しなやかでコシがあり、毛量の整った髪が続くといいのに…。美髪の条件が揃ってさえいれば、いくつになっても自分の好きな髪型を楽しむことが出来ます。
しかし女性の場合、個人差はありますが、加齢とともに女性ホルモンの影響を受けて、薄毛や抜け毛に悩まされることがあります。その時、ライフステージや女性ホルモンの特徴を理解していると、体調バランスを整えたり、リラクゼーションのヒントになります。では早速、ご自身の生活と照らし合わせて参考になさって下さいね。

加齢による髪の変化について

 最近、抜け毛が多い、髪をアップにする時、毛量が少ない…と不安になる事はありませんか?髪の毛は肌と同様に加齢の影響を受けます。しかも30代頃からその現象が始まると言われていますが、今、四十代の人も五十代の人も、あきらめないでください。なぜなら私たちの体を構成する細胞は、日々新しく再生されており、その状態を健やかに保つことが出来れば、髪にも好影響を与えてくれます。そのためにも不摂生な生活はあらためた方がいいということは、納得いただけるはずです。

抜け毛・薄毛が目立つ

 あるデータによると、30代ごろから抜け毛の本数が増加し、密度やボリュームが感じられないという現象に悩まされることがあります。
さらに髪の毛の太さにも影響が出始めて、ますます髪のボリューム低下の一途をたどり、薄毛が目立つようになります。
ちなみに頭皮の一部、もしくは生え際が薄くなる、という状態は男性によくみられるタイプです。

抜け毛・薄毛の原因

 加齢による抜け毛・薄毛の原因には主に以下の5つが考えられます。

  • 老化によるホルモンバランスの乱れ
  • 出産後のホルモンバランスの乱れ
  • 生活習慣の乱れ
  • 間違った頭皮ケア
  • ストレスの蓄積

 簡単に改善することが出来るものや、避けて通れない生理的な現象がありますが、どれも髪の毛と切っても切れない関係にあることを理解しておきましょう。

女性ホルモンと髪の関係

 女性の加齢による髪の変化には、女性ホルモンが深く関係しています。特に髪と密接な関係にあるものについて見ていきましょう。

ホルモンについて今一度確認を

ホルモンは、特定の分泌器官から分泌され、体の各機能をコントロールする物質です。
その数は約100種類以上あり、それぞれが各臓器や神経に働き、体の恒常性をコントロールしています。つまり生きていくうえで必要不可欠というわけです。

女性ホルモンの働き

 抜け毛・薄毛に深い関係を持つのが女性ホルモンです。ちなみにこれは名称で、男性の体内からも作られます。
 次に、女性ホルモンの中でも、髪の毛と深い関係を持つ2つについて確認しましょう。


●エストロゲンとは

 エストロゲンは「卵胞ホルモン」とも呼ばれる女性ホルモンの1つで、卵巣から排卵前に分泌が増加し、排卵を促してくれます。他の働きも見てみましょう。

  • 子宮内膜を厚くし妊娠に備える
  • 女性らしい体をつくる
  • 基礎体温を下げる
  • 自律神経症状(ほてり、発汗など)を出にくくさせる
  • 骨の形成を助ける
  • 肌や髪の新陳代謝を促進させる

 以上のように、女性の体の健康をサポートする重要な役目をしています。
加齢だけでなく、間違ったダイエットなどで分泌にトラブルが起こると、不調に見舞われることがあります。また、エストロゲン分泌量のピークは20歳~30歳、それ以降は分泌量が減少していきます。そのため、30代に入るとその影響から、体型が崩れやすくなる・肌がたるむ・髪の毛が薄くなるといった悩みが出てくることがあります。
 ただ、エストロゲンがたくさん分泌されていれば良い!という訳ではありません。健康な体を維持するには、次に説明するプロゲステロンとのバランスが大切になってきます。

●プロゲステロンとは
 プロゲステロンは「黄体ホルモン」とも呼ばれる女性ホルモンの1つで、卵巣から排卵後~生理直前に分泌が増加し、月経を促してくれます。月経を促す以外には以下のような働きがあります。

  • 乳腺の発達
  • 体の水分を保持する
  • 妊娠を助ける(子宮内膜の維持など)
  • 基礎体温を上げる
  • 食欲を増進させる
  • 腸の蠕動運動を抑制する
  • 髪の毛の成長を保持する

 人によっては黄体ホルモンが多く分泌される時期に精神が不安定になったり、腹痛、頭痛、吹き出物に悩まされることがあります。また、分泌量が少ない場合、不妊の原因や、髪の毛がなかなか伸びないという現象が起こることがあります。
 まとめると、バランスのとれたエストロゲンやプロゲステロンの分泌は、健康と美容の双方にとってなくてはならない大切な調整役です。
生理が来ない、月経前にイライラする、我慢できないくらいの腹痛や頭痛、眠気が起きるという方は、女性ホルモンに問題があるかもしれません。いつまでも若々しく健やかでいるためにも、思い当たる症状のある方は産婦人科を受診することが重要です。

