気温が下がり始める秋は、外気の乾燥が進み肌への影響も出てきます。乾燥が引き金となって肌トラブルを招くこともよくあり、保湿重視のケアを徹底的に行うことが潤いが続く美しい肌にとって重要です。スキンケアの保湿アイテムの1つ、「保湿液」をご存知ですか?化粧水と同じ意味に使われますが、その違いは何でしょうか?正しい使い方とともにご紹介しましょう。

保湿液、使ったことはありますか?


保湿液と聞くと、肌の保湿に効きそうなイメージがありますよね。
基礎化粧品には、化粧水や乳液、美容液などがありますが、保湿液はどの部分に属しているのか詳しくみていきましょう。

基礎化粧品の種類

肌の保湿のためには、基礎化粧品の種類と特徴について知っておく必要があります。
ここでおさらいしておきましょう。

〇ブースター(導入アイテム)

洗顔後のまっさらな素肌に、肌の土台を整えるために取り入れるものです。
液状や乳液タイプ、美容液など、メーカーによって形状やカテゴリーは異なりますが、肌になじみがよく美容成分を届ける機能に優れているのが特徴です。

〇化粧水

肌の水分補給と潤いを与えるために使うのが化粧水です。
水分が多く、まさに水のような感覚です。しかし、水だけでなく、肌に浸透するための保湿成分も含まれています。

〇美容液

肌の悩みに合わせた成分が入ったスペシャルケアを担当する基礎化粧品です。
シミ対策もしくは予防には美白成分、乾燥対策には保湿成分というように、肌悩みに合わせて選ぶことができます。必要なければ省くこともできます。
形状も水分の多いサラっとしたものから、粘度の高いクリーム状のものまでさまざまです。

〇乳液

洗顔後に化粧水で与えた水分が再び失われないように蓋の役割をするアイテムです。
水分と油分が含まれており、保湿効果と同時に油分で蓋をする役割があります。
化粧水がしっかりと浸み込んでから使うのがコツです。

〇クリーム

乳液よりも油分が多く、肌の表面をバリアするようにしっかりと覆ってくれます。
乾燥が気になる部分に塗布するのが一般的な使い方ですが、年齢肌が気になり出したら夜だけでもつけることをおすすめします。
特に目元のシワなど乾燥が気になる部分にはやさしくかつ積極的につけましょう。

化粧水と保湿液の違い

一般的に保湿液は、化粧水と乳液の間のようなものと考えられています。
化粧水より粘度が高く、乳液よりも浸透性があるという特徴があります。
ただ、メーカーによって、美容液や乳液を指すこともあるので、購入時には美容部員さんや販売員さんに使い方やどんな肌に合うのかを聞くようにしましょう。
ここでは、先に説明した意味での保湿液をとりあげていきます。

保湿重視ってどういうこと?

若いころと違って、年齢によって肌の質は乾燥に近づいていることは多くの人が実感していることでしょう。
そうはいっても、「脂性なんです」という人もいます。
実はそれは保湿が足りていない、インナードライ肌によって起きているかもしれません。
その原因に、洗顔はしっかり洗ってさっぱりするのが好きという人は、必要以上に皮脂を落としすぎている可能性があります。
肌には防御作用があり、皮脂が足りなくなるとさらに皮脂を分泌して肌を守ろうとします。

それでもさっぱり好きの人は気持ちが悪くなるので頻繁に顔を洗ったり、洗浄力の強い洗顔料を使ったりしますので、悪循環を招き、結果肌内部が潤い不足、肌表面はオイリーという不安定肌を招きます。
さっぱり好きな人は、ここは少し我慢して、洗い上がりのしっとり感が残るタイプ、もしくは敏感肌タイプの洗顔料に変えてみましょう。
はじめは物足りなく感じるかもしれませんが、肌環境が整うと慣れて肌の質が改善するでしょう。
基礎化粧品も保湿成分が入ったものにして、たっぷりと使い、乳液やクリーム、場合によっては美容液もつかって肌の質感を高めましょう。
エイジングケアは何よりも保湿が大切なのです。

肌に保湿が必要なわけ

肌の仕組みを理解すると、正しい化粧水や保湿液の使い方も理解できます。
ここでは、エイジングケアに必須の保湿の重要性について説明しましょう。

肌の仕組み

皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3つの層にわかれています。
肌の保湿に関わっているのが、一番外側にある表皮です。
およそ0.2㎜の薄さの中に、上から角層、顆粒層、有棘層(ゆうきょくそう)、基底層という4つの層があります。

