女性は出産をすると肌荒れしやすくなったり、今まで使用していた化粧品が合わなくなったり、敏感な肌状態になってしまいます。吹き出物だけでなく、ひどい乾燥やシミなど、鏡を見るたび気になりますが、育児が始まり自分のことばかりに時間をかけられず不安はつのる一方。一体いつまでこの肌が続くのでしょうか?その答えは産後、敏感肌になるメカニズムやさまざまな原因から導くことができます。肌トラブルを解決し、産後の敏感肌を和らげるためにできることをお教えします。

産後の女性の肌とは

 妊娠・出産を経て、女性の体や肌は大きく変化します。出産し、育児に励む一方で敏感肌になっていく自分の肌が気になっていませんか?産後の肌はどういう状態なのか、産後に起こりやすいトラブルについて知っておきましょう。

産後の肌状態は敏感

 妊娠・出産を経験すると生理周期が乱れるため、出産後は体も肌も元の状態に戻ろうとする力が働きます。不安定な肌はバリア機能も低下し、皮脂不足で肌表面の潤いがなくなってしまうので外的刺激が肌内部に入り込みやすい状態に。角質層の水分保持力も低下してしまうため敏感肌になることからさまざまな肌トラブルを誘発し、老けを進行させてしまうのです。

産後の肌トラブル

 産後、敏感肌になることでどんな症状があらわれるのか、具体的にみていきましょう。

●乾燥
産後の肌悩みに多い乾燥は、肌のバリア機能が低下することに加え、授乳中に水分が奪われることからも起こりやすいのです。

●ニキビ・吹き出物
今まで無かったニキビや吹き出物があらわれるのも産後の敏感肌の特徴です。古い角質が残ることやストレスにより生じることもあります。

●肌荒れ・かゆみ
産後、肌が敏感になり外的刺激を受けやすいことから、赤みやかゆみといった肌荒れがしやすくなります。摩擦だけでなく、今まで感じなかった花粉や紫外線など自然の影響を受けることもあります。

●シミ・そばかす
妊娠中に分泌した女性ホルモンの影響がメラニン色素の増加にもつながります。一時的に増えたシミやそばかすの場合、産後に減る場合もあります。

産後の肌が敏感になる理由

出産後の肌が敏感になり、トラブルが起きやすいのは、妊娠・出産を通じて変化していく体と環境に理由があります。敏感肌になり肌トラブルが起こる原因を理解しておきましょう。

産後に起こる肌トラブルの原因

 産後に肌が敏感になることで起こる肌トラブルの原因は、一つではありません。さまざまな角度から敏感肌の原因を知り、改善に役立てましょう。

●ホルモンバランスの変化
女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンの2種類あり、妊娠中に大量分泌されたのち、出産を経て一気に減少します。肌と密接した関係をもつ女性ホルモンですが、増減するエストロゲンは肌のくすみや乾燥、吹き出物に影響し、プロゲステロンは皮下メラニンの活性化につながるためシミ・そばかすを発生させる原因をつくってしまうのです。

●睡眠不足
肌の生まれ変わりは睡眠中におこなわれます。授乳や夜泣きでぐっすり眠れない、睡眠時間が足りない状況が続くと肌細胞が活性化されず、代謝が下がりターンオーバーが乱れることから肌荒れにつながってしまいます。

●便秘
出産後は授乳によって体内の水分が奪われてしまうことから、便秘になりやすい腸環境です。自然に排便されないことで肌代謝が悪くなり、肌荒れや吹き出物の原因になってしまいます。

●食生活
産後はハードな育児に追われ、食生活が乱れやすくなり、肌にとって必要なビタミン・ミネラル・たんぱく質などの栄養源が不足しがちです。また、授乳中は母体の栄養分が吸収されず母乳となってしまうので、肌細胞に食事からの栄養が行き渡らず、肌老化につながってしまいます。

●ストレス
育児疲れや生活習慣が乱れることはストレスにもつながります。自律神経が乱れ、肌が敏感になり、荒れるだけでなくかゆみを引き起こすこともあるのです。

●スキンケア
育児に追われるとどうしても赤ちゃん優先になり、自分にかける時間がなくなることでスキンケアもおろそかになりがちです。また、肌が変化していても産前に使用していた化粧品を使い続けたり合わないスキンケアを続けていることも肌荒れの原因になります。

産後の敏感肌はいつまで続く?

 さまざまな原因から普段のスキンケアではうまくいかず、悩みのタネになる産後の敏感肌。いつまでこの肌状態が続くのか不安ですよね。肌質の改善にはどのくらいの期間を要するのでしょうか。

ホルモンバランスは1年で整う

 産後の肌状態を大きく乱す女性ホルモンの増減ですが、出産ののち月経周期が整うにつれホルモンバランスの乱れも落ち着きます。生理が開始する時期は人によって大きく異なりますが、7~8割の人が産後8か月以内に月経が再開されるといわれており、産後1年程度でホルモンバランスも元に戻るため敏感な肌状態も落ち着いていくでしょう。

改善にかかる期間は原因で左右する

 産後のホルモンバランスの乱れは元に戻る生理周期で落ち着きますが、授乳期間や睡眠時間など、肌を敏感にしてしまうさまざまな要因によって、改善にかかる時間の目安は変わります。
 敏感肌になっている原因と向き合い、肌が整うスキンケアや生活習慣の見直しで肌トラブルを落ち着かせていきましょう。

