を付けている人以外は、猫背になりやすい生活を送っているといえるでしょう。猫背であごをあげた姿勢は、顔の皮膚をひっぱり、タルミを起こりやすくします。また、肌の機能を正常に保ち、ハリと弾力のある肌をつくるには、規則正しい生活習慣が欠かせません。線維芽細胞を活性化させるには栄養が必要ですし、栄養を運ぶには運動して血行をよくしておかなければいけません。肌のダメージを回復させるには質のよい睡眠が大切です。体の健康があってこそタルミの改善につながるのです。

部位別タルミ改善エクササイズ

それでは、具体的なタルミ改善法をご紹介します。気になる部分の表情筋エクササイズを行いましょう。タルミの原因を取り除くことと同時に行うことで、見た目の変化を感じることができるでしょう。

目の下のタルミ

目のまわりの皮膚は薄く、たるみやすい部分です。パソコンやスマホ作業など目の酷使による血行不良が主な原因です。また、皮膚が弱いため、強い刺激や紫外線によってダメージを受けやすい部分です。目の下のタルミが改善すると、ぐっと若返った印象をもたれます。下にあげるエクササイズは目の疲れも解消しますので、積極的に行いましょう。

<目の下エクササイズ1>
・目は上を向き、鼻の下は下に向かって伸ばします。
・その状態で下まぶただけを持ち上げます。目を閉じるつもりで。
・これを何度か繰り返しましょう。

<目の下エクササイズ2>
・両目を力いっぱい閉じて5秒数えます。
・その後、目を大きくパッと開いて5秒数えます。
・これを何度か繰り返します。

まぶた(目の上)のタルミ

まぶたが垂れると、人相が悪くなったり、疲れてみえます。むくみやすい部分でもあります。原因は目の下とほとんど同じですが、使う筋肉が異なります。脂肪が原因だと思う人もいますが、目の上の脂肪は年とともに減ってくぼんでいくのが特徴です。まぶたの皮膚が伸び切っている場合は筋肉を鍛えても効果がないので、専門家に相談しなければいけません。ひどくなるまえに対処するのがコツです。

<まぶたエクササイズ1>
・まぶたを閉じたままで眉だけゆっくり引き上げます。
・おでこにシワがよるくらいあげて5秒キープします。
・ゆっくりと元に戻します。
・これを数回繰り返しましょう。

<まぶたエクササイズ2>
・眉をあげて目をしっかり開いて5秒キープします。
・眉をあげたまま目を閉じて5秒キープします。
・これを数回繰り返しましょう。

<まぶたエクササイズ3>
・両目をしっかりと開けます。
・片方ずつしっかりと目を閉じます。
・これを数回繰り返しましょう。

頬のタルミ

頬がたるむと、ほうれい線ができます。これはタルミによってできる影なので、頬の筋肉を鍛えることでいくらか改善します。頬のタルミは放置すると皮膚が伸びて改善しにくくなります。早めに対処しましょう。

<頬のエクササイズ1>
・口を大きく開けます。
・その状態で頬を持ち上げるように笑顔を作ります。
・そのまま5秒キープしましょう。

<頬のエクササイズ2>
・口を閉じて片側の口角を引き上げます。
・あげた方の目を閉じて、目と口角をくっつけるように意識します。
・そのまま5秒キープします。

口元のタルミ

口元がたるむと、への字になって笑顔を作っても怒っているように見られたりします。きれいな笑顔の方が印象がよいですね。口のまわりの筋肉を鍛えることで血行が促進し、新陳代謝を促すことができます。その結果、ほうれい線も改善する効果があります。二重あごや口元のゆがみにも効果があります。

<口元エクササイズ1>
・口を閉じて、舌の先を歯茎の表にそってゆっくりとぐるりと20回まわします。
・逆方向も20回まわします。

<口元エクササイズ2>
・大きな口を開けてはっきりと「あ」の口をして10秒キープします。
・「い」「う」「え」「お」と繰り返します。
・これを5セット繰り返します。

あごのタルミ

二重あごは顔の骨格にもよりますが、普段の姿勢や脂肪がつくことで起こりやすくなります。下を向く習慣が多い家庭での生活では、二重あごになりやすいです。あごまわりの筋肉は意識しないとなかなか鍛えられない部分ですが、逆にいえば、鍛えれば目に見えて改善します。積極的にエクササイズを行いましょう。

<あごエクササイズ1>
・天井をみるように上を向きます。
・そのままの状態で「あ、い、う、え、お」と大きな口をあけます。

<あごエクササイズ2>
・天井をみるように上を向きます。
・舌を出して、舌で鼻を触る気持ちで伸ばします。

首のタルミ

首は顔よりも目立たないためにケアを怠りやすい部分です。しかし、顔と同様に日焼けしますし、乾燥もします。また、姿勢の影響もあらわれやすい部分です。首がたるむと、いくら顔が若くても老けてみられます。また、シワが目立つようにもなります。普段の保湿ケアを行うと同時に、首の筋肉を動かすエクササイズをしましょう。あごのエクササイズを行っていれば、首にも効果があります。さらに、ここに紹介する首の筋肉を鍛える運動を取り入れましょう。

