いつも使っている化粧品で急に肌があれたり、ちょっと刺激でヒリヒリしたり、敏感肌は何かと大変です。少しでも改善するために化粧品を選ぼうと思っても、「敏感肌用」と書いてあると自分が本当に敏感肌なのか悩んでしまいますね。敏感肌と呼ばれる基準はなんなのか、どうやって判断したらいいのか、ご紹介します。

医学で定義されていない

まず何をもって敏感肌というのか。その基準を知るために医学的に敏感肌がどのように捉えられているのかを知っていきたいものですが、実は医学的には敏感肌の定義がなされていません。
「敏感肌」という言葉は美容を語る上で必ずと言っていいほど出てきますし、実際に化粧品を購入しようとすると「敏感肌用」という記述が見られます。なので医学的に定義されていないなんて嘘ではないかと思ってしまいたくなりますね。

敏感肌だけ医学用語じゃない

しかし「敏感肌」という医学用語は今のところ存在しません。他の普通肌・乾燥肌・脂性肌・混合肌についての医学用語は確実に存在し、定義もされていますが、敏感肌だけはないのです。
ここで、医学用語になっていて医学的に定義されている他の肌質について簡単に見てみましょう。敏感肌だけがないということは、これらの医学的に定義されたもの以外の肌の症状が、敏感肌に当てはまる可能性があります。

普通肌

普通肌というのは肌の構造に何ら問題がなく、子供の肌のようにツヤとハリがある理想的な状態です。皮脂の分泌、角質層の水分保持、真皮のハリを出す成分まで全てがトラブルなくバランスのいい肌と言えるでしょう。

乾燥肌も脂性肌も混合肌も、一番目指すべきはこの普通肌の状態であり、普通肌の人は特にそれ以上特別なスキンケアをするというよりは、いかに現状維持をしていくかということが大切になります。

乾燥肌

乾燥肌とは、皮脂の分泌が減少し角質層の水分が蒸発している肌のことを言います。ちょっとした湿度の低さですぐに肌がバリバリと乾燥して辛かったり、肌のバリア機能がうまく働かずに外部刺激や紫外線の攻撃に負けてしまったり、雑菌に感染しやすくなったりします。

これは乾燥することで角質細胞同士の間に隙間ができることが原因です。乾燥を防ぐために保湿が大切ですが、外からの保湿だけでなく生活習慣を見直した、内側からの対策も必要になってきます。

脂性肌

脂性肌は皮脂の分泌が過剰になってしまう肌質のことを言います。
普通肌では皮脂と汗が適度に分泌されて肌を守っていますが、脂性肌の場合は皮脂が多すぎてそのバランスが崩れています。そのため、肌表面に存在する常在菌バランスも崩れてニキビなどの原因となることもあります。

皮脂の分泌が過剰になるのは生活習慣やホルモンが原因の場合もありますが、乾燥肌が原因となる場合もあります。

混合肌

混合肌は、普通肌・乾燥肌・脂性肌などが顔の部分ごとに混在している状態の肌をいいます。顔全体が乾燥肌だったり脂性肌だったりする場合は対応がしやすいですね。

しかし混合肌の場合は「Tゾーンはとてもテカテカするのに頰だけが粉を吹いている」などのように、顔一つでもノーマルの部分、ドライな部分、オイリーな部分がそれぞれあるので、その部分によって化粧品を使い分けたりケア方法に気をつける必要があります。

ではよくいう敏感肌って?

では、美容雑誌や化粧品でも良く見かける「敏感肌」とはどういう状態なのでしょうか?上記の4つの肌質とは違う物であるはずで、ちょっとした刺激にも過敏に反応して肌あれを起こすのですから、アレルギーのようなものではないかと思われる方もいらっしゃいます。

でもアレルギーと敏感肌は別物。その違いについても見てみましょう。

アレルギーの場合

まずアレルギーの場合は、何か特定のアレルゲンに対して体の免疫が反応し、肌などにアレルギー反応として現れます。よく言われるのが花粉症です。花粉症は飛んでくる花粉に免疫機能が反応してくしゃみや鼻水、涙などの症状が現れますね。

肌のアレルギーの場合は化粧品などに含まれる成分に免疫が反応することになります。具体的には、大豆アレルギーや小麦アレルギーの人がそれらから抽出された成分に反応してしまうなどがあります。

敏感肌の場合

しかし、敏感肌の場合はアレルギーのように特定のものに対して反応を示すというわけではありません。敏感肌の場合は化粧品を使うときの、ちょっとした摩擦で肌がヒリヒリしたり、ひどい場合は自分の髪の毛が触れただけでもチクチクと痛みを感じることがあります。

洗顔後に化粧水を塗るとヒリヒリして耐えられないけど、化粧水とほとんど同じ成分のクリームを塗ると落ち着く、などという場合はアレルギーではなくて敏感肌です。

肌の構造

では敏感肌はどうして、ちょっとした刺激で痛みを感じたり肌あれを起こすのでしょうか?それは敏感肌の場合何らかの影響で、本来様々な刺激から守ってくれるはずの表皮のバリア機能が障害を受け、刺激が真皮などに届きやすくなってしまっているからです。

