肌はなぜ保湿が必要なのかご存知ですか?乾燥を放置するとどうなるのでしょうか。保湿しても乾燥するのはなぜでしょうか。

肌が乾燥する主な原因は加齢ですが、これは防ぎようのない事実。ただ、加齢の他に対策できる原因もあります。乾燥を防ぐために日常生活で気を付けるべきポイントと、顔、地肌、体の3つの部位別に注目したい保湿ポイントもまとめましたので参考にしてください。

肌が乾燥する5つの原因

人は年とともに体内の水分量が減っていきます。30代以降になると乾燥肌に悩む人が多くなるのはそのため。しかし、乾燥する原因は加齢だけではありません。加齢以外の肌を乾燥させる5つの原因を知っておきましょう。

紫外線

紫外線が肌によくないことは多くの方がご存知のことでしょう。紫外線にはUVAとUVBがあります。UVBはメラニンを生成させてシミの原因になります。一方、肌の老化を促進させ、水分量を減少させてしまうのはUVAの方です。UVAが厄介なのは、日差しが強いときだけでなく、曇りの日でも窓ガラス越しにでも届いてしまうことです。

紫外線を予防するために日焼け止めを使うと思いますが、それが乾燥の原因になることもあります。日焼け止めに含まれている「紫外線吸収剤」や「紫外線散乱剤」が肌に負担になるためです。また、効果が強い日焼け止めほど肌への負担が大きくなります。

肌への刺激

体を洗う時にゴシゴシ洗ったり、かゆいからといって掻きむしったり、といった刺激や、日常的に触れる衣服やホコリ、化粧品や洗剤などが刺激となって肌にダメージを与えます。肌の表面は皮脂膜に覆われていて、それが肌を刺激から守っているのですが、強い刺激を与えることによってそのバリア機能が失われてしまい、肌が乾燥します。

空気の乾燥

空気が乾燥すると、肌の水分が空気に奪われてしまいます。空気中に含むことができる水分量と実際に含んでいる水分量の割合で湿度が決まります。湿度が下がると、空気は水分を欲しがるのです。

間違ったスキンケア

一日に何度も顔を洗うことで必要な皮脂まで落としてしまいます。洗う時に力を入れすぎたり、化粧水を肌が赤くなるほどパッティングしたり、顔がゆがむほどマッサージしたり、といった間違ったスキンケアで必要以上に刺激を与え、肌を乾燥させていることがあります。

生活習慣の乱れ

睡眠不足やストレス、栄養不足でも肌が乾燥しやすくなります。眠っている間に分泌される成長ホルモンの働きによって肌のターンオーバー機能が働き、肌の保湿機能が保たれます。ストレスなどで睡眠不足になるとターンオーバー機能も乱れます。また、肌が正常に機能するためには栄養が欠かせません。したがって、生活習慣を整えることが乾燥対策に結びつきます。

肌が乾燥するとどうなるか

肌が乾燥すると、肌本来のバリア機能が低下し、外からの刺激に弱くなります。乾燥した状態のまま何も対策せずにいると以下のようなトラブルが起こります。

敏感肌になる

バリア機能が低下した肌は、外部からの刺激に弱くなります。空気中のホコリや雑菌、花粉などのアレルギー物質、化粧品や洗剤、食品など、肌は多くの刺激にさらされています。通常なら多少の刺激も洗い流せば元通りになりますが、バリア機能が低下すると、それらの刺激から守ることができなくなります。その結果、気温の変化や肌をこするといった少しの刺激にも炎症を起こす敏感肌の状態になります。

オイリー肌になる

正確には脂性乾燥肌(インナードライ肌)という状態になります。肌の水分が減少してバリア機能を失っている状態なので、肌を守ろうとして皮脂を余分に出す機能が働きます。肌が脂っぽくなるため、オイリー肌だと思って肌を過剰に洗浄することで、より皮脂が分泌されるという悪循環に陥ります。