基底層では、肌を作る新しい細胞がつくられます。
紫外線から肌を守るメラニンをつくるメラノサイトはここにあります。

有棘層には基底層で作られた有棘細胞があり、真皮内の血管やリンパ管から基底層に流れてきた酸素や栄養を受け取る役割があります。肌を作るのに必要不可欠なたんぱく質も合成しています。

顆粒層は顆粒細胞からなり、ターンオーバー機能によって角層になります。その過程でたんぱく質が分解されて、できたアミノ酸が保湿成分である天然保湿因子(NMF)の成分になります。

角層は角層細胞が何層にも重なってできており、天然保湿因子(NMF)や細胞間脂質などのバリア機能によって肌の潤いを保っています。

角層の自然な保湿機能

角層には、天然保湿因子と細胞間脂質があり、これらが保湿の役割を担っていることはお伝えしました。これらの成分と類似したものが化粧水や保湿液に含まれ、肌の保湿をサポートする働きが期待できます。しかし、化粧品の中には雑貨まがいなものもあり、肌になじみにくく潤いが感じられないものもあります。

天然保湿因子の成分の大部分はアミノ酸です。
化粧水や保湿液によく含まれている成分として、PCA(ピロリドンカルボン酸)、乳酸ナトリウムも構成成分です。
他にも尿素などの保湿成分が含まれています。

細胞間脂質はそのうちの約半分がセラミドで構成されています。
細胞間脂質は角層の中で規則正しく、水分と油分が何層にも重なり合うラメラ構造を作っています。
ラメラ構造が整った肌は、強力なバリア機能と水分保持機能に優れており、理想の肌状態の条件になります。
油分にもかかわらず、水となじみやすい親水基をもっているのです。
セラミドが少ないと肌の潤いが失われやすく、乾燥肌になります。

もう一つ、保湿のために大切な役目をもつのが、皮脂膜です。
これは皮膚の表面を覆い、皮脂腺から分泌される皮脂(油)と汗(水)が混じり合ってできています。また、皮脂に角層由来の油分が混ざったものを皮表皮質といい、この構成成分は、トリグリセリド、ワックスエステル、脂肪酸、スクワレンなどです。

このように肌には、天然保湿因子(NMF)、細胞間脂質、皮脂膜という3つの成分で、自然の潤いを保つための機能が備わっています。
しかし、肌は日々余分な皮脂や汗、ほこりなどで汚れていきます。そのために洗顔が必要なのですが、洗顔で保湿のために必要な皮脂や水分も一緒に流れてしまうのです。よって、自然の保湿機能を保つためには、化粧水や保湿液による外からの保湿成分の補充が必要なのです。

肌が乾燥するとどうなるか

肌の乾燥はあらゆるトラブルのもとになります。
乾燥でまず思いつくのがシワです。
手が乾燥して荒れるとカサカサになってシワが目立つのと同じように、顔の皮膚にも同じことがおこります。
また、乾燥によってターンオーバーの働きも衰え、ダメージを受けた角質がいつまでも残っている状態になります。
その結果、シミやくすみとしてあらわれたり、古い角質や皮脂に菌が繁殖してニキビなどのトラブルが起こりやすくなります。

乾燥の原因は、洗顔での洗いすぎももちろんですが、加齢、不規則な生活習慣、ストレス、エアコン、紫外線など多くの要因がかかわっています。
その他にも、体内の水分不足も肌の乾燥を引き起こします。外からも中からも保湿ケアをするのが大切です。

 

化粧水と保湿液の正しい使い方

化粧水と保湿液の正しい使い方をご存知ですか。せっかくよいものを使っていても、使い方が間違っていては効果が半減してしまいます。保湿成分を肌にしっかりと届けるために、正しい使い方を知っておきましょう。

化粧水と保湿液の役割

化粧水や保湿液は、お肌に水分を与えるだけではありません。
洗顔後に肌をそのままにしておくと、乾燥するのはおわかりでしょう。
水だけでは肌の表面につくだけで奥には浸透せずに再び乾燥するだけでなく、体温で肌に残っていた水分も一緒に蒸発して、洗顔前よりも乾燥してしまいます。
水が肌に浸透しないのは、皮膚の防御作用のおかげです。

