乾燥する季節になると、手荒れに悩む人が増えます。特に女性は家事や育児など水を使うことが多いので、ひび割れて痛みがでたり出血するようになると日常生活に支障をもたらしますね。

家事だけでなく、看護師、保育士、美容師、調理師といった職業の方は死活問題にもなります。

また、手は人目につきやすいので、ガサガサの手はマイナス印象に。キレイな手をキープする方法をお伝えします。

手は乾燥しやすい


体の中でも手は特に乾燥しやすい部分です。その理由は顔と同じく常に露出していることが挙げられますが、顔よりも乾燥しやすいことはご存知ですか?

顔のスキンケアはしっかりするけど、手にそこまでしている方はどれほどいるでしょうか。手にも気を遣う必要があることを知っておきましょう。

皮脂腺が少ない

皮膚の細胞には水分が含まれており、その水分を蒸発させないように皮脂という油性成分が皮脂膜をつくって表面を守っています。ところが、手には皮脂腺が少なく、水で手を洗うと簡単に流れ落ちてしまいます。

皮脂膜がない無防備な状態では、手の皮膚に含まれている水分も蒸発しやすくなるのです。

血行が悪くなりやすい

手には毛細血管が張り巡らされており、指先まで血液が行き届くようになっています。ただ、血管が細い上に心臓から遠いところにあるので、血液が滞りやすくなっています。

関節が多いことも一因です。寒い冬は手足の先から冷えを感じるのはこのためです。血行が悪くなれば、栄養も十分に届かなくなるので、手が荒れやすくなります。

手が乾燥する原因


気付けばカサカサになっている手。乾燥を防ぐには、乾燥する原因を知っておく必要があります。特に気を付けたい原因は以下のとおりです。

手を洗う

手を清潔にするには必要なことですが、手を頻繁に洗うことで皮脂膜が流されて乾燥します。寒い冬はお湯で洗いたくなりますが、お湯ではさらに皮脂膜を流しやすくなります。

油料理をしたあとに洗い物をするとき、水で洗うと残った油が固まってよく落ちませんが、お湯なら短時間できれいに洗えますね。皮脂膜は油性成分なので、これと同じことです。

乾燥対策には、手を洗う回数をできるだけ減らす工夫をすることです。清潔な作業から不潔な作業へと流れるように行動するとよいでしょう。

たとえば、食器を片付けたあとにテーブルを拭き、床掃除をし、トイレ掃除をするという行動をすれば、手を洗う回数は1回で済みます。

洗剤に触れる

洗剤は汚れを落とすものですが、当然、皮脂膜も落とします。洗い物や洗濯など、洗剤に触れる可能性があるときはできるだけ手袋をしましょう。

消毒のためにとアルコールで手指消毒をすると乾燥します。テーブルを拭くときのアルコール除菌でも同様です。

ハンドソープでも手が乾燥します。手洗いの前に水で十分に手を湿らせてからハンドソープを使うと、多少は乾燥が防げます。

また、看護師や調理師など手の清潔のために薬剤を使う職業の方は、防ぐのが難しいかもしれませんが、日頃のケアで一日のダメージを回復させることが大切になってきます。

空気の乾燥

空気が乾燥すると、体の水分が蒸発します。手だけに限ったことではないですが、特に皮脂膜を失いがちな手は水分が逃げやすいのです。

部屋の湿度にも気を付けましょう。人にとって快適な湿度は40%~60%といわれていますが、肌にとっては60%程度がよいといわれています。

紫外線

手は紫外線を受けやすい部分です。紫外線は肌の機能を低下させ、乾燥へ導きます。また、シミ、シワの原因にもなりますので、冬だからといって紫外線対策を怠らないことが大切です。

手を乾燥から守るためのケア


手が乾燥する原因は完全には避けられないものですが、日頃のケアによってかなり状態がよくなります。具体的な乾燥対策をみていきましょう。

ハンドクリームはこまめに

手の皮脂腺は少なく、皮脂膜も失われやすいために手は乾燥しやすいのでしたね。そのため、皮脂膜のかわりになるハンドクリームをこまめに塗りましょう。水仕事の前にはもちろん、手洗いの後も必ずハンドクリームを塗るようにします。こうすることで、細胞の水分喪失は最小限になります。

