保湿と聞くと乾燥肌を潤すもの、と捉えがちですが、「保湿を制する者は美肌を制する」といわれるぐらい、毎日のお手入れで保湿力をアップさせることは肌にとって大事なのです。

なぜなら、肌を保湿すれば乾燥が防げるだけでなく、老け見えの根源であるたるみやしわ、毛穴トラブルを解消できるから。加速していく年齢肌に打ち勝つエイジングケアにも、保湿は欠かせないのです。

私たちが過ごす日常生活において「乾き」という大敵は、あらゆる環境に潜んでいます。肌質に関係なくマスターしておきたい乾燥対策や保湿方法を知っておきましょう。

肌がまねく乾燥習慣に注意

 肌に「乾き」を感じていなくても私たちが過ごす日常生活には乾燥をまねく要因がたくさん溢れているのです。

紫外線

 紫外線は日焼けをするだけがトラブル要因ではありません。肌が紫外線を浴びると、肌内部のバリア機能が低下して水分が蒸散しやすくなり、潤いを逃してしまいます。また、肌表面は紫外線から肌を守ろうとする力が働くことで乾燥し、角質が肌に残る「角質肥厚」の状態になってしまいます。

 汗をかくと潤いを必要とする肌の角層を刺激し、かゆみや炎症を起こすこともあります。また、汗が肌表面に残ることで、バリア機能として必要な皮脂と汗が混ざってしまうため、肌を守る力が低下し、肌荒れや乾燥を引き起こしてしまうのです。

栄養不足

 肌にとって必要な栄養素が食事で摂れなくなると、いくらスキンケアで保湿をがんばっても肌は乾燥します。

 特に糖質・炭水化物ばかりのパン・パスタ・丼やお菓子が好きな人や、好き嫌いが多い・ダイエット中などで食生活が偏りやすい人は要注意です。
 

睡眠不足

 睡眠は肌の再生力をアップさせるのに必要な時間です。睡眠不足が続くと肌代謝が下がり、ターンオーバーが乱れやすくなってしまうため、肌にとって不要な角質が肌に残り、乾燥を促進させてしまうのです。

室内環境

 肌を乾燥させるのは屋外だけではありません。オフィスやデパート、スーパー、電車や車、自宅などにおいて、健康肌にとって理想とされる湿度40%に保たれている環境はほとんどありません。冷暖房やドライ機能は「乾燥をまねく環境」であると捉え、予防することが大切です。

大人の肌が乾燥してしまう理由

 若い頃はニキビに悩むことが多く、乾燥を感じなかったのに、いつのまにか潤いが低下してカサついてしまうのが大人の肌です。20歳前後の頃と同じスキンケアを行っていて「老け」が進行してしまう理由も、大人肌が乾燥しやすいことにありました。

ターンオーバーの乱れ

 肌は細胞の生まれ代わりを繰り返しています。新しい細胞が肌内部の奥にある基底層で生まれ、徐々に変化しながら表面に近い角質層に向かって押し上げられていきます。そして、角質となった不要な垢として剥がれ落ちるまでの新陳代謝のことを「ターンオーバー」と呼びます。

 ターンオーバーの周期は個人差もありますが20代で28日といわれており、加齢とともにだんだん遅くなります。30代、40代くらいになると40日以上かかることもあり、「ターンオーバーの乱れ」がさまざまな肌の老化を引き起こすのです。

水分の浸透力が落ちる

 年齢が上がり肌のターンオーバーが乱れてしまうと、自然に剥がれ落ちるはずの角質が取り除かれずに肌に残ります。角質が重なり厚くなることで肌表面は角質肥厚の状態に。
角質が残ってしまった肌は水分を浸透させる機能が阻害され、化粧水を肌に入れようとしても浸透しにくくなり乾燥してしまうのです。

