秋の時期の髪の毛と言えば、夏の強い紫外線やエアコンによるダメージを引きずった状態で、髪の水分不足や退色などが目立ちます。すぐに気温が低く乾燥が進む冬が訪れることから、秋にしっかりヘアケアをしておかないと、近い将来、切れ毛や抜け毛になることもあるのです。
秋は夏の疲れた髪と冬仕度のダブルケアに専念することが、常に美しい髪を保つ秘訣です。しっかりケアのポイントをマスターしておきましょう。 

秋の髪は猛暑で疲れ切っている!?


 この数年、日本の夏は猛暑に見舞われ、私たちの体は秋を迎えるころになると、夏バテ後遺症に悩まされがちですよね。髪の毛も頭皮も同様で、紫外線やエアコンの影響で乾燥が進み、疲労状態にあると言えます。

 そこで秋の時期のヘアケアは、夏のダメージ改善をしっかり行い、状態を整える必要があります。さらにこの後待ち受けている、気温が低く乾燥が激しい冬の潤いヘアの準備を同時に行うことが、艶やかでコシのある美髪づくりに役立ちます。よって秋のヘアケアはリセットを意識して行うことがポイントです。

夏の紫外線は髪の内部にまでダメージ


 キューティクルという言葉はよく耳にすることがあると思いますが、それがどれだけ美しい髪にとって重要な働きをしているかを、これからしっかりお話させて頂きますね。
 まず、1本の髪は、外側から中心に向かって3つの層から成り立っており、一番外側をキューティクル、その内側をコルテックス、中心部をメデュラといいます。キューティクルは硬いたんぱく質が主な成分ですが、紫外線はこれを変性させるほど、髪にダメージを与えてしまうことがあるのです。具体的によく見られる現象は次の2つです。

夏のUVダメージで枯れ髪に

 夏の紫外線は強度が強く、量も多いため、ある程度の時間髪に当たると、髪の毛の水分が奪われ、乾燥が進んでいきます。
それによりキューティクルがはがれやすくなり、水分量のバランスが崩れてパサつきや枝毛、切れ毛が出来やすくなります。髪のセットが崩れやすくなる原因にもなります。

夏のUVダメージで髪が赤色化

 強い紫外線を長時間浴びると、髪の毛の中の、黒褐色系色素のユウメラニンが酸化分解されることがあります。その結果、髪の退色を招きます。水分を失い退色した髪の毛は、まるで枯れた草木のように元気を失い、見た目の美しさからも縁遠くなります。

秋は巡りが滞って頭皮の状態が不安定

 夏の終わりから秋にかけて気温が徐々に下がり、とても過ごしやすくなります。
ここで気を付けたいのが気温の低下に伴って、血行が悪くなりやすいということです。体の巡りが悪くなると、新陳代謝が低下して、全身に栄養が行きわたりにくくなります。
 顔の皮膚のように、頭皮も約6週間のターンオーバーを繰り返すことで新しく生まれ変わり、健康な状態を維持しています。しかしながら、巡りの滞りはターンオーバーを乱したり、老廃物を促す働きにも影響を及ぼすため、頭皮の状態が不安定になり、美しい髪づくりを妨げることがあります。

縦に裂けやすいキューティクルの代償

 髪の毛は、もともと縦に裂けやすい性質を持っています。また、乾燥した髪はキューティクルが剥がれ落ちやすく、さらに毛に裂け目が入りやすくなります。その結果、枝毛や切れ毛となります。
また、夏に海や山で過ごしたり、長時間、太陽の日差しを髪の毛に浴びていたら、頭皮の炎症が起きているかもしれません。それが髪の毛の成長を阻害され、抜け毛になる可能性もあります。

キューティクルの特徴と役割

 テレビや雑誌などで、キューティクルのイメージ画像を見たことがある人も多いと思います。それだけ美しい髪の毛にとって大切な存在だということを、ぜひこの機会に意識してみて下さい。
 その特徴でもあるうろこ状の細胞は、とても薄く、根元から毛先に向かって1枚1枚重なり合っています。主な成分はケラチンと呼ばれる硬いたんぱく質です。ちなみにコルテックスは柔らかいたんぱく質で、これと水分が逃げないように働くと同時に、髪にツヤを与えています。

髪の大事な成分が流れ出ている

 乾燥や乱暴なブラッシングなどが原因で、キューティクルがめくれたり剥がれると、ダメージを受けやすくなるだけでなく、髪内部のたんぱく質や水分が流れ出てしまうことがあります。美髪に大事な成分が失われることで、髪が細く痩せた状態になってしまいます。

脂分の減少でツヤが出ない?

 髪の毛にツヤが感じられないと悩んでいるという人、これもキューティクルに問題があるかもしれません。なぜなら、髪の最表面であるキューティクルには、MEA(18-メチルエイコサン酸)と呼ばれる脂質で各層を覆っています。
 
 髪全体を占める割合はわずか1%未満ですが、髪のツヤや滑らかな手触りを決める大事な成分です。紫外線やブリーチなどで失われやすいので、ツヤを取り戻したいと本気で考えるなら、徹底したUVガードと、健康毛を育むためにカラーはしないことです。

冬仕度を意識した秋のヘアケア

 
 秋の時期は外気の気温や湿度が下がり、放っておくと髪の毛はどんどん乾燥していきます。頭皮の巡りの悪さと乾燥のダブルトラブルを受けないようにすることが、ヘアケアの基本となります。

髪の芯まで成分を届ける意識で

 秋の髪の状態は、キューティクルが傷つき、髪内部のたんぱく質や水分が失われている状態です。
シャンプーはさっぱりよりしっとりタイプを選び、トリートメントは髪の内部に届くような意識で、丁寧にかつしっかりなじませましょう。髪のツヤ出しには、ヘアクリームやオイルを使うことをおすすめします。

体の中から栄養を届ける

 丈夫な髪に欠かせないのが食事による栄養補給です。良質な動物性たんぱく質や、海藻類は意識して摂るようにしましょう。
その栄養を全身に行き渡らせるためにも、温かいものを飲んだり、入浴で全身を温めて巡りを整えるような生活を習慣化することも大事です。

まとめ


秋の時季の髪の毛は、夏のダメージと今後迎える冬の寒さに備えた、大事なヘアケアシーズンです。ここでしっかり髪の状態を整えておくことが、ツヤ、コシのある丈夫な美髪へと導いてくれます。ぜひ意識してお手入れに取り組んでみて下さい。

ライタープロフィール
川本 あきこ

放送作家・美容ライター。ロンドンの美容専門学校にてスキンケアアドバイザー、メイクの資格を取得。雑誌、書籍の編集、執筆の傍ら美容専門家としてライター、講師を務める。