敏感肌の人は赤みやかぶれがなく自分の肌に合った化粧品選びに慎重です。外的要因や化粧品のちょっとした刺激にも弱いため、肌を気にかけながらあれこれケアしがちですが、実はその過剰なスキンケアが敏感肌の改善を妨げていることもあるのです。

肌が敏感になるのはバリア機能の低下が最大の要因。肌本来がもつ機能や美容成分を目覚めさせ、刺激に強い肌をつくるには、自分の肌を甘えさせないことも大切です。

では、保湿や美容成分を肌に取り込まず、何もしないことが敏感肌にとって正解なのでしょうか?話題の肌断食や何もしないスキンケアが敏感肌に与える影響や、スキンケアの基本ともいえる保湿の必要性など、敏感肌を本気で治したい今こそ知っておくべき改善方法をお話ししていきます。

敏感肌を知ろう


肌が敏感だと感じているあなたは、自分の肌がどのようにトラブルを起こしやすくなっているか理解できていますか?まずは敏感肌について、どんな状態かを知っておきましょう。

敏感肌の肌状態

少しの摩擦や外気、化粧品の成分などによる刺激でかゆみ、赤み、かぶれ、ピリピリ感などを感じてしまう肌状態のことを敏感肌といいます。

大変デリケートな肌状態で、スキンケアや生活習慣、ホルモンバランスなどさまざまな原因が考えられます。

肌が敏感になるメカニズム

肌内部に存在する角層の状態が乱れバリア機能が低下した肌は、肌内部の水分が蒸発しやすく潤いがなくなってしまい、外的刺激を受けやすく、肌が炎症を起こしてしまいます。これが、敏感肌の状態です。

バリア機能を左右しているセラミドは元々肌がもっているものであり、その量は人によって違いがあります。加齢やストレス、紫外線などの影響でセラミド量がさらに減少してしまうと肌は乾燥しやすくなり、バリア機能の働きも弱まって敏感肌になってしまうのです。

肌を敏感にしてしまう落とし穴


肌を美しくしようとして当たり前のように行っていることが、実はバリア機能低下の原因になっているのです。あれもこれもと、美容のためにやっていることは肌にとって本当に必要なのでしょうか?

クレンジング

メイクをした肌にクレンジングをすることは必要です。しかし、多くのクレンジング剤には界面活性剤が含まれており、油を溶かす性質をもっています。

バリア機能や潤い保持に欠かせないセラミドをはじめとする必要な細胞間脂質もメイクと一緒に溶かしてしまうため、いくらスキンケアで潤いを与えても肌にとって負担になるクレンジングを使用することで、肌を敏感にさせてしまうのです。

メイク

 ファンデーションやアイシャドウ、口紅などの化粧品は化学成分や香料など、肌にとって負担となる成分が含まれています。また、メイクをするときにブラシやスポンジの汚れが付着したり、塗る際に加わる摩擦がバリア機能を低下させてしまう原因に繋がってしまうのです。

入浴

血行促進や代謝アップなど、美容のために長湯や半身浴を楽しんでいる人も多いでしょう。しかし、指先がふやけてしまうほど長くお風呂に浸かってしまうと角層に水分が入り、バリア機能が低下してしまいます。

また、入浴剤や温泉の成分が敏感肌にとって刺激になってしまうことも。入浴は38~40℃程度の温度のお湯にし、浸かるのは10~15分にとどめましょう。

敏感肌における保湿の必要性


スキンケアの基本ともいえる「保湿」はどんな肌質にも必要とされており、保湿成分を豊富に含む化粧品やスキンケアも支持されてきました。しかし、間違ったスキンケアや過剰な保湿が敏感肌を悪化させる要因になっていることもあるのです。

今一度、敏感肌のあなたにとって保湿が必要であるかどうかを考えてみましょう。

保湿とは

 
肌の中に必要な水分の蒸発を防ぎ、保たれた状態にすることを「保湿」と言います。潤った肌や弾力・ハリのある肌を保つだけでなく、皮脂と水分とのバランスをキープすることはバリア機能を保つことにも繋がります。

保湿成分で敏感肌が改善されない理由

肌表面のカサつきを抑えるような保湿化粧品は皮膜をつくることを目的としており、一時的に角質の隙間を防いでくれるため刺激を感じづらく、バリア機能が保たれているような感覚になりますが、その持続力は永久ではありません。繰り返しそのようなスキンケアをしても敏感肌の「改善」にはつながらないのです。

肌本来がもつ保湿成分を取り戻すには

肌には皮脂、天然保湿因子、セラミドと呼ばれる角質細胞間脂質などの保湿成分が存在し、その働きによって水分量を保っています。

しかし、年齢と共に肌本来がもつこれらの保湿成分は減少し、肌トラブルを起こしやすい状態に。肌がもつ保湿成分を高めるには、肌のバリア機能を妨げないことが最も重要なのです。

過剰な保湿やスキンケアを行うと肌のバランスを崩してしまったり、肌内部に存在する保湿成分が機能しないことの原因になることもあるので、長年スキンケア方法を変えていない人やあれもこれもと美容成分をとり入れている場合は特に注意が必要なのです。

スキンケアをやめると敏感肌は変わる?