肌がもつ潤い力の低下

 加齢によるターンオーバーの乱れによって角質が肌に残ると必要な潤いが保てません。また、水分が足りずバリア機能が低下してしまうため、紫外線や花粉などの外的刺激を受けやすく、肌内部まで潤い不足になってしまいます。

潤い不足だけじゃない大人の乾燥ダメージ

 肌がカサつくことだけが「潤い不足」だと思っていませんか?保湿力を必要としているのは乾燥肌だけではありません。保湿が足りずに乾燥してしまうと、老け見えをまねく肌ダメージを引き起こしてしまうのです。

しわ

 目元やちりめんじわと呼ばれる細かい小じわは、乾燥が大きな原因です。紫外線を浴びたり加齢に伴い保湿力が低下することで、皮脂量と水分量のバランスが保てなくなり小じわができやすくなります。

たるみ

 スキンケアで補えきれない肌内部の乾燥が起こってしまうと肌のハリを保つための水分や潤いが不足し、皮膚をたるませてしまいます。

毛穴の開き

 肌が乾くと毛穴がしぼみ、影となって目立ちやすくなります。これは角層の水分不足による「乾燥毛穴」と呼ばれるダメージです。また、乾燥による肌のたるみは毛穴も下に引っ張られるため、毛穴が開く「たるみ毛穴」を引き起こしてしまいます。

肌の老化をストップさせる乾燥対策

紫外線対策

 バリア機能低下の大きな原因でもある紫外線は、乾燥をはじめとする肌老化の大敵です。日中は季節や天候にかかわらずUV対策としてSPF・PAを含んだベースメイクで紫外線を予防しましょう。塗りなおすのは1~2時間おきが理想的です。
 電車内や車、部屋の中にいても窓を通じて紫外線を浴びてしまうので、注意してください。

日常生活にプラスしたいこと

 仕事や家事の疲れを感じる夕方は肌が最も乾燥を感じる時間です。メイクの上から使えるミスとタイプの化粧水で乾きやすい肌表面に水分を与えてあげたり、カサつきやすい目元や口元などはバームタイプの保湿クリームで潤いをプラスすると、冷暖房の影響を受けた肌の乾燥を予防できます。

 湿度を保つための加湿器も、コンパクトなものから機能性の優れたものまでたくさん販売されているので、シーンや必要性に合わせて使用すると良いでしょう。

睡眠の質を上げる

 美肌を保つためには、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)を助ける成長ホルモンが分泌する睡眠時間を大切にしなくてはなりません。ただたっぷり寝れば良いというわけではなく、質の良い睡眠をとるということが大事です。

就寝時に血糖値が下がっている状態にするため、食事は寝る4時間前には食べ終えましょう。また、寝る前の1時間は脳を覚醒させるような激しい音楽やパソコン・スマートフォン・TVなどの光はシャットアウトし、リラックスして眠れるような環境をつくりましょう。

バランスのとれた食事

食事からとる必要な栄養素が偏ってしまうと、体だけでなく肌の代謝も下がります。肌代謝が悪化してしまうと、肌表面を守る皮脂の量が減ってしまうため、肌が乾燥しやすい状態になるため、化粧品で外側から保湿ケアをしても乾燥はぬぐえません。

 カフェインや体を冷やす食べ物、スナック菓子は避け、ビタミンやたんぱく質をしっかりとるようにしましょう。

肌を守る潤いアップの保湿方法

 乾燥を予防することができたらいよいよ保湿です。肌を外的刺激から守り、老化を防ぐ潤った肌にするための保湿方法をお教えします。

正しい洗顔

 スキンケアで潤いを与える前にやるべきことは、肌にとって刺激となる汗や不要な皮脂、垢などの汚れをしっかり落とすことです。

 ポイントは肌にとって負担となる不要な汚れは落とし、潤いは残すということ。油分を落とす界面活性剤が含まれている洗顔やクレンジングは、角質層で水分を保持するための保湿成分も一緒に落としてしまうため、乾燥をまねいてしまいます。