油分だけでなく水分も補給

手がカサカサになってハンドクリームをいくら塗ってもしっとりしないという状態なら、水分を補給する必要があります。カサカサなのは水分が足りないためで、その状態でいくら油分で蓋をしてもしっとりしないのです。

顔には化粧水を塗った後に乳液やクリームなどの油性成分を塗りますよね。手も同じように、化粧水で保湿するとよいのです。

手専用にプチプラの化粧水を用意しておくとコストがかかりませんが、気にしない場合は顔と同じものを塗ってもよいですよ。

ただし、アルコールは皮膚を乾燥させるのでアルコールフリーのものを選びましょう。

水仕事のときは手袋を

洗い物やお風呂掃除など、水を使うときはできるだけ手袋をつけて行いましょう。

ただ、手袋のビニール成分でかぶれて余計に乾燥する場合があります。肌にやさしい綿の手袋をつけてからビニール手袋をつけるとよいでしょう。

さらに、保湿効果のあるハンドクリームをたっぷり塗ってから手袋をつけると、水仕事が終わったときにはしっとりしていますよ。

シャンプーなども肌にやさしいものを

手に触れるのを防げないシャンプー、トリートメント、ボディソープ、整髪料などは、肌にやさしいものを選びましょう。

特にシャンプーは汚れを落とすものなので、洗浄力の強いものなら手にはかなりの負担です。アミノ酸系シャンプーなら洗浄力は弱めですが保湿力があり、手にも地肌にもやさしいのでおすすめです。

紫外線対策も怠らない

手は日焼け止めを塗ったとしても、手洗いですぐに落ちてしまいます。保湿効果のある日焼け止めをバッグに入れて常備しましょう。

出かけるときや車の運転をするときには手袋をつけるとよいでしょう。冷たい風が手に当たらないので、乾燥対策にもなります。

ハンドマッサージで血行促進

手は血行が悪くなりがちです。冷えると乾燥しやすくなるので、ハンドマッサージなどでこまめに手の血行をよくしておきましょう。マッサージをする前に、保湿効果の高いハンドクリームを塗ると効果的です。

ハンドマッサージのやり方

  • ハンドクリームを、手のひら、手の甲にやさしく塗ります。
  • 右手で左手の親指をつかみ、ハンドクリームをもみこむように指先に向かってやさしくすべらせます。
  • 他の指も同様にします。
  • 次に、左手の爪を、右手の2本の指でつまむように揉みます。爪にもハンドクリームを馴染ませるように。
  • 反対の手も同様に行います。

他にも、手の血行をよくするために、グーパー運動をしたり、指を順番に折り曲げるなど、手を動かすのも効果的です。

湿度にも気を付ける

部屋の湿度が下がると、手が乾燥しやすくなります。湿度計をおいて、60%くらいを保つとよいでしょう。

湿度を上げるには、加湿器でもよいですが、お湯を沸かしたり、洗濯物を部屋干しにしたりすることで上げることができます。気温が下がると血行が悪くなりがちなので、湿度が下がりにくいオイルヒーターや石油、ガスファンヒーターで気温も同時に上げておきましょう。
 

手のひらの乾燥は黄信号


通常は手の甲の方が乾燥を感じやすいのですが、それは外気に触れる機会が多いためです。

しかし、水仕事が多い主婦や仕事がら手を洗ったり薬剤を使う機会が多い方は、手のひらまで乾燥している場合もあります。それがひどくなった場合に手湿疹(主婦湿疹)と呼ばれる状態になります。

かゆみは早めに対処する

手のひらにかゆみがでてきたら、乾燥のために皮膚がダメージを受け炎症をおこしている証拠です。ひどくなる前に対処しましょう。

かゆみは特にお風呂で温まったときや、寝る前にひどくなることが多いです。寝ている間に気づかずに掻いてしまうこともあります。掻きすぎるとひどくなり、湿疹がでてきて膿が出る場合もあります。