産後の肌悩みを改善するスキンケア術

 女性ホルモンの増減や育児による生活習慣の変化により敏感肌になる産後は、肌状態に適したスキンケアをし、肌荒れを改善していきましょう。

基礎化粧品を見直そう

 産後に変化した肌質に気が付かず化粧品がそのままになっていたり、育児に追われ自分に手をかける時間が減ってしまったことで十分な保湿ができていないなど、使用している基礎化粧品やスキンケアの仕方が敏感肌による肌トラブルを増やしてしまっているケースがあります。
 あなたが今実施しているスキンケアを化粧品から見直し、育児をしながらでもできるケア方法をていねいに行いましょう。

●敏感肌に効果的な保湿成分
人間の肌にもともと存在するセラミドはバリア機能を高めるのに欠かせない保湿成分です。基礎化粧品の成分からセラミドをとり入れてあげることで揺らぎやすい敏感肌を守ってくれるでしょう。
また、敏感肌の人は少しの刺激で肌に赤みやかゆみを生じることがありますので、アルコールフリーの化粧品やオーガニックコスメがおすすめです。

時短アイテムを使って賢く保湿
 時間に追われ、スキンケアが十分にできていないことも産後の敏感肌を発生させてしまう大きな要因です。あれもこれもと化粧品を肌に入れ込む時間がない、毎日同じケアができない、そんな産後は時短で簡単にスキンケアできるアイテムを使用し、肌状態を安定させるのが良いでしょう。
 保湿成分がたっぷり入ったオールインワンタイプのスキンケア製品や、クレンジング不要で洗顔のみで落とせるタイプのコスメを使用するなどすれば、時短で肌に優しいケアを毎日行うことが可能です。

産後の敏感肌を和らげるためにできること

 産後、約1年かけて女性ホルモンが整い肌は元に戻ろうとしますが、スキンケアだけでなく生活習慣や口にするものを意識して改善していくことが、敏感になっている肌状態を和らげトラブルを防いでいく近道となります。

時間よりも良質な睡眠

 睡眠が安定しない産後は、必要な睡眠時間が足りていないことがほとんど。たっぷり眠ることはなかなか難しい産後すぐは、いかに質の良い睡眠をとるかということが重要です。
赤ちゃんと一緒にする昼寝中も、室温や湿度、枕にこだわり、ぐっすり眠れる環境をつくることが美肌を助けてくれるでしょう。

足りない栄養はサプリメントで補う

 産後すぐの育児は睡眠が安定しないだけでなく、3食決まった時間に食事をすることも困難です。口にするものが肌をつくるといっても過言ではありませんが、食事だけで産後に必要な栄養素をすべて得るのは難しいので、不足しがちな栄養素はサプリメントで補うのも美肌へは効果的でしょう。
 ただし、授乳中は医師や助産師さんへ相談して摂取するようにしてください。

水分を積極的に摂る

 母体は授乳をすることにより体内の水分が奪われてしまい、産後は水分不足になりがちです。育児に追われ、喉が渇いていることに気が付いていない・・・という人もいるでしょう。
 体内の水分が減ってしまうと肌代謝を悪くし、便秘をひどくする原因にもなってしまうので、意識して水分を補給するようにしてください。

産後悩ませるエイジングケアの正解とは

 産後にスキンケアを怠ってしまったり、間違ったケアを進めてしまうと肌老化は一気に加速してしまいます。出産を経て敏感肌になった今、できるエイジングケアはどんな方法が正しいのでしょうか?

授乳するとシミ・そばかすは減る?

シミやそばかすをつくる原因となる女性ホルモンは妊娠中に増加しますが、授乳をすることで減少が早まり、シミ・そばかすが薄くなることがあります。しかし、授乳によって母体のビタミンCが不足すると紫外線の影響を受けやすくなることも事実です。
授乳中は野菜や果物から得るビタミンCの摂取も意識するようにしましょう。

美白ケアより紫外線対策

 産後は肌がくすんだりシミが気になることから、美白成分の入った化粧品を肌に入れようと考えがちですが、美白成分を多く含んだ化粧品はアルコールを多く含んでいたり肌にとって刺激が強く、産後の敏感肌にも不向きなものが多いので注意しましょう。
 美白ケアに目を向けるより、日常の紫外線対策を念入りに行い、メラニンの活性化を防ぐ方が産後のシミ・くすみ予防には効果的なのです。

皮膚科や婦人科に頼ろう

 普段とは違う敏感な肌環境に悩み、トラブルが改善されない場合は皮膚科で肌状態を診てもらい、適切なケアやサプリメントの処方をしてもらうと良いでしょう。
 また、出産後に悩みがちな便秘や貧血が肌トラブルを生んでいる場合もあります。そんなときは、出産時にお世話になった産婦人科や婦人科に相談してみてください。授乳中にも飲むことができる便秘薬の処方や食事のアドバイスを受けることができますし、妊娠中から通院している病院や医師が相手なら、体や肌の悩みを相談しやすいでしょう。
     

まとめ

 産後の敏感肌は永遠に続くものではありません。いつまで続くのかとつい不安になってしまいますが、限られた時間の中で毎日できる少しのケアと生活習慣の改善でトラブルを防ぎ、敏感肌を和らげることができますので、できることから実施してみてくださいね。

ライタープロフィール
加恵

10年のアパレル勤務を経て美容ライターに。年齢や体の変化と上手に付き合えるヘルシーな美容法を発信していきます。コスメを手作りすること、香りコスメを集めることが大好き。日常に取り入れやすいシンプルケアにトレンドを取り入れながら日々、美を追求し続けています。