 潤いが流れるのを防ぐには、正しい洗い方をすることが大事。摩擦を与えるようなゴシゴシ洗いはせず、優しく肌にのせ、洗い流すときの刺激にも気を付けましょう。洗顔料を肌にのせる時間も1分未満にとどめ、負担を減らしましょう。

保湿力があがるブースターとは

 洗顔後、化粧水を浸透させる前に使用する美容液として「ブースター」と呼ばれる導入液が話題です。潤い不足の肌や紫外線によって角層が分厚くなった肌にアプローチし、その後のスキンケアの保湿力・浸透力をアップさせてくれるのです。

 肌が柔らかくなり、たるみにも効果があるので、普段のスキンケアにとり入れてみてください。

潤う肌にするスキンケア

 肌の水分量を保ち、潤った肌にするには、ただ保湿効果の高い化粧品をたっぷりつければいいというわけではありません。

スキンケアの基本となる化粧水・美容液・乳液またはクリームをテクスチャーがサラッとしている順に、肌にじっくり浸透させてからのせましょう。保湿成分が高いスキンケア商品を使用していても、使用する順番や量を間違えると肌が感じる保湿効果は減ってしまいます。

 また、年齢肌による悩み改善のための保湿には、美容液やクリームに含まれる成分選びがとても大事です。自分が必要としている保湿成分は何なのか、肌悩みから適切に選び、使用しましょう。

年齢肌の悩みは保湿成分で解消

 肌悩みに適した保湿成分が含まれている美容液やクリームを選ぶことで、乾燥を防ぐだけでなく、美しさと若さを兼ね備えた肌に変えることができます。
 スキンケア製品を購入する際の参考にしてみてください。

●セラミド
紫外線や摩擦といった外的ダメージから細胞を守る角質細胞間脂質の主成分であるセラミドは、加齢により減少してしまいます。セラミドを含んだ化粧品を使用することで、角層の水分蒸発を防ぎ、ダメージから肌を守るのに必要な潤いをキープしやすくなります。

●ヒアルロン酸
貯水力が高く角層の水分を蓄える役割をするヒアルロン酸は、高い保湿力に加えハリがアップする効果もあり、たるみ毛穴を防いでくれます。

●レチノール
弾力不足で起こる毛穴の開きやしわ改善にはレチノールを含んだ化粧品を使いましょう。コラーゲンを増やし、ターンオーバーを促す効果もあります。

●ビタミンC誘導体
ビタミンC誘導体とは、ビタミンCを化学的に変化させ角質層へ浸透するように開発された医薬部外品有効成分です。ビタミンC誘導体を含んだスキンケアを選ぶことで、その他の美容成分や保湿成分の浸透力をアップさせることができます。

●抗酸化成分
紫外線から内的ストレスまで、肌にダメージを与える細胞の酸化を防ぐには活性酸素を除去する抗酸化成分を肌に与えてあげることが大事です。抗酸化作用のあるレチノールやビタミンC誘導体に加え、ビタミンE・ミネラル・アミノ酸を含んだ化粧品やサプリメントで肌サビを解消し、保湿力を高めましょう。

まとめ

 肌が潤い不足になってしまうと乾燥するだけでなく、肌の老化を進めてしまいます。乾燥から肌を守る予防策を欠かさず、保湿力をアップするための正しいスキンケアと化粧品選びをすることで、あなたの肌は潤いを保持できるみずみずしい肌に生まれ変わりますよ。保湿することは、美肌を保つエイジングケアに欠かせないのです。

ライタープロフィール
加恵

10年のアパレル勤務を経て美容ライターに。年齢や体の変化と上手に付き合えるヘルシーな美容法を発信していきます。コスメを手作りすること、香りコスメを集めることが大好き。日常に取り入れやすいシンプルケアにトレンドを取り入れながら日々、美を追求し続けています。