美肌をつくるためのスキンケアには保湿が欠かせない・・・今では常識のようになっていますが、その理由を知っていますか?カサカサした状態を潤すというだけでなく、年齢を重ねるごとに増えていく肌悩みを解決したり、保湿することでメイクアップ後に差がついたり、さまざまな役割を果たしてくれるのです。しかし、何も考えずに化粧水をたくさん肌にのせたり、ただただ乳液やクリームを塗れば良いというわけではありません。あなたの肌が欲しているもの、そしてその肌に応じた成分選びが将来の肌を左右するのです。肌本来がもつ保湿成分にも注目し、これからスキンケア選びで迷わないために保湿成分の知識を得ておきましょう。

保湿で10年後の肌が変わる

 加齢による肌トラブルの大半は乾燥により起こっており、保湿をすることはエイジングケアの基本で、予防にもなります。ハリがあり、若々しい肌を保つには、表面上の乾燥だけではなく、肌内部の水分量や保湿成分に注目した内側の潤い力を意識するケアが必要です。
 毎日のスキンケアで保湿できているつもりでも実は間違っているかも?「保湿」について一から学んでいきましょう。

保湿とは

 保湿をするということは肌に必要な水分や潤いを供給し、肌の乾燥や皮膚のカサつきなどを改善するという解釈が一般的です。しかし、保湿が必要なのは乾燥肌の持ち主だけではありません。ニキビや吹き出物、顔のくすみやしわ、たるみなど、あらゆる肌トラブルは保湿が足りていないことが原因にもなっているのです。

保湿成分とは

 肌内部の水分を保持し乾燥を防ぐ物質です。吸湿性の高い水溶性の物質で、水分を与えたり、水分の蒸発を抑える働きがあります。
体内に存在する保湿成分は、化粧品に配合されている保湿成分を浸透させることで保湿力を保つことができます。

体内の保湿成分に注目

 体内にはさまざまな保湿成分が存在し、お肌を潤す働きをしています。主に角質層での保湿機能と、真皮内の保湿機能に分かれ、肌の水分を保持している保湿成分。その機能について詳しく知っておきましょう。

角質層とは

 人間の皮膚は大きく分けて表皮と真皮に分かれています。肌の表面に近い真皮の最も表側にあるのが角質層で、ターンオーバーによって角化した「角質細胞」と角化する過程で生まれた「角質細胞間脂質」で構成されている部分です。

●ターンオーバー
ターンオーバーとは肌の生まれ変わり(代謝)のことをいいます。20代の健康な肌は約28日のサイクルで肌は生まれ変わり、不要な部分は「垢」となって自然に剥がれ落ちるのですが、加齢が進むと周期は乱れ、角質が肌に残り硬くなってたるみをつくったり、乾燥しやすくなるなどさまざまな肌トラブルを引き起こしてしまうのです。

●角質層の役割
肌の表面に存在する角質層は、肌に触れることで起こる外的刺激から守り、肌内部の水分が蒸発しないようにとどめておく役割をしています。

角質層にある保湿成分

 外的刺激から肌を守るバリア機能を高め、肌内部の水分を保持し肌を潤わせる役割をしている角質層ですが、その働きを左右するのは細胞間脂質の約40%を占めるセラミドと、角質細胞の中に存在するNMF(天然保湿因子)という二つの保湿成分です。

●セラミド
ターンオーバーの過程で生まれ、細胞と細胞の中で水分と油分をバランスよく抱える成分です。 肌や髪の潤いを保つのに欠かせません。細胞間脂質の主成分で、もともと体内に存在しますが、加齢や環境の変化などによってその量は減少してしまいます。セラミドが減ってしまうと肌は外的刺激を受けやすくなり、肌内部の水分は逃げやすい状態になるため、乾燥を引き起こしてしまうのです。

●NMF
NMF(天然保湿因子)は、単一の成分ではなく、約半分が複数のアミノ酸で成り立っています。他には乳酸塩、尿素やミネラル、PCA(ピロリドンカルボン酸)など、たくさんの成分で構成されており、水分を抱え込む性質で角質細胞に存在しています。NMFはセラミドと同様に、表皮細胞が角質細胞になる過程で作られますが、同じく加齢や環境の変化で減少してしまう成分で、セラミド、皮脂と共に肌を外部の刺激から守るのにとても重要な働きをするのです。

真皮とは

 表皮の内側にあり、皮膚組織の大部分を占めている部分です。皮下組織を除くと平均で約2ミリの厚さがあり、「コラーゲン」といわれている線維状のたんぱく質が大部分を占めています。皮膚の弾力やハリなどに影響し、表皮を支える意味でも非常に重要な役割を担っています。

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真皮層にある保湿成分
 真皮層は、ヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンなどの保湿成分で肌のハリを保っています。

●ヒアルロン
細胞と細胞の間を埋めるように存在し、細胞活動を調整する役割があります。高い保水能力があり、細胞内に存在している物質ですが、代謝が早く加齢とともに減少してしまいます。ヒアルロン酸は肌のハリを支える真皮の補充剤のような存在で水分を留める役割を担っているので、肌の保湿性や弾力を保ちながらしわやたるみといった加齢にともない現れるトラブルを予防してくれるのです。

●コラーゲン
真皮の主成分でたんぱく質の一種です。人間の体は約10万種類のタンパク質で構成されており、その三分の一を占めているのがコラーゲンで、肌以外にも骨や関節、腱、血管、などあらゆる部分に存在しています。
真皮の構造を保つ骨格となる成分で親水性が高く、保持した水分を逃さない性質があり、古いものを分解して新しく作り変えながら、肌の健康を保っています。