では、スキンケアそのものをやめて肌をリセットすれば敏感肌は治るのでしょうか?肌に対し何もしないことが敏感肌に与える影響についてお教えします。

何もしない美容法とは

敏感肌を治すには肌のバリア機能を取り戻すことが最も大事です。そのためには肌を生まれ変わらせるターンオーバーを正常化させなければなりません。

スキンケア化粧品に含まれている保湿成分や美容成分は肌にとって潤いを与え、肌を美しくさせてくれますが、外的刺激に強い肌をつくることや肌状態を根本から改善・回復することにはつながっていないのです。また、スキンケアだけでなくメイクやクレンジングで肌に触れることによる摩擦も、敏感肌にとっては天敵です。

つまり「何もしないこと」や「肌断食」と呼ばれるスキンケア断ちは、肌本来がもっている潤いをとり戻し、バリア機能を回復させ、敏感肌の改善にも役立つ美容方法なのです。

スキンケアをやめることで得られる効果

スキンケアを断ち、何もしないでいると肌がもつ保湿成分が機能し、肌内部から潤いを保つことができます。また、肌表面にも適度な皮脂を分泌させてくれるため、バリア機能が回復し、肌表面のキメが整うことで外的刺激に強い肌が育ちます。

毛穴がキュッと閉まり肌のハリもアップするので、敏感肌の改善に役立ち、肌トラブルを起こしにくくなるのです。

敏感肌改善を目指す何もしないケア方法とは


敏感肌の改善には過剰なスキンケアは禁物です。しかし、何もしないことが美肌につながるとはいえ、これまでしていたメイクやスキンケアを全くしないとなると本当に肌にとって良いのか不安もともないますよね。

肌の負担を軽減し、美肌効果を実感できる話題の「肌断食」や何もしないケアについて詳しくお伝えしていきます。

せっけんで落とせるメイクをしよう

何もしない美容方法の基本は、肌にとって刺激となるクレンジング剤を使用しないこと。休日はメイクなしで過ごすのが理想ですが、通勤や外出時などメイク無しで過ごすのは難しい場合は、化学成分や水分、香料を含まないミネラル成分でできたコスメでメイクすればクレンジングを使用せずメイクをオフすることができます。

洗顔料のみで落とせるメイクをすることで肌の負担を減らし、メイクを落とす際の摩擦をなくすことでバリア機能を回復することができるのです。

洗顔を見直そう

洗浄力の強い洗顔料を使用していたり泡立てずにゴシゴシ洗いをしていては、必要な皮脂まで落としてしまい、バリア機能は失われてしまいます。洗顔料を使用する場合は必要最低限の量にとどめ、指が触れるか触れないかぐらいの弱い力で洗いましょう。

洗い流すお湯の温度も重要です。熱いお湯は肌にとって刺激となり、乾燥を引き起こすため、32~35℃程度のお湯を使用してください。

メイクをお休みした日は洗顔料を使う必要はありません。ぬるま湯のみでサッと洗顔し、肌がもつ保湿成分を目覚めさせてあげましょう。

全く何も塗らないのが「肌断食」ではない

肌にもともとある保湿成分や水分をとり戻すため、スキンケアは特に何もしないことが「肌断食」ですが、外出時のUVケアに日焼け止めを使用したり、しっかりとメイクを施しクレンジングした場合は適度に肌に保湿成分を与えないと乾燥してしまいます。

あくまでメイクしない・洗顔料を使わない・保湿などのスキンケアはしない、ことが肌断食ではありますが、肌表面のカサつきがおさまらない場合やメイクをクレンジングしたあとはスキンケアで適度に保湿成分を与えてあげましょう。

本気で敏感肌を治したいなら


敏感肌の改善には何もしないこと、スキンケアの見直しが必要ですが、基本的な生活習慣を正すことも重要です。せっかくバリア機能を回復するための何もしない美容方法を実践しても、肌にとって悪影響な習慣を繰り返してしまうことで敏感肌が悪化してしまうこともあるのです。

本気で敏感肌の改善を目指すために必要なインナーケアについて、最後にお話しします。

ターンオーバーを整えよう

敏感肌を根本から改善するには、肌の生まれ変わりであるターンオーバーの周期を正常に保ち、整えることが大切です。

紫外線や外気の影響はもちろん、ホルモンバランスの乱れ、ストレス、睡眠不足など、肌にとって悪影響となる生活習慣をしているとターンオーバーが乱れ、肌の再生力を弱めてしまうので、メイクやスキンケアだけでなく内側からも肌に優しい生活を心がけましょう。

インナーケアが最大のスキンケア

肌がもつ美肌成分を促進させ、肌代謝をアップさせるには「食事」によるインナーケアがとても重要です。食べたものがそのまま肌にあらわれるといっても過言ではなく、乱れた食生活をしていると肌の調子も乱れてしまいます。

本気で敏感肌の改善を目指すなら、油分の摂りすぎや過度なダイエットによる栄養不足、アルコールの過剰摂取はやめ、食事こそスキンケアという意識で食生活を見直してください。

敏感肌のケアは何もしないことも選択肢の1つ


敏感肌を治すには一時的に緩和させる過度なスキンケアをするのではなく、肌本来がもつ保湿成分を回復させることが大切です。クレンジングやスキンケアをやめ、何もしないでいることはバリア機能を保てる肌をよみがえらせ、敏感肌改善に役立つでしょう。

敏感肌がなかなか改善されず悩んでいるなら、今一度あなたが行っているスキンケアや生活習慣を見直してみてください。

ライタープロフィール
加恵

10年のアパレル勤務を経て美容ライターに。年齢や体の変化と上手に付き合えるヘルシーな美容法を発信していきます。コスメを手作りすること、香りコスメを集めることが大好き。日常に取り入れやすいシンプルケアにトレンドを取り入れながら日々、美を追求し続けています。