肌が乾燥するとカサつきや粉吹き、赤みなど、気になる悩みがたくさん出てきます。その中でも、特に頭を悩ませるのが止まらなくなるほどの激しいかゆみです。肌がかゆくなると、爪を立ててしまい皮膚を傷つけるだけでなく、掻いてしまうという行為そのものが集中力を低下させてしまい、イライラやストレスで自律神経を乱してしまう原因にもなってしまいます。そんな肌のかゆみの原因は、本当に乾燥だけなのでしょうか?また、今はまだかゆみを感じなくても、潤いを欲しがっている状態の肌はさまざまなトラブルを引き起こしてしまうので、肌状態に適した乾燥対策が必要なのです。肌にかゆみがおきる仕組みや詳しい原因から、かゆみの改善方法を導き、しっとり潤う素肌の作り方をお教えしましよう。

乾燥からかゆみがおきる?

 肌が粉をふくほど乾燥しているとき、かゆくなってついつい掻きむしっていませんか?しかし、放っておいて治るというものではなく、掻けば掻くほどかゆみが増してしまうもの。まずは、乾燥肌の基本から知っていきましょう。

肌の乾燥状態とは

 健康な肌は表面にある角質層をおおう角質、皮脂、水分がバリアとなり、紫外線や摩擦、外気などの刺激から肌を守りながら肌内部の水分が蒸発しないように潤いを保っています。
しかし、ターンオーバーの乱れや保湿不足、加齢などでバリア機能が壊れてしまうと、肌は外的刺激を受けやすい状態に。皮膚がカサつくだけでなく、赤みや粉ふき、かゆみ、湿疹をおこすこともあるのです。

肌が乾燥するメカニズム

 乾燥の原因は紫外線、気温の低下、血行不良、加齢など、様々です。バリア機能が低下してしまった状態では肌細胞に栄養が行き渡らず、肌の保湿力も低下させてしまいます。
 また、外的刺激から肌を守ろうとする働きが皮脂分泌を過剰にさせ、皮脂トラブルにつながったり、肌の修復力がダウンしてしまい、敏感な肌状態になってしまうのです。

かゆみの原因

 では、肌のかゆみはどのように発生するのでしょうか?乾燥の他に考えられるかゆみの原因についても学んでおきましょう。

ヒスタミンの分泌

 皮膚奥の真皮にある肥満細胞から分泌されるヒスタミンは、肌に何らかの刺激が加わることによってかゆみとして脳に伝えられます。これが「かゆい」と感じる仕組みです。

かゆみがおきる理由

 では具体的に、かゆみがおきる原因について迫ってみたいと思います。どのような刺激によって、ヒスタミンが分泌されるのでしょうか?

●肌の乾燥
皮膚の表面から水分や皮脂が失われた肌は、外的刺激に対して無防備な状態です。特にもともと皮膚が薄い目元や口元、体のすねなどは乾燥によるかゆみが出やすいでしょう。

●アレルギー
ダニ、ハウスダスト、アレルゲンとなる食べ物、肌の乾燥や汗からもアレルギーは発生します。普段、何事もなく過ごしていても、免疫力が低下している状態の肌が突然アレルギー反応をおこす場合もありますし、大人になってからアトピー性皮膚炎が起こることもあります。

●あせも
汗腺の出口が詰まることで汗が溜まってしまうと炎症が起き、かゆみや湿疹、赤みとなって肌に出てしまう症状があせもです。夏場以外でも衣服や室温が原因で起こることがあります。

●じんましん
じんましんにはアレルギー性のものと、非アレルギー性のものがあります。非アレルギー性のじんましんは、摩擦や圧迫、冷えや熱によるものなどが原因で、かゆみが発生しないものもあります。

●虫刺され
蚊、ダニ、ノミなどによる吸血は強いかゆみをともないます。中にはブヨ、アブ、マダニなど、かゆみと同時に痛みを伴うものもあります。

●日焼け
日焼けをすると肌は軽くやけどをしたような状態になります。そのやけどを修復しようとリンパ液が集まることで水膨れができ、かゆみを生み出してしまいます。表面上に水膨れが見えなくても皮膚の下にできていたり、炎症を起こしているのでかゆみがともないます。

●衣類による摩擦
衣類の締め付けや染料・繊維のアレルギー反応、摩擦により、衣類かぶれをおこすことがあります。刺激が赤みやかゆみとなるでしょう。

●ストレス
ストレスにより自律神経が乱れると、全身のかゆみとなって症状がでることがあります。体に異常がなく、乾燥やアレルギーに問題がない場合はストレス性皮膚炎の場合があるのです。

●鉄分不足
体から鉄分が不足するとヘモグロビンの数が減少し、酸素を身体へ運ぶ働きも弱まってしまいます。また、肌細胞が新しくなるのに鉄分や酸素は欠かせないため、ターンオーバーは乱れ、肌の保水力も低下し、かゆみをともなう乾燥肌や敏感肌になってしまうのです。

乾燥によるかゆみを治したいなら


乾燥はさまざまな要因から起こり、かゆみの原因となっています。実際にかゆくなった場合、どのように改善していけばいいのでしょうか?その方法をお教えします。

バリア機能を整える

 乾燥によるかゆみをおさえたいなら、バリア機能が正常に保たれた肌にすることが基本です。そのためには皮脂バランスを保ち、肌を保湿することで水分量を保持しなくてはなりません。
また、摩擦による刺激も厳禁です。汗をぬぐうときもタオルで擦るようにするのではなく、おさえるようにしてください。