シミやシワができやすくなる

肌が乾燥してバリア機能が失われると、肌を守るために角質を厚くする機能が働きます。角質が厚くなれば、保湿をしても、肌内部まで浸透しにくくなり、水分によって保たれている肌のハリや弾力が失われます。肌の弾力が失われるとシワができやすくなります。また、角質が厚くなることで肌のターンオーバー機能が衰え、メラニン色素が蓄積し、シミができやすくなります。

かゆみがでる

かゆみを引き起こすのは、ヒスタミンという化学物質の仕業です。肌が乾燥すると、肌表面の角質層に隙間ができ、アレルギー物質など肌に刺激を与える物質が入り込みやすくなります。それらが反応してヒスタミンが神経に「かゆみ」という命令を出すのです。かゆいからといって掻いてしまうと皮膚に炎症を起こすため、さらにヒスタミンが分泌されます。

肌の乾燥対策

肌の乾燥は様々なトラブルの原因になることがわかりましたね。とはいっても、クリームなどで保湿しても改善されない乾燥はどうすればよいのでしょうか。日常生活で対策できることを以下にまとめましたので、実行してみましょう。

入浴のときに気を付けること

入浴時にかゆみが強くなるといった経験は多くの方がお持ちではないでしょうか。実は、入浴時の行動の中に乾燥しがちなポイントがあります。

熱すぎるお湯はNG

寒い冬はどうしても熱いお湯に長時間つかりたくなりますが、これが肌の乾燥を引き起こします。肌の保湿は角質層にある細胞間脂質(主にセラミド)と天然保湿因子(NMF)が担っていますが、長時間の入浴では角質層がふやけて、肌の保湿成分が流出してしまうのです。また、熱いお湯は肌を刺激するので、かゆみの原因になります。
乾燥対策には、40℃以下のぬるめのお湯で、長くても20分以内にとどめておきましょう。

タオルの刺激に注意

肌への刺激は乾燥の原因になります。肌の汚れをしっかり落としたいからといって、ナイロンタオルでゴシゴシ洗うと、肌に強い刺激をあたえます。お風呂上りに体を拭くときも同様です。
体を洗うときは、肌触りの柔らかいタオルを使うか、手で石けんを泡立てて洗いましょう。ボディーソープや石けんは乾燥肌や敏感肌用の刺激の少ないものを選ぶのもポイントです。
お風呂上りに体を拭くときは、タオルに水分を吸収させるように軽く押さえるように拭くとよいでしょう。

入浴後はすぐに保湿

肌の保湿成分や皮脂は、入浴で多少失われています。特に肌を守る皮脂が失われた状態は刺激に対して無防備な状態です。時間がたてば、残っていた保湿成分もふやけた角質層の隙間からどんどん失われてしまいます。入浴後はすぐにクリームなどで保湿することが大切です。

日常生活で気を付けること

肌が乾燥する原因の一つに、空気の乾燥もあげられます。特に寒い冬は空気が乾燥しやすく、暖房器具などでさらに乾燥を助長させます。日常生活での乾燥対策を以下にご説明します。

部屋の湿度を適切に保つ

部屋には必ず湿度計を置いて、空気の乾燥防止に努めましょう。人にとって快適な湿度は40~60%といわれていますが、肌の保湿にとっては60%がよいとされています。しかし、60%を超えるとカビが発生する危険性が高くなるので、加湿しすぎは禁物です。
加湿は、加湿器をはじめ、洗濯物の部屋干し、お湯を沸かすことなどで行えます。

エアコン暖房は控えめに

エアコン暖房は部屋を暖めるのに手軽でよいですが、加湿機能がないことや、エアコンからでる風によって乾燥します。エアコン暖房を使う場合は、湿度に十分注意しましょう。乾燥予防のためには、オイルヒーターやガス・石油ファンヒーターの方が優れています。

こたつや電気カーペットに注意

寒い冬には必需品という方も多いですが、乾燥してかゆみがある場合は、こたつや電気カーペット、電気毛布のように肌に直接熱が加わるものは、かゆみが悪化するおそれがあります。熱は肌にとって刺激になります。できれば控えるのが無難ですが、使う場合は肌が露出しないように工夫するなどして、乾燥対策を怠らないようにしましょう。