手のひらにかゆみが出てきたときにはどうすればよいのでしょうか。

第一に保湿が大切です。そして、できるだけ洗剤に触れないようにすることです。水仕事のときには必ず手袋をしましょう。

掻くことでかゆみが悪化するため、薬局でも購入できるステロイド外用薬を使って早めに炎症をおさえると、悪化するのを防ぐことができます。

主婦湿疹と皮膚炎

よく聞く「主婦湿疹」とはどのような状態なのでしょうか。「手湿疹」「進行性指掌角皮症」とも呼ばれます。

水仕事が多い人によくみられますが、角質が剥がれ落ちて、皮膚が薄くなったり、ひどい場合はひび割れたり指紋が消えたりします。

さらにブツブツ(丘疹)ができたり赤くなったりすると、強いかゆみがでてきます。アトピー体質の方は肌が乾燥しやすいため、主婦湿疹になりやすいです。

一方、主婦湿疹と間違えやすいのが、アレルギー性接触皮膚炎です。こちらはアレルギー物質に反応して起こるものですので、原因となるものに触れなければ症状はでません。洗剤の成分でかぶれる場合もこちらが当てはまります。不明な場合は皮膚科で診断してもらうとよいでしょう。

どちらの場合も、乾燥を防ぐことが大切です。保湿力の強いワセリンベースのハンドクリームで手全体を保湿しましょう。

昼間にベタベタするのが気になる場合はクリームタイプでも大丈夫ですが、乾燥しないようにこまめに塗りなおしましょう。皮膚科での治療としては、かゆみを抑えるためにステロイド外用薬と抗ヒスタミンの内服薬が処方されるでしょう。

ひび割れなどの症状がでたときのケア


普段から乾燥を防ぎ、手荒れを予防することが第一ですが、それでもひび割れができてしまった場合はどうすればよいのでしょうか。以下に対処法をご紹介します。
 

肌の修復を促すクリーム

ひび割れができてしまっても、水仕事を休むことはできません。そのために、さらにひび割れが進行して、真皮にまでダメージを受け出血するというあかぎれの状態になることも。ここまでくると本当につらいですよね。

これまで説明した保湿方法に加えて、ひび割れの部分にはワセリンベースの油性成分を塗って保護しましょう。普段使いのハンドクリームは尿素やグリセリンといった保湿成分が入ったものがおすすめです。

ただし、傷口が深い場合は尿素はしみるので避けましょう。また、傷の修復には血行をよくすることが大切です。血行促進や皮膚の再生を促す作用のあるビタミンCやE配合の軟膏もおすすめです。

とにかく早く治すためのハンドケア

ひび割れが悪化するとなかなか治りません。その原因は水仕事を繰り返すこと。昼間はとにかくこまめにハンドクリームで保湿したり、ひび割れの部分に絆創膏を貼って保護することで悪化を防ぎます。手も休まる就寝時に徹底的にケアしましょう。

お風呂上りの血行がよい時に、顔と同様に化粧水と乳液でケアします。そして寝る前にワセリンやシアバターのような油分の多いハンドクリームをたっぷり塗って、マッサージしましょう。

ベタベタが残るくらいがよいので、マッサージ後にハンドクリームを足してから就寝しましょう。綿の手袋をつけて眠るのもよいですが、主婦湿疹でかゆみがある場合は蒸れて悪化しますので注意しましょう。

基本的には手袋をつけずに寝た方が睡眠の質が保たれるといわれています。しかし、傷口は空気に触れない方がよいので、絆創膏や綿の包帯などで保護するのがよいでしょう。

手の乾燥対策でかゆみとひび割れを予防しましょう


手荒れを起こさせないためには、手の乾燥を予防することが大切です。つらい手のかゆみとひび割れはコリゴリですよね。今回あげたケアを実践して、真冬でもキレイな手をキープしましょう。

ライタープロフィール
山川 ハナエ

主婦兼フリーライター/元看護師/三児の母。独身時代は給料の大半をエステと趣味のバレエに費やす美容オタク。働く女性と育児奮闘中の母の気持ちがよくわかる。趣味は読書、英語学習、舞台鑑賞。年を重ねても内面が輝く美しい女性に憧れている。