●エラスチン
たんぱく質の一種でコラーゲンを結びつける役割をします。ゴムのように伸びることで肌の弾力や体のしなやかさ、血管の柔らかさを整える働きをしてくれる成分です。ハリのある肌にはコラーゲンとエラスチンが欠かせませんが、加齢とともにその数は減少してしまいます。

保湿が肌に与える役割

 肌内部にある保湿成分が肌にとって大事な役割を果たすことがわかりましたね。では、外側、つまり基礎化粧品から得る保湿は肌にどのような影響を与えてくれるのでしょうか。

乾燥を防ぐ

 肌が乾燥するのは、肌内部の保湿成分の働きが弱まり、水分不足に陥ることで起こります。水分が蒸発するのを防ぎ、乾きから肌を守るためにも、乾燥対策の基本である保湿が必要です。

敏感肌を正常化する

 肌のバリア機能が弱まり、紫外線や花粉、ほこりなどの外部刺激や摩擦に耐えきれなくなった肌が正常な働きをしなくなってしまう状態のことを「敏感肌」といいます。保湿をすることで角層から失われた水分と脂質を補い、バリア機能を整えることが改善の近道です。

エイジングケア

 肌の乾燥が最も老化を進行させるといっても過言ではありません。しわやたるみ、毛穴の開きなど、見た目の印象に大きく影響し、肌を生まれ変わらせるターンオーバーの周期も遅くさせてしまうため、保湿することを欠かしてはなりません。

メイクに差がつく

 メイクのりが悪い・メイク崩れが早いと感じている人は、朝のスキンケアで保湿が足りていません。角質層に水分と油分の層が十分にあることで、メイクのりはアップし、午後のメイク崩れも少なく、肌への負担も軽減されるので、朝に適した保湿することも重要なのです。

保湿成分と化粧品の関係性

 肌内部にある保湿成分がもつ保湿力を補うのが、基礎化粧品に含まれている保湿成分の役割です。

スキンケアで無駄なく保湿するには

 ただやみくもに保湿成分が入っているスキンケア製品を使用しても、保湿力はアップしません。
保湿力を保つ保湿成分には大きく分けて4種類あり、水分を保湿成分で挟むタイプ・保湿成分の中に水分を吸収させるタイプ・保湿成分に水分が含まれているタイプ・油分でフタをするタイプに分かれます。つまり、同じタイプの美容液・乳液・クリームなどの保湿化粧品を使用してしまうと水分量が不足したり、水分が逃げやすくなったりするので保湿力が保てなくなるのです。
 これらのグループに属する保湿成分をバランスよくスキンケアで補給していくことが、潤い肌をつくるのに重要なのです。

保湿成分を与える前に

 スキンケアを行う前には、必ずクレンジング・洗顔によって不要な汚れを落としておきましょう。メイクが残っていたり、汚れが付着している肌は水分補給の邪魔をします。

 朝、ノーメイクの状態でも、顔には皮脂による油分汚れが付着しています。不要な油分を肌に残したままにしておくと酸化してしまい、スキンケアで保湿をしても乾燥や肌トラブルを引き起こしてしまうので、クレンジングや洗顔は怠らないようにしましょう。
 洗いすぎが良いのではなく、乾燥をまねいてしまうため、スキンケアの直前に短時間で行ってください。

大人肌に効く保湿成分

 ただ肌表面が乾燥しているだけでなく、外側は潤っているのに内側の水分量が足りないインナードライや、肌のたるみ・くすみ・しわなどの肌老化によるトラブルは、一定の保湿成分でなく、あらゆる角度からアプローチできる保湿成分をくまなく化粧品で補うことが大事です。
 加齢にともない低下する保湿力を元気にするために、足りない保湿成分を肌に補給していきましょう。

●水分を保湿成分で挟みこむ成分
水をサンドイッチ状にはさみ込むことで、水分を蒸発させずに維持する成分です。表皮の保湿力を高めるセラミド・レシチンが代表的で、保湿の要となります。

●保湿成分に水分を吸収し結合する成分
水分をたくさん抱え込む、つまり高い保水力と水分を留めておく力を発揮することで保湿力を維持する性質をもつ成分で、ヒアルロン酸・コラーゲン・エラスチン・ヘパリン類似物質が代表的です。
ヘパリン類似物質は「ヒルドイド」という名前で皮膚科でも多く処方されている成分で、アトピー、敏感肌にも効果を発揮する保湿成分です。 

●保湿成分に水分を含み、逃さない成分
水分を吸収することで合わさり、保湿力を上げる成分で、アミノ酸や尿素といったNMFやPG(プロピレングリコール)、グリセリン、1.3BG(ブチレングリコール)といったアルコールの一種で吸湿性があるものを指します。セラミドと一緒に角質層を守る働きがありますが、湿度の低い環境に弱い成分です。顔以外のちょっとした保湿や、べたつく部分の保湿に適しています。

まとめ

 肌はもともと自分がもっている保湿成分により、潤いやハリが保たれています。しかし、加齢により自然に減少していってしまう保湿成分を放っておいてしまっては、肌は老化をたどる一方です。若々しい肌を保ち、外的刺激から肌を守るには肌内部の水分をキープし、保湿力をアップさせることが何よりも大切。ここで学んだ保湿成分の基礎知識を活かした化粧品選びを行い、加齢に負けない美肌を育てていきましょう。

ライタープロフィール
加恵

10年のアパレル勤務を経て美容ライターに。年齢や体の変化と上手に付き合えるヘルシーな美容法を発信していきます。コスメを手作りすること、香りコスメを集めることが大好き。日常に取り入れやすいシンプルケアにトレンドを取り入れながら日々、美を追求し続けています。