ここで敏感肌についてさらに理解していくために、肌の構造について簡単に確認してみましょう。

肌の3構造

肌は大きく分けると表皮、真皮、皮下組織の3つで構成されています。

表皮

まず肌の一番表面に位置する表皮。表皮の一番表面は皮脂膜でおおわれていて、その下に肌の水分を保持したり紫外線から守ったりする組織が層になって折り重なっています。

表皮の主な役割は、雑菌や紫外線や外部刺激から真皮や皮下組織を守ること。そのため、健康でバリア機能をうまく果たしている肌は滑らかで弾力があり、キメが細かくなっています。

真皮

真皮は表皮の下に位置しています。真皮は表皮のバリア機能を支える部分。動脈や動脈といった血管や、神経、そして皮脂や汗を分泌する皮脂腺と汗腺があります。

表皮の細胞は真皮の血管から栄養をもらって作られていき、真皮にある皮脂腺と汗腺から皮脂膜の原料が分泌されるので、真皮がなければ表皮のバリア機能も働かなくなってしまいます。

皮下組織

そして、真皮の下に位置するのが皮下組織。皮下組織には皮下脂肪が多く、体温調節や内臓を守る役割をしています。また、皮下脂肪はエネルギーを蓄える重要な倉庫でもあり、飢餓状態になってもある程度生きていけるのは、こういった場所に蓄えられたエネルギーを使っているからです。

表皮の構造

肌を守るのに一番重要な組織は表皮です。この表皮が正常に働いているかどうかによって肌質が変わります。

皮脂膜

表皮の一番表面、私たちが手で触れることができる部分に皮脂膜は存在しています。皮脂膜というからには皮脂だけでできていそうですが、実は皮脂と汗が混ざり合ったもの。普通は脂分と水分は混ざりませんが、肌表面に存在する常在菌によって乳化して、天然の乳液・クリームのような働きをしています。

そして常在菌によって弱酸性に保たれているので、アルカリ性などを好む雑菌を排除しているのです。

角質層

表皮にカバーされた角質層は水分を含んだお城の防御壁のような役割をしています。それは雑菌の侵入や、外部からの水分・油分など、体に必要がなかったり悪影響を及ぼす、余分な成分の侵入を防ぎます。また紫外線も多少は防御します。

少しファンタジーなイメージになってしまいますが、水分を含んで水分が飛ばないように油分でおおわれたレンガ造りの防御壁と考えてみましょう。油分が少なくなり、防御壁の水分が蒸発してしまうと、隙間ができたり崩れやすかったりして外敵の侵入を許してしまいます。

顆粒層

顆粒層は角質層の下に位置し、名前のごとくツブツブした顆粒が存在する部分です。この顆粒は光を反射する性質を持っていて、皮脂膜や角質層を通り越してきた紫外線を反射して、それ以上肌内部に入り込むのを防ぎます。

先ほどの防御壁の例だと、敵が防御壁をも通過する紫外線銃で攻撃していると考えてみてください。雑菌兵や水分・油分などはあまり通過できませんが、紫外線銃の攻撃だけは通過できてしまいます。

そこで活躍するのが、角質層の内側で守っている顆粒層。ガラスのような粒で、某猫型ロボットの秘密道具のように光線銃を反射させてかわしていくのです。

有棘層

第一線で肌を守っている皮脂膜、角質層、顆粒層とは違い、有棘層は顆粒層の内側で栄養補給をしたり、新陳代謝や戦いで生じた老廃物を片付けたりと、後方支援のような役割を持っています。

また、免疫細胞というブレーンが存在している場所でもあり、外部から入ってきた刺激が痛いのか、触れたのか触れていないのか、暑いのか冷たいのかなどを判断します。そして防御壁をすり抜けて入ってきたものが敵か味方かを判断して、最高司令塔である脳へ伝える役割もあります。

基底層

そして表皮の一番奥、真皮との境目にあるのが基底層です。基底層は表皮のバリア機能を果たす細胞を生み出し、真皮に外敵が入り込まないように守っている膜でもあります。

そして、メラニン色素を生み出すメラノサイトも基底層に存在していて、角質層や顆粒層のバリアをすり抜けてきた紫外線を防いで、真皮に届かないようにしています。

敏感肌になるとこんな症状が

このように肌を守っている表皮組織ですが、敏感肌とはこういった表皮のバリア機能が働かなくなってしまっている状態のことを言います。

何らかの影響で敏感肌になると様々な症状が現れてきます。肌の構造がどのようになることで、その症状が出るようになってしまうのかをわかりやすく解説していきます。

ピリピリ感、痒み、赤み

肌がビリビリしたり、痒みを感じたり、赤みを帯びてしまうのは、表皮の角質層や顆粒層などの防御壁が極端に薄くなったりなくなることで、真皮がむきだしになっている可能性があります。

真皮には血管がありますから、肌が薄くなることで血液の赤みがうきあがったり、神経も存在しているのでピリピリ感や痒みなどが発生してしまいます。

ちょっとした刺激に敏感になる

また、同じような理由でちょっとした刺激にも敏感になることがあります。
肌が空気に触れたりスキンケアで手が触れたりしても特に痛みなどを感じない理由は、神経などの感覚器官が存在する場所の上に、何層もの防御壁が覆いかぶさっているからです。