化粧水や保湿液の役割は、水分を角層の奥へ届けることにあります。
水溶性基材としてエタノールやグリセリン、PGを含めて肌に浸透させる工夫がされています。
その役割は肌の保湿だけでなく、清涼感を与えたり、pHバランスを整えて肌の調子をよくしたり、肌をひきしめたりといった役割もあります。
さらに、次に使う美容液などの浸透を促進させる働きもあります。

つける前にやっておきたいこと

化粧水や保湿液をつける前には、洗顔が大切です。
古い角質が残っていては、保湿に大切な成分がうまく入り込めません。
洗顔で洗いすぎるのも乾燥の原因になりますが、洗わないのもよくないのです。
化粧水や保湿液は洗顔後すぐにつけることが肝心です。

洗顔で洗い残した汚れや古い角質をとる方法に、拭き取り化粧水を使うのも効果的です。
これはコットンに浸み込ませて軽く拭き取るという使い方をしますが、拭き取る時に肌を痛めることがありますので注意が必要です。
コットンにたっぷりと拭き取り化粧水を含ませて肌の表面だけを滑らせるようにするのがコツです。拭き取り化粧水を使ったあとも、すぐに化粧水や保湿液をつけましょう。

コットンでつける場合のつけ方

化粧水や保湿液は手でつけてもコットンでつけても構いませんが、コットンでつけるときには、肌を痛めないように注意しなければいけません。
コットンの種類によっては毛羽立って、その繊維が肌にダメージを与えることがあります。
質の良いものを使いましょう。水分量の多い化粧水はコットンを使ってつけた方がつけやすいです。

  • 人差し指から薬指の3本の指にコットンをのせ、親指と小指ではさむようにコットンをもつ。
  • コットンに100円玉~500円玉大の量の化粧水や保湿液を含ませる。
  • 気になるところから順に肌にコットンをのせて軽く圧をかける。つけ残しがないように、髪の生え際や小鼻は特に丁寧に。
  • 足りなくなったら適宜化粧水や保湿液を足す。足りないままつけていくと、肌に残っていた水分がコットンに吸収されるので注意。コットンを肌にあてたときに繊維の刺激を感じたら足りない証拠です。

手でつける場合のつけ方

手でつけると、肌の状態が確認しやすく適量がわかりやすいでしょう。
粘度が高い保湿液は、手の方がつけやすいでしょう。
ただ、細かいところまで浸透させるのが難しいので、丁寧に行う必要があります。
手の雑菌がつかないように、きれいな手で行いましょう。やり方はコットンでつけるのとほとんど変わりませんが、手の体温を利用するのがコツです。

  • 手のひらに100円玉~500円玉大の量の化粧水や保湿液をとる。こぼれない程度に。
  • 両手を合わせて軽くなじませます。
  • 両手で顔を覆うようにあて、体温で中に入れ込むように少し圧をかけます。
  • 足りなくなったら適宜足して繰り返します。手の平に肌が吸い付くくらいになったら十分に保湿できている証拠です。

つけた後にやっておきたいこと

特に保湿液は粘度が高くしっとり感が強いため、塗ったままにしても乾燥しにくいように感じます。しかし、乾燥を防ぐには油分で保護しなければいけません。それは、洗顔で皮脂を落としているからです。その皮脂の役割をするのが乳液やクリームですね。めんどうだからといってこれを省いてはいけません。ただ、子供の世話などあまりにも忙しくてスキンケアを最後までできない場合は、とりあえず化粧水や保湿液だけは塗っておきましょう。そして時間がとれた時にもう一度ふきとり化粧水からケアすると挽回できますよ。

まとめ


美容関係のアイテムは新しい用語がどんどん出てきてわかりにくいかもしれませんが、保湿の基本は肌の仕組みを理解すれば簡単です。
保湿液と化粧水の違いも成分などの違いで使い方はほとんど変わらないのです。肌の状態や好みに合わせて賢く選びましょう。

ライタープロフィール
山川 ハナエ

主婦兼フリーライター/元看護師/三児の母。独身時代は給料の大半をエステと趣味のバレエに費やす美容オタク。働く女性と育児奮闘中の母の気持ちがよくわかる。趣味は読書、英語学習、舞台鑑賞。年を重ねても内面が輝く美しい女性に憧れている。