潤いのあるつややかで指通りが良く、天使の輪が見える髪の毛は美を意識する人の憧れです。そんな髪の毛を保つにはどうすればよいでしょうか?髪の毛の成分や水分状態に注目して「潤いのある髪の状態はどのようなものか」と「潤いのある髪をキープする方法」をまとめてみました!つややかな髪はどんな状態かを把握し、潤いのある髪をキープしましょう!

髪の潤い。そもそも潤いとは

「髪の毛に潤いがある」と言われて思い浮かべる髪は髪にツヤがある・光があたると天使の輪ができる・髪の毛がパサパサしない・髪の毛がまとまりやすいなど漠然としたものが多いと思います。このイメージに関係する髪の毛の構造はどのような部分なのでしょうか?髪の毛の構造から髪の潤いについて見ていきましょう。

●髪の毛の潤いに関わる髪の構造
髪の毛の潤いに関わる髪の構造は「コルテックス」と「キューティクル」です。

コルテックスは髪の毛の85~90%を占める層で、繊維状の形をしたケラチンタンパク質や脂質によって構成されています。健康な髪の毛ではコルテックスの層に12~13%ほど水分が含まれ、髪の毛の強度や弾力性、柔軟性を保つ役割があります。
キューティクルは髪の毛の一番外側にある層で健康ものの場合、うろこ状のタンパク質が4~10枚ほど重なり、そのうろこ状のタンパク質表面はMEA(18-メチルエイコサン酸)という脂質で覆われています。うろこ状のタンパク質にはタンパク質・脂質・水分の流出を防ぐ役割があり、MEAには摩擦ダメージを防ぐ・髪の毛をまとまりやすくする役割があります。また、キューティクルのうろこ状のタンパク質が綺麗に並んでいることで光をしっかりと反射し髪の毛の光沢や天使の輪を作ってくれます。
つまり、コルテックスとキューティクルどちらも健康な状態であれば髪にツヤがある・光があたると天使の輪ができる・髪の毛がパサパサしない・髪の毛がまとまりやすいような潤いのある髪の毛となります。

しかし、コルテックス・キューティクルが傷つくと大変です。キューティクルが傷つくとコルテックス部分からタンパク質・脂質・水分が流出しコルテックスの中で空洞ができてしまいます。コルテックスに空洞ができると髪の毛に強度や弾力性、柔軟性がなくなり、硬くごわごわしたまとまりにくい髪となってしまいます。髪の強度も落ちているので切れ毛や枝毛の原因にもなります。
キューティクルが傷つけばコルテックスからの栄養流出が起きて髪の毛がまとまりにくくボロボロになる他、キューティクルで光が反射されてできていた髪の光沢や天使の輪ができなくなる・MEAが剥がれて髪の毛がまとまりにくくなる、といった事も起こります。

髪の潤いバランスの理想

 潤いのある髪の毛は健康な髪の毛です。健康な髪の毛のタンパク質・脂質・水分の割合を把握して健康な髪を目指しましょう。

●健康な髪の成分割合
タンパク質の割合:80~85%
脂質の割合:1~6%
水分の割合:11~13%(湿気が多い場合などは多少変動します)
※残りは髪の毛の色に関わるメラニン色素や無機質(カルシウム、マグネシウム、アルミニウムetc…)などが含まれます。

水分の役割

 髪の毛に含まれている水分は髪の毛のパサつきを抑える役割があります。本来健康な髪の毛には11~13%の水分が含まれていますが、ドライヤーの熱や周囲の乾燥があると髪の毛に含まれる水分はすぐに蒸発してしまいます。そして髪の毛に含まれる水分が7%を下回ると髪の毛にパサつき出します。

油分の役割

 油分の役割には髪の毛表面についた油と内部に含まれる油で役割が異なります。髪の毛の表面、キューティクルについたMEAは外部からの摩擦を軽減する役割と髪の毛をまとまりやすくする役割があります。髪の毛内部に含まれる油は髪の毛の中のタンパク質を繋ぎ止めておく役割があります。髪の毛の中の脂質が減ると髪の毛の内部に空洞ができたり、タンパク質の構造が崩れたり、キューティクルとコルテックスを繋ぎ止める部分の力が弱くなったりします。

潤いが失われる身近な要因

 潤いが失われる要因は間違ったヘアケアや普段過ごしている環境が関係しています。やりがちなヘアケア、普段何気なく過ごしている状態が髪の毛の大きなダメージに。少し注意するだけでも髪の毛のダメージを軽減する事ができるので次の事に注意してみましょう!