特に一番表面の角質のキメが細かく滑らかだと、ちょっとした刺激でも引っかかることなく滑らかに分散されていくので、痛みやヒリヒリ感になることがあまりありません。

乾燥がひどい

敏感肌になると肌の乾燥もひどくなります。敏感肌の場合はバリア機能がうまく働かない状態ですから、表面を守る皮脂膜や角質層も崩れていることが多いです。そのため、保湿がうまくされずに水分が蒸発して乾燥してしまうのです。

敏感肌は乾燥がひどいのに、洗顔後に化粧水をつけるだけで刺激になってヒリヒリしてしまう場合があります。そういった場合はクリームなどで水分が蒸発しないように保護してあげ、肌の細胞がきちんと育っていくために食生活改善や睡眠、運動を行なっていきましょう。

肌トラブルが多発

敏感肌は表面の防御壁がうまく働かないので、雑菌や外部からの水分・油分なども侵入しやすくなります。そのため雑菌に感染して肌あれやニキビを引き起こしたり、紫外線から守りきれずにシミになったりと、様々な肌トラブルが多発してしまうのです。

普通肌の状態ならニキビやシミなどに対応した化粧品を使うことができますが、敏感肌はそれさえも刺激になってしまう場合があります。

小じわ

また、このようにバリア機能が衰えると外部刺激などが直接真皮に伝わり、肌の弾力などを保っている真皮の組織にダメージを与えてしまいます。

真皮にダメージが加わるとその部分が陥没し、肌にシワができてしまう場合があります。また、表面の滑らかさが欠如している状態ですから、極薄のラップに小さなシワが寄りやすいように、肌表面に小さな小じわが生じてしまいやすいのです。

敏感肌になる原因は

このようにデメリットが多い敏感肌にはなるべくなりたくないものですが、様々な原因で敏感肌になってしまうことがあります。その原因を探ってみましょう。

体質でもとから肌が薄い

まず、特に体に悪いことをしているわけではないけれど、生まれつきの体質で元から肌が薄い場合です。生まれたての赤ちゃんや幼児は肌が薄くてちょっとした刺激で赤くなったり痒くなりやすいですが、通常は成長するとともに肌が強くなってきます。

しかし遺伝などで肌があまり強くならずに、薄く弱いままの方も稀にいらっしゃいます。そういった方は普通のスキンケアを行うと、刺激が強すぎて敏感肌を悪化させてしまう可能性があるので、できるだけ刺激を与えないようにしましょう。

生活習慣によるターンオーバーの乱れ

規則正しい生活習慣は美しい肌を作り出すために必要なことです。しかし、忙しい現代人は生活習慣が乱れがち。食事の栄養や睡眠時間、適度な運動で体を動かすなども難しいことが多く、不健康な生活に陥りやすくなっています。

そのような生活習慣の乱れは肌のターンオーバーの乱れにもつながり、本来なら強くしっかりとした細胞が生まれるはずが、弱く育ちきらない細胞が生まれてしまう原因になります。未熟な細胞は肌の防御力も低いので、ダメージから守ることができずダメージが加わっていき、敏感肌に傾いてしまいがちなのです。

間違った知識でのスキンケア

また美しくなろうとして様々な化粧品を試しても、肌に対す知識があまりなかったり、間違った知識を持っているために、間違ったスキンケアを行なってしまう場合があります。そういった場合も、肌にダメージを与えて敏感肌になる原因を作り出します。

まず自分がどのような肌質なのか、肌の構造や役割をしっかりと知った上でそれに合った適切なケア方法を学ぶことが大切です。

女性の体の周期によるホルモンバランス

どんなに美容の知識を持っていて健康的な生活をしていても、私たち女性は体の周期によってホルモンバランスが常に変動します。それは毎月訪れる月経だけでなく、妊娠出産、年齢を重ねることで起こるホルモンバランスの変化なども含まれます。

そういったホルモンバランスの変化は、皮脂の分泌やターンオーバーにも変化を与えやすいもの。健康的な生活をしているのに、何かのきっかけで今まで使っていた化粧品が使えなくなってしまうなどの場合は、こういった女性特有の変化が関係している可能性が高いのです。

まとめ

巷でよく見かける「敏感肌」の文字。医学的に定義されていないにもかかわらず、敏感肌で悩む女性は増え続けています。

様々な情報が錯綜しているがゆえに、本当は敏感肌なのにアレルギーと勘違いしたり、適切なスキンケアを行えない場合もあるでしょう。敏感肌がどういった肌の状態なのか、その基準をしっかりと理解して、当てはまるようであれば普通肌になることができるように改善していきましょう。

ライタープロフィール
Unyoung

幼少時から家族の影響で健康に関心をもち、現代医療だけでなく東洋医学、代替医療など様々なジャンルに触れる。アロマコーディネーターライセンス取得。体の内側だけでなく美容への関心も高く、手作りの石鹸や化粧品でのスキンケアも実践。