生活習慣で気を付けること

生活習慣の乱れは肌の乾燥を招くことはお伝えしましたね。では、具体的にどのようにすればよいのか、以下でご説明しましょう。

乾燥を防ぐ食生活

バランスの良い食事を心がけることが一番です。中でも肌のために意識して摂っておきたい栄養素は、たんぱく質、ビタミン、ミネラルです。忙しい毎日では、食事がパンだけなど炭水化物に偏りがちです。肉や魚、野菜、果物を毎食の中で少しずつでも取り入れるように努力しましょう。

冬でも適度な水分補給

冬は汗をかかない分、水分摂取を怠りがちです。体内の水分量が不足していると、外から保湿しても乾燥が改善されません。お茶などでこまめに水分を摂りましょう。そのときに、冷たい飲み物ではなく温かい飲み物にすると、代謝がよくなるので、より保湿効果があがります。

質のよい睡眠をとる

肌のターンオーバー機能が正常に働くには、質のよい睡眠が必要です。疲労やストレスでよく眠れなかったり、睡眠不足の状態だと、ターンオーバー機能も乱れます。質の良い睡眠のために、寝る前の習慣を大切にしましょう。
具体的には、寝る1時間前にはスマホやテレビを消し、薄暗い部屋で温かい飲み物を飲んだり、ストレッチするなどして、ゆったりと過ごすように努めるとよいでしょう。

部位別保湿ポイント

肌の乾燥対策は体のどの部分によってもほとんど同じですが、体の部位によって気を付けるポイントが異なるところもあります。顔、地肌、手足や背中など体の皮膚の3つの部位についてご説明しましょう。

顔の乾燥対策

顔の乾燥は毎日鏡で見ているだけあって気になる部分ですね。顔は常に露出しており、化粧など外からの刺激をうけやすいので乾燥しやすい部分です。顔の乾燥で敏感肌やインナードライ肌になると化粧くずれや、化粧そのものが合わなくなってしまうこともあり、保湿には十分に気を付けたい部分です。

顔の保湿ポイントは、できるだけ刺激を与えないことです。洗顔や化粧でただでさえ刺激が多い部分です。洗顔は刺激の少ない洗浄剤で、できるだけやさしく行い、化粧水や乳液を塗るときにもやさしく触ることを心がけましょう。

地肌の乾燥対策

地肌は毛髪に守られていますが、毛髪の乾燥は気になっても地肌は忘れがちです。地肌が乾燥すると、フケやかゆみ、抜け毛の原因になります。

地肌の保湿ポイントは、過度な洗浄を避けることです。かゆみのためにしっかり洗いたい気持ちになりますが、洗浄力の強いシャンプーで頻回に洗うことを繰り返すと、地肌はダメージを受けてさらに乾燥します。肌にやさしいアミノ酸系シャンプーで多くても1日1回の洗浄にとどめましょう。

体の乾燥対策

手足や背中など体全体が乾燥してかゆいのはつらいですよね。掻くことによって余計にかゆくなりますし、それによって炎症が起こるとアレルギー物質に反応しやすくなります。

体の保湿ポイントは、肌に触れる衣服に注意することです。肌と衣服の摩擦で刺激されてかゆみがおこります。繊維の種類や衣服についた汚れや汗などもかゆみの原因となります。特に肌に触れる下着は清潔で柔らかい綿やシルクなどの生地を選びましょう。衣服はきれいに洗い、柔軟剤をつかって肌触りをよくするのも効果的です。乾燥による静電気も刺激になりますので、肌の保湿も忘れずに行うことが大切です。

肌の乾燥対策は日々の心がけが肝心

乾燥の季節は多くの肌トラブルに悩まされやすい時期でもあります。クリームなどの外からの保湿だけでなく、食事を含めた日常生活のなかで乾燥対策を意識し、しっとりツヤツヤの健康肌を保ちたいですね。

ライタープロフィール
山川 ハナエ

主婦兼フリーライター/元看護師/三児の母。独身時代は給料の大半をエステと趣味のバレエに費やす美容オタク。働く女性と育児奮闘中の母の気持ちがよくわかる。趣味は読書、英語学習、舞台鑑賞。年を重ねても内面が輝く美しい女性に憧れている。