季節的なこと

 日本には春夏秋冬の四季があります。どの季節も特徴があり、地域によっても違いがあって見ているだけでも趣深いもの。ただ、この季節の変化に合わせてヘアケアをしないと髪の毛はダメージを受けてしまいます。

気温

 気温が高くなってくると頭皮に悪影響が出てきます。気温が上がると皮脂や汗が多く排出され、一定量以上溜まるとかゆみ・フケ・臭いの原因になってしまいます。
 また、気温が高くなると夏バテを引き起こし、食欲不振におちいって身体全体が栄養不足となり、髪の毛まで栄養が供給されにくくなります。髪の毛に供給される栄養が少なくなるとコルテックスがスカスカになる・キューティクルが弱くなるなどが起こり髪の毛の水分が流出し、髪の潤いやツヤがなくなってしまいます。
 気温の高い時期は頭皮を清潔にする・栄養バランスよく食事をとるように心がけましょう。

湿度

 髪の毛は周りが乾燥すると何もせずとも水分が蒸発してしまい、パサパサになってしまう性質があります。周りが乾燥する季節といえば冬、特に太平洋側では湿度が30%台になる事も。暖房をつければ更に湿度は下がります。
 髪の毛の乾燥を防ぐには「50%~60%程度の湿度」が必要です。冬場、特に暖房を付ける時には加湿機を利用する、ぬれタオルを置く、近くに水を入れたコップを置くなどして部屋の湿度を上げましょう。冬以外でも湿度が低下している場合はこれらの対策を。

雑なヘアケア

 雑なヘアケアは髪の毛の表面を覆うキューティクルを痛め、コルテックスからタンパク質・脂質・水分を流出させて潤いを失わせる大きな原因になってしまいます。
 キューティクルは濡れていると、うろこ状のタンパク質が持ち上がり開いた状態になります。キューティクルが開いていると軽い摩擦でもうろこ状のタンパク質にひっかかり、剥がれてしまう可能性が。
また、髪の毛を乾かす時のドライヤーの熱が当たり過ぎるとタンパク質が変性してキューティクルが剥がれる、なんてことも。ヘアケアしているつもりがキューティクルに大ダメージを与えている事のないようにヘアケア方法をチェックしてみましょう。

シャンプーの仕方

 髪の毛を洗う時、いきなり髪の毛を水で濡らして強く髪の毛をこする…なんて洗い方をしているとキューティクルにかなりの負担をかけています。キューティクルへのダメージを少なくして潤いある髪をキープするには次のような洗い方を心がけましょう。

●正しいシャンプーの仕方

  1. お風呂に入る前に髪の汚れを取るためにブラッシングする
  2. 予備洗いとして38~40℃のお湯で髪の毛の汚れやワックスを落とす(この時髪の毛をできるだけこすらないように)
  3. シャンプーは手のひらでよく泡立ててから髪の毛ではなく頭皮につける
  4. 髪の毛ではなく頭皮をマッサージするようにして洗う
  5. 最後は38~40℃のお湯でシャンプーを全て洗い流す
  6. シャンプー後はできるだけ早く髪の毛を乾かす

 この流れでシャンプーをするようにしてみてください。特にスルーしがちな動作はお風呂に入る前のブラッシングです。髪の毛の汚れやホコリはブラッシングでも半分近く落とすことができます。濡れている状態の髪をあまりこすらないようあらかじめブラッシングで汚れやホコリを落としておきましょう。

乾かし方

 髪の毛を乾かさずに放っておいておくと雑菌の増殖やキューティクルが剥がれる原因になってしまいます。お風呂から上がった後は必ず髪の毛を乾かしましょう。ただし、乾かし方が間違っていると髪の毛には負担がかかります。
例えば、まだ髪の毛が塗れている乾かし始めた直後にブラッシングをしたり、ガシガシと手で強くこすったりするとキューティクルが剥がれていきます。ドライヤーを髪の毛の近くで当て続ける・髪の毛が乾いているのにしっかり乾かそうとしてドライヤーを当て続けるとキューティクルのタンパク質が変性しコルテックスからタンパク質・脂質・水分が流出してしまいます。
 正しい乾かし方をマスターして髪の毛の潤いを守りましょう。