<首エクササイズ>
・枕をつかわずにあおむけで寝転びます。
・5秒かけて首をゆっくり持ち上げます。
・持ち上げたらそのまま5秒キープします。
・ゆっくりと元に戻します。

タルミ改善は保湿が肝心

部位別のエクササイズをご紹介しましたが、さらに効果をあげるために保湿ケアについてご説明したいと思います。ケアしているつもりでも間違った方法で行えば効果がないどころか、タルミ悪化につながりますよ。

乾燥がタルミを悪化させる

タルミの原因の一つに、肌の老化があることはお伝えしました。その老化を起こしやすくするのが、肌の乾燥です。肌の表面には表皮がありますが、さらにその一番外側には角質層があります。肌のうるおいを保っているのが、この部分にある天然保湿因子(NMF)と細胞間脂質です。この部分が減少して肌が乾燥した状態になると、真皮層の水分も十分に保つことができなくなり、線維芽細胞の働きも阻害してしまいます。その結果、肌のハリや弾力を保つコラーゲンなどの成分が減ってしまい、タルミがおこりやすい肌になるのです。

乾燥の原因を知りましょう

肌が乾燥する環境といえば、エアコンを思い浮かべるでしょう。空気が乾燥することで肌の水分も失われてしまうのは想像の通りです。他にも、紫外線や髪を乾かすときのドライヤーの熱、自然の風でも乾燥します。また、忘れてはいけないのが、洗顔後。洗顔は顔についた汚れや化粧品などを落とし、肌を清潔な状態に保つために大切なことですが、そのときに肌に必要な皮脂も落としています。皮脂は肌の一番外側で皮脂膜となって、乾燥やダメージから肌を守るものです。ということは、洗顔後に長時間何もつけずに放置しておくのは危険なことがわかりますね。入浴後は何よりも先に保湿することが大切なのです。

保湿重視のスキンケアとは

タルミ予防には、何よりも保湿が大切だということがおわかりいただけたでしょうか。脂性だからといって洗浄力の強い洗顔料でゴシゴシと洗っている方もいますが、30代以降はほとんどの方が乾燥対策が必要です。加齢とともに肌の水分量が減っていくのは自然の流れです。顔が脂っぽく感じるのは、実は皮脂を落としすぎて肌の防御反応が働き、より多くの皮脂を出して肌を守ろうとしていることが多いのです。

肌の保湿を一番に考えるなら、保湿成分の入った化粧品をそろえましょう。保湿成分で代表的なのが、セラミド、ヒアルロン酸、トレハロース、尿酸、グリセリンなどがあげられます。また、水分だけではすぐに蒸発してしまうので、乳液やクリームなど油分の含んだもので蓋をするのが大切です。水分をたくさん入れて蓋をする、というのが保湿の基本です。

やってはいけないスキンケア

最後に、タルミを悪化させるかもしれないやりがちなケアについてお伝えします。

「タルミが気になるのでマッサージに力を入れて肌を持ち上げる」
マッサージは血行促進にはよいのですが、力を入れすぎると肌を傷つけてしまいます。また、強い力で皮膚をひっぱると弾力繊維が劣化して伸び切ってしまい、タルミが悪化します。こうなると筋肉の力では持ち上げられなくなるので、美容外科などの専門家を頼るしかなくなります。

「化粧水はしっかりパッティングをして肌に入れ込む」
パッティングが悪いわけではないですが、手の平でパチパチして皮膚が赤くなるほどだったり、化粧水をたっぷり含んで重くなったコットンでパタパタすると、肌に負担がかかります。また、肌への過度の刺激はダメージの原因になります。化粧水を効果的に肌に浸み込ませるなら、手のひら全体で肌を包むようにぐっと入れこむイメージです。コットンでも同様にやさしく押さえこむように化粧水を入れ込みましょう。

「シワを作らないように表情は大げさに動かさないようにする」
たしかに表情豊かな人はシワが多いような気がしますが、無表情であってもシワができないわけではありません。また、表情豊かな方が魅力的に見えますし、若々しくみられます。タルミの面では、表情を動かした方が効果的です。

まとめ

気になるタルミの改善法をお伝えしました。顔の筋肉を動かすことは全身運動よりも手軽にできます。タルミだけでなく、目の疲れ予防や血行改善で肌ツヤがよくなるなど、エクササイズのよい効果が得られます。人から「若いね!」と言われるように、少し努力してみてはいかがでしょうか。

ライタープロフィール
山川 ハナエ

主婦兼フリーライター/元看護師/三児の母。独身時代は給料の大半をエステと趣味のバレエに費やす美容オタク。働く女性と育児奮闘中の母の気持ちがよくわかる。趣味は読書、英語学習、舞台鑑賞。年を重ねても内面が輝く美しい女性に憧れている。