かゆみがおさまる保湿成分

 肌のかゆみをおさえ保湿するならグリセリン、アミノ酸、ヒアルロン酸のような水分を保持する成分や、水分を挟み込み保湿効果が高いセラミド、水分を逃げにくくするシアバター、アルガンオイル、スクワランオイルなどの天然オイルが有効です。
 ビタミンC誘導体や尿素も保湿効果がありますが、敏感肌の場合には刺激となりかゆみが増す場合もあるので気をつけましょう。

掻きむしるのはNG

 かゆみをともなった肌を掻いてしまうことで肥満細胞の刺激が活発化し、ヒスタミンの分泌も過剰になるとどんどんかゆみが増し、おさまらなくなってしまいます。かゆいからといって掻きむしってしまうのは悪循環なので、乾燥によりかゆいと感じたらなるべく早く保湿をし、肌を落ち着かせましょう。

ただのかゆみや肌荒れとは違う?乾燥性皮膚炎とは

 肌の乾燥がすすんでしまうと、かゆみの強い乾燥性皮膚炎になることがあります。その症状は乾燥肌と何が違うのでしょうか?

乾燥性皮膚炎の肌状態

 乾燥肌がひどくなると、肌表面がひび割れたり皮むけをしてしまいます。これは乾皮症といわれる皮膚炎をおこす手前の肌状態。乾皮症が進行してしまうとかゆみが増し、水ぶくれや赤みが目立つ湿疹を併発してしまいます。これが乾燥性皮膚炎の特徴です。

乾燥性皮膚炎の原因と治し方

 乾燥性皮膚炎は皮脂不足によりおこります。年齢が上がることにより皮脂量は減少してしまいますし、顔や身体の洗いすぎは、必要な皮脂まで落とし過ぎてしまうので注意しましょう。
 単なる肌荒れと勘違いせず、十分に保湿をしても治りが見込めない場合は皮膚科で外用薬を処方してもらいましょう。

乾燥かゆみを悪化させないために気をつけたいこと

 かゆみの最大の原因となる乾燥は、他にも赤みや小じわ、ガサガサ肌でメイクのりを邪魔したりと、さまざまな肌トラブルを引き起こしてしまいます。
 強いかゆみをおこさず、なめらかな肌状態を保つためには、保湿で潤す以外にも普段からできる対策を欠かさず行うことが大事です。普段の習慣にとり入れてみてください。

お風呂の入り方

 入浴後に肌のかゆみを感じやすいのは、浴室からでた後すぐの状態が肌に乾燥をもたらしやすい湿度環境だということが原因の一つです。お風呂上がりはすぐに顔や身体をケアしてあげましょう。
また、入浴し体温が上がることで肌は刺激に敏感な状態になります。室温の高いところで過ごしたり、運動、飲酒などで体温が上昇してしまうとかゆみが肌に出やすくなるので、注意しなければなりません。
お風呂の温度は38℃から40℃がベスト、室温も低めの設定を意識しましょう。

衣類の選び方

 ウールやアンゴラ、モヘアなどのニットや毛織物は肌を刺激し、かゆみを引き起こしやすい繊維です。インナーとの組み合わせに気をつけ、肌触りが良く快適に過ごせるものを身につけてください。
 また、繊維との相性が良くても、フィット感が摩擦となって肌がかゆくなる場合もあるので、長時間の外出の際には気をつけましょう。枕や寝具、クッションなど、衣類以外にも普段から肌に触れているものは清潔に保つよう心がけてください。

肌に適した湿度とは

 温度に比べ、具体的にあまり意識していないことが多いのが湿度です。加湿しすぎて湿度が高すぎる環境では菌の繁殖を増やしてしまい、かゆみの元になってしまうこともあるので気をつけなければなりません。
 肌にとってベストな湿度は60~65%です。低すぎると肌内部の水分を蒸発させてしまい、乾燥の原因となってしまうので注意しましょう。

食事でできるかゆみ対策

 かゆみを感じるヒスタミンの分泌をおさえる食べ物はキノコ類や納豆、ヨーグルト、ブロッコリー、小松菜、イチゴ、レモン、オレンジなどのビタミンを多く含む野菜や果実などが中心です。普段の食生活にとり入れ、食事からもかゆみを予防していきましょう。
 逆に、気をつけなければならないのはヒスタミンを多く含んでいる食べ物です。分泌されたヒスタミンが活発化し、かゆみをもたらすことがあります。サバ、マグロ、鮭、蟹、エビなどの魚類、豚肉、チョコレートやワインやコーヒーにはヒスタミンが多いので、肌が敏感な状態やかゆみが出やすい人はできれば避けた方が良いでしょう。

乾燥対策をしてもかゆみがおさまらない場合は?

 保湿や湿度、室温、衣類などに気をつけていてもかゆみがおさまらない場合は、皮膚に原因のある病気や、かゆみが症状の一つとなる病気の可能性であることも考えられますので、自己判断せずに、受診しましょう。
 また、乾燥がひどい場合や肌が敏感で市販の保湿化粧品が合わないなどの悩みがある場合も、皮膚科やクリニックで外用薬や保湿剤を処方してもらえるので、かかりつけの医師に相談してみてください。
  

まとめ

     

 乾燥による強いかゆみは、バリア機能が失われている肌状態から起こっています。保湿することはもちろん、温度や湿度、衣類、食事などのあらゆる環境から見直し、トラブルの無いなめらかで美しい肌を育てていきましょう。

ライタープロフィール
加恵

10年のアパレル勤務を経て美容ライターに。年齢や体の変化と上手に付き合えるヘルシーな美容法を発信していきます。コスメを手作りすること、香りコスメを集めることが大好き。日常に取り入れやすいシンプルケアにトレンドを取り入れながら日々、美を追求し続けています。