●正しい乾かし方のポイント

  • 最初に髪の毛をこすらないよう髪の毛をタオルで挟んで髪の毛を拭く。(ドライヤーを当てる時間を短くするため)
  • 風量の多いドライヤーで髪の毛の中にしっかり風を送り込みながら乾かす
  • 一か所に当て続けない
  • 髪の毛が熱くなりすぎないよう温風と冷風を交互に使って乾かす
  • ドライヤーの吹き出し口は髪の毛から10cm以上離す

乱暴なブラッシング

 ブラッシング自体は髪の毛のホコリを落とす・頭皮を刺激して血行を良くする効果があります。しかし、乱暴にブラッシングをしてしまうとキューティクルを傷つけ、潤いをなくしてしまう可能性が。正しいブラッシング方法で髪のダメージを防ぎ潤いを守りましょう。

●ダメージの少ないブラッシング方法

  1. 髪の根元ではなく毛先から優しくブラッシングする
  2. 毛先のからみがとれたら髪の毛の中間部分を優しくブラッシングする
  3. 最後に頭皮から毛先に向かって全体的に優しくブラッシング

 最初から髪の根元~毛先に向かってブラッシングすると髪がひっかかり、引っ張ることによって髪の毛にダメージを与えてしまいます。毛先のからみをほぐしてから全体をブラッシングするという事を意識してください。

●自分にあったブラシを使おう!
 ブラッシングをする際、自分にあったブラシやコームを使う方が髪の毛に負担をかけずにすみます。以下の中から自分にあったブラシを選びましょう!

ハーフブラシ……普段のブラッシング向き
ロールブラシ……ブローやスタイリング向き
クッションブラシ……髪の毛が傷んでいる向き。髪に負担をかけない
ベントブラシ(スケルトンブラシ)……天然パーマやロングヘア向き

 この他に髪の毛に負担になりにくいブラシ・コームを選ぶポイントとしては「素材はプラスチックのものを選ぶ」「ブラシ・コームの目が粗いものを選ぶ」などがあります。
濡れていない状態でも乱暴にブラッシングするとキューティクルは傷ついてしまう事を覚えておき、丁寧にブラッシングするよう心がけましょう。

潤いを失った髪の見極め方

 潤いを失った髪=不健康な髪です。自分の髪の毛が健康かどうかこの機会にチェックしておきましょう。

1.枝毛や切れ毛はないか
 枝毛と切れ毛は髪の毛が痛み切った状態で発生します。枝毛や切れ毛がある=髪の毛がかなり痛んでいるという証拠。潤いのある髪の為にはまず枝毛や切れ毛を無くすように丁寧なヘアケアをしましょう。

2.髪を指に巻き付けて離したらすぐに元の状態に戻るか
 潤いのある髪の毛は髪の毛自身に弾力があり、多少髪の流れを変えても元の方向に戻ります。中々戻らない場合は髪の毛の弾力の元、コルテックスの内部に空洞ができている可能性が。

3.髪の毛を引っ張って切れたりしないか
 髪の毛1本をつまんで抜けない程度に引っ張ってみてください。切れたり、髪の毛の表面の滑りが悪かったりすると髪の毛が痛んでいる証拠です。

4.雨の日に髪の毛が広がるか又はまとまりにくいか
 髪の毛が痛んでコルテックスに空洞ができていると雨の日のような湿気が多い日にはこの空洞部分に水分が溜まり髪の毛の体積が増え、髪の毛が広がったりまとまりにくくなったりします。雨の日に髪の毛が上手くまとまらない、と感じている方は髪の毛が痛み潤った髪の毛からは程遠い状態になっている可能性が高いです。

5.カラーリングしてもすぐに色が落ちるか
 美容室で使われるカラーリングはキューティクルを開きコルテックス内部に色素をしみこませて着色するタイプが主流です。このタイプのカラーリングは髪の毛が痛んでいなければコルテックスにカラーリング剤の色が閉じ込められていて長期間色をキープできます。しかし、キューティクルが剥がれコルテックスの中身が出てしまうような状態だとカラーリング剤の色素も一緒に流れ出てしまいすぐに色落ちを起こしてしまいます。

6.すぐに髪の毛が絡まるか
 キューティクルが痛んでいると髪の毛同士がひっかかり、すぐに絡んでしまいます。キューティクルが痛んでいる=タンパク質・脂質・水分が流出する原因となるので髪の毛がそれほど細くないのにしょっちゅう絡まる、という方は髪の毛が痛んでいる可能性大です。