女性ホルモンが減少する原因

 女性ホルモンが減少する原因には加齢以外にも以下の5つがあります。

睡眠不足

 睡眠不足が続くと、体の疲労が蓄積されるだけでなく、体の機能をコントロールしている自律神経のバランスが乱れがちです。ちなみに私たちはストレスを感じると、脳が先陣を切って反応し、自律神経から血液へと伝達されていきます。また、エストロゲンやプロゲステロンの分泌を命令しているのは「脳下垂体」です。
よって質の良い睡眠が得られなければ、体調不良に見舞われ、ホルモンバランスにも影響が出てきます。本気で美髪を叶えたいなら、睡眠環境を整えて快眠生活を送るようにしましょう。

食生活の乱れ

 栄養バランスの偏りや過度のダイエットが原因で、女性ホルモンを作る材料や補酵素が不足してしまいます。特に意識して摂りたい栄養素は、タンパク質・ビタミンB1・ビタミンB6・ビタミンE・イソフラボン・亜鉛です。これらの栄養素はこのような食材に含まれています。

  • タンパク質:肉類、魚介類、大豆製品、乳製品、卵など
  • ビタミンB1:豚肉、鶏肝臓、ウナギ、タラコ、サケ、かつお節、小麦胚芽、きなこ、エンドウ豆など
  • ビタミンB6:ニンニク、マグロ、カツオ、サケ、カタクチイワシ、カツオ、小麦胚芽など
  • ビタミンE:ナッツ類、スジコ、いくら、タラコ、カボチャ、ヒマワリ油、なたね油など
  • イソフラボン:大豆製品
  • 亜鉛:レバー、卵、チーズ、牡蠣、ニシン、小麦ふすま、ゴマなど

 女性ホルモンの調子を整えるためにも、以上の食べ物を取り入れた食事を心がけるようにしましょう。

体を冷やしている

 体が冷えると血行が悪くなり、自律神経が乱れて女性ホルモンの減少や、バランスが乱れることがあります。入浴は毎日シャワーだけで済ませているなら、全身浴で湯船にじっくり浸かる、また、仕事場での冷房が効き過ぎているという方は、足腰、肩を冷やさない対策を取ることが重要です。通年、体を温めるようにしましょう。

ストレス

 ストレスは自律神経のバランスを乱し、女性ホルモンの減少、バランスの崩れに繋がります。なぜなら、ストレスの原因となる臭い、音、気温、湿度、感情などを真っ先に反応するのは脳で、次に自律神経へと伝わります。
すると血流を悪くして活性酸素の発生につながり、健康を害すことがあるのです。ストレスにより髪や肌に影響が出ると言われるのは、そのようなメカニズムによるものです。ストレスの原因が何かを把握し、軽減させるように努めることはとても重要です。
 私たちはストレスを感じずに生活を送ることは不可能ですが、それを溜めないことで快適な毎日につながります。美容面でも発揮されるということをあらためて把握しておきましょう。

運動不足

 運動不足は筋力が落ち血行不良になりやすくなります。巡りの悪さが女性ホルモンにも影響を及ぼすことがあります。運動不足を自覚したら、家ではストレッチ、外ではウォーキングやスロージョギングなど、続けられそうな運動を日常生活に取り入れてみましょう。

ライフステージと女性ホルモン

 女性ホルモンの減少は、自然な体の変化なので避けられるものではありません。ただ、上手く付き合う方法はあります。ぜひ取り入れて健康的で綺麗な見た目を保ちましょう!

●女性ホルモンとの付き合い方
 年齢とともに女性の場合、女性ホルモンのバランスによって大きく変動します。ライフステージとその特徴をご紹介します。

●思春期(12~18歳ごろ)
 女性らしい体つきに成長。女性ホルモンの分泌は活発だがバランスは不安定。皮脂腺の確立と共に皮脂分泌が過剰になり、ニキビが目立ちやすい。
●成熟期(10代後半~四十代半ば)
 生理周期に合わせて女性ホルモンの分泌に変動が出る。成長とともに妊娠や出産に備えるための体が整っていく。プロゲステロンの影響で、生理前はニキビ、吹き出ものが出来やすい。
●更年期(40代後半~50代)
エストロゲンが減少し、閉経を迎える。皮脂量が減り、しわやしみ、潤いが感じられないなど、複合的な肌悩みがあらわれる。
●更年期以降
女性ホルモンは減少するが、変動がなくなり安定してくる。ターンオーバーが遅くなる、真皮の老化によるしわ、たるみが目立つが、肌状態は安定。

 加齢にともなって起こる現象は、日常生活を送るうえで上手に付き合うことに尽きます。次の3つは快適な生活のための基本です。
・「ストレスの少ない生活をする」
・「正しい食生活をする」
・「しっかりと睡眠をとる」
以上を基本に、生活の見直しをしながら改善することが大事です。
体調の不調が気になる場合は、我慢せず、すぐに専門医の診察を受けるようにしましょう。

健康な髪に欠かせないホルモン

 健康な髪の成長には女性ホルモンの他に、「成長ホルモン」が関わってきます。
その働きは、細胞の分裂を促したり、疲れや怪我の回復に作用します。
ちなみに髪の毛は、毛根の一番下にある毛乳頭が毛母細胞に指示を出し、毛母細胞が分裂することで作られます。成長ホルモンはこの毛母細胞の分裂を促すために、大事な役割を果たしています。
この他にも成長ホルモンはエネルギー代謝やターンオーバーを促すなど、女性の美容に嬉しい働きもしています。

●成長ホルモンの分泌を促すには

 成長ホルモンの分泌が期待できるのは睡眠中です。もはや美容界では睡眠のゴールデンタイムとかシンデレラタイムと呼ばれる、美肌づくりに大事な時間帯を23時から夜中2時とうたっているのは、成長ホルモンの分泌と睡眠のリズムによるものがその理由の1つです。イキイキとした健やかな髪の成長のためにも、やはり質の良い睡眠を取ることは大事なんですね。

 また、食事面でサポートするなら、栄養素はタンパク質を構成するアミノ酸の1種、アルギニンです。どんな食材に含まれているのか見てみましょう。

アルギニンを含む食材:かつお節、しらす干し、湯葉、高野豆腐、鶏胸肉など

 当然ですが、それだけ摂れば成長ホルモンが分泌されて体の調子が良くなる、髪の毛も健康になるという訳ではありません。バランスの良い食事に、アルギニンもしっかり摂取出来ていることが肝心です。

憧れの髪質を手に入れるために

 髪の毛のツヤ、ハリ、毛量を理想に導くためには、女性ホルモン、と成長ホルモンの分泌を促すことを意識した食生活に注目してみましょう。普段の買い物や外食先で、食材選びに役立ててみましょう。

●髪のツヤ、ハリ、毛量を保つ栄養素
 髪の成長を助ける栄養素には、髪の材料となるタンパク質、新陳代謝を高める亜鉛、抜け毛の原因になる過酸化脂質を抑制するビタミンE、髪に栄養を運ぶ血液の不足を防ぐ鉄が重要です。それぞれの栄養素を含む食材は以下の通りです。

  • タンパク質:肉類、魚介類、大豆製品、乳製品、卵など
  • 亜鉛:レバー、卵、チーズ、牡蠣、ニシン、小麦ふすま、ゴマなど
  • ビタミンE:ナッツ類、スジコ、いくら、タラコ、カボチャ、ヒマワリ油、なたね油など
  • 鉄:レバー、牡蠣、シジミ、ひじき、大豆、小松菜、切り干し大根、ほうれん草など

エイジングヘアケアのポイント

 髪の毛を健康に保つためには、普段のヘアケアも大切です。そこで気を付けたいのがシャンプーの回数です。シャンプーは頭皮を清潔に保つために必要ですが、やり過ぎはキューティクルを傷つけたり、頭皮の油分を落とし過ぎて乾燥を招き、抜け毛やフケの原因になりかねません。毛量の整ったコシのある髪を保つためにも、洗い過ぎには注意しましょう。

シャンプーの回数

 シャンプーの回数は頭皮の状態にもよりますが、夏場なら1日1回、冬場なら2日に1回が目安です。これは、夏場はよく汗をかくので頭皮を清潔にしておく、冬場は空気が乾燥し、頭皮も乾燥しやすい状態にある、ということを基準にしています。
 ただ頭皮の状態は人それぞれ、また日によって異なります。頭皮がベタつく、運動をした、汗をかいたと感じる場合は、冬場でも1日1回洗うように調節して下さい。
夏場は1日2回シャンプーしたくなるかもしれませんが、髪の毛や頭皮には負担になるのでやめましょう。シャワーは2回浴びても髪の毛を洗うのは1回にする、髪をお湯で流すだけにしてシャンプーを使わない、などの工夫を。

ヘアトニックを用意

 抜け毛の発生やフケの発生を防ぐために、ヘアトニックを使う、というのも髪の毛のエイジングケアに適しています。頭皮の血行を促進、炎症防止、育毛を促進などの成分が含まれており、30代以降髪の毛のエイジングケアには常備したいアイテムです。頭皮に直接つけるので、状態や目的に合わせて使うようにしましょう。

まとめ

 髪のエイジングケアは、ライフステージと女性ホルモン、睡眠と成長ホルモンのように、生活と健康に深く関係しています。例え不調に見舞われても慌てることなく対処できるために、ぜひ今回の情報をお役立て下さい。

ライタープロフィール
aestivum

20代後半独身ながら生活を楽しんでいるaestivumです。女性の読者の方が楽しく、自分らしく生活を送る事ができるようなキッカケとなる文章をお届けできるよう頑張ります。国立大学理系卒、現在は大学技術職員をしながら文章書きをしています。