5 髪内部の水分が逃げない方法

 髪の毛の水分を適切な量で保つのは中々難しいものです。特に髪の毛からの水分の蒸発は雨の日以外は対策をしておかないと中々防ぐ事ができません。髪の内部の水分を逃さない対策を見てみましょう。

・ヘアオイルを利用する
 ヘアオイルは髪の表面をコーティングして髪内部からの水分蒸発を防いでくれます。スタイリングに使えるタイプや香りが良いタイプもあるので自分にあったものを選んで使ってみてください。

・洗い流さないトリートメントを利用する
 洗い流さないトリートメントも髪の表面をコーティングして髪内部からの水分蒸発を防いでくれます。髪の水分蒸発防止に重点を置くならオイルタイプの洗い流さないトリートメントを選びましょう。髪の毛をしっとりさせたい、軽い仕上がりにしたい場合はクリームタイプ・ミルクタイプのものを選んでください。
 手軽に利用できる水分タイプの洗い流さないトリートメントもありますが、髪の水分を閉じ込めるには不向きです。洗い流さないトリートメントを購入する際は自分にあったタイプをチェックしましょう。

6 髪のツヤに大切な2種類の脂とは

 髪の毛の大半はタンパク質でできていますが、一部脂も含まれています。髪の毛に含まれている脂は髪の毛へのダメージを軽減してくれたり、水分を保持してくれる役割が。髪の脂について見ていきましょう。

髪表面(キューティクル)の脂

 1でも書いた通り健康なキューティクルの表面はMEA(18-メチルエイコサン酸)という脂質で覆われています。MEAは髪同士の摩擦やブラッシングでの摩擦の刺激を軽減する他、髪の毛のまとまりを良くしたりツヤを出したりする役割があります。

●失われるとどうなるのか。
 MEAが無くなると髪のツヤが失われ、髪の毛がまとまりにくくなる他キューティクルに摩擦のダメージが入りやすくなります。キューティクルを構成するうろこ状のタンパク質はMEAがないと摩擦ダメージに弱く、並びが乱れたり剥がれたりしてしまいます。
キューティクルが傷ついたり剥がれたりすると髪内部のコルテックスから脂質・タンパク質・水分が流出し、髪の毛のツヤや髪の毛のコシが失われる、枝毛・切れ毛ができてしまう原因に。

髪内部(コルテックス)の脂

 コルテックスの内部には細胞間脂質(CMC)という脂肪が存在しており、コルテックス同士をくっつける役割と水分を保持する役割があります。細胞間脂質はセラミドなどの親水性の脂肪酸やコレステロールで構成されています。含まれている親水性の脂肪が水を引き付ける為、髪内部の水分保持に重要な役割を果たします。

    ●失われるとどうなるのか。
細胞間脂質が加齢で減少したり、キューティクルが傷ついて髪の毛の外に流出してしまうと水分が蒸発しやすく、枝毛や切れ毛が発生しやすい髪質になってしまいます。

手軽に出来る油分を補うヘアケア

キューティクル表面についているMEAはなくなってしまうと体の修復能力だけでは復活させる事ができません。MEA自体を取り戻すにはMEAを含むシャンプーやトリートメントを使い髪ってみましょう。一時的ではありますがMEAを取り戻す事ができます。その他には痛みはじめのキューティクルなら椿油などのヘアケア用油脂を塗る・流さないトリートメントをつける事でMEAの代わりに髪の毛をダメージから守ってくれます。

コルテックス内部の細胞間脂質の減少を防ぐには「髪の毛の栄養となるタンパク質を食事で摂取する」「ヘアケア商品は髪の毛に直接栄養を補給できるアミノ酸入りやセラミド入りのものを使う」事がおすすめです。

まとめ

潤いある髪をキープするには髪を健康状態にすることが大切です。正しいヘアケアを行う・髪の痛みはじめにトリートメントやヘアオイルをつけるなどして綺麗な潤いある髪をキープしてください。

ライタープロフィール
MAYU

国際文化理容美容専門学校を卒業後、都内サロン2店舗を経て独立。
現在は、都内にてヘア・メイクアップアーティスト・着付師として活動。美容歴9年。
誰かの為になるちょっと嬉しい情報を丁寧な切り口で発信していけたら・・という想